「そこそこの蛙でなかったら、そこそこのなんですか?」
2015年7月31日発売の「薬屋のひとりごと」小説3巻のネタバレ感想記事です。

原作小説です。漫画もあるので注意してね!
過去最大ボリューム。超分厚いです。
衝撃的な壬氏の蛙巻、そして未解決伏線が多数の印象でした。

全年齢モノでいいのか…?と思ったよね
以下、情報過多な一冊の伏線・感想です。
ネタバレ感想
まだ使ったことない人限定!
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壬氏から見た幼女趣味(ロリコン)先帝過去話。
それから今頃で何ですが、挿絵担当の「薬屋のひとりごと3」も先月末から発売中でございます。あっというまに二度重版したと聞きました。日向夏先生おめでとうございます! 既刊ふくめ好評な様子で何よりです。4巻もとても楽しみです。 pic.twitter.com/rqPNVGlCdP
— しのとうこ (@touco_shino) July 25, 2015
ただ、自分の隣で膝をついている母は、煮えたぎるような熱い視線を老婆へと向けていた。
そして、自分がずっと父だと思っていた者が兄だと知った。

皇太后と皇帝の年の差はなんと10歳。

先帝それはダメだよ…
父が現帝・母が皇太后だと思っていた壬氏様。
勘違いするのも当たり前の年齢差です。
そして兄だと理解したその人、実は父親です……(ややこしいな…)
超複雑な家庭環境で生きてきた、壬氏の苦労がしのばれますね。
薬屋のひとりごと|皇太后を相関図でネタバレ解説!兄・豪の家系図も
猫の毛毛(マオマオ)
後宮で猫を拾う猫猫。
管理された後宮で一体どこから入り込んできたのでしょうか?(伏線)
壬氏と猫好きな人の心理について雑談になりますが…
猫猫「普段はそっけないくせに、餌を与えるときだけ愛想がよくなるのが腹立たしいですが」
壬氏「あ、ああ」
猫猫「そこまでくると、もう諦めて許してしまうらしいですね」
壬氏「……」
心当たりしかないようですね(笑)
猫は「毛毛(マオマオ)」と名付けられました。
後宮に隊商(キャラバン)が来る
後宮にキャラバンがやってきます。
妊婦でも着れる服が販売されており、
妊婦に害のある香油や香辛料が多数販売。
猫猫がそのことに気づき、妊娠中の玉葉妃が警戒を強めました。

誰を狙ったもので、誰が引き入れたのか?
やり口が毒おしろいの件に似ていて、その犯人【翠令】は今だ行方不明です。
このあたりの余談で、楼蘭妃が50人以上の使用人を引き連れて入内していたことが発覚します…!
新しい妃、楼蘭妃のメイクかわいい
ちょっと前にイエローのカラコン買ったから真似してみよう︎👍🏻 ̖́- pic.twitter.com/9bvrVb42I5— ☪︎ yちゃん໒꒱· ゚ (@rom36816) February 3, 2024

これも伏線です。
玉葉妃は猫猫入れても5人だったので10倍ですね…
生活費が経費で落とされると考えると、恐ろしいですね…
後宮学校はじめました
女官たちの識字率を向上させ、後宮を出た後に困らないようにしたい。
そんな皇帝の想いで学校が開設されました。

猫猫のダベリ友達・小蘭が頑張ってるよ!
薬屋のひとりごと|小蘭はどうなる?下女のその後をネタバレ解説!
建設時、猫猫の壬氏への助言が流石でした。
- 学校より飯の種になる「職業訓練」という言葉を使え
- たまに点心(おやつ)をだせ(毎日だと食べたい時だけ来る人がいるからNG)

猫猫の隙の無い企画・立案。
本当にハイスペックです……
女性特使を壬氏の舞でもてなし
【「薬屋のひとりごと」最新話掲載!】
本日発売の月刊ビッグガンガンVol.11に「薬屋のひとりごと」最新話が掲載されています!
壬氏からの相談を受け、異国の美人特使が会いたがっている“絶世の美女”の代理に適役な人物を見つけた猫猫。そして宴は当日を迎え…!!
単行本最新9巻は11月25日発売!! pic.twitter.com/ZfLhC0U4e4— 月刊ビッグガンガン (@big_gangan) October 25, 2021
西方からやってきた、瓜二つな二人の金髪碧眼の女性特使。
曾祖父から聞いた絶世の美女『月の精』を見たいとご所望されたため、壬氏様が舞います。
なぜ壬氏様?ということですが、本物の『月の精』、当時のやり手婆は身長175cmあったそうで…

マジで!?
ここは壬氏様の出番です。
宴当日。
女性特使の片方が堂々と皇帝に近づき
「せっかくの宴ですのに、こんなに離れてしまうなんて。もう少し近くでお話をしたいでス」
と色目を!!
妃たちが殺気立ちます。
そこに現れる月の精、壬氏様。
見ているだけ心の臓を鷲掴みにされ、引きちぎられるような気分になる。まるで、猛毒のような存在だ。
満月と水面に映った、ひらひらと舞う淡い光、揺れる柳、それを背景にひれを舞わせる美人。
そこにいるものは到底、この世の住人とは思えなかった。
出演:壬氏
演出:猫猫
淡い無数の光:蛾

蛾……!?
順番にいきましょう。
月の精・壬氏様の美描写が盛り盛りで凄いです。
演出までこなしてしまう猫猫は、やはり高スペックですね。
そして、蛾。
やり手婆の話を聞くと、ヒガミによる嫌がらせを受け虫が寄ってきていたとのこと。
それを今回も再現しました。

めっちゃ体張ったね壬氏様…
調べてみると、おそらく『オオミズアオ』という品種。
蛾と聞くと最悪ですが、『天使の羽衣』等と例えられていて綺麗ですよ!
薬屋のひとりごと『月精』をネタバレ解説!なろう・漫画版はどこ?
そして壬氏がぎゃふんと言わせた女性特使ですが、
部屋から抜け出し拳銃を密輸していたことが後程発覚します。
中々厄介な存在です。
梨花妃の水晶宮・ダメ侍女のラスボス登場

一巻【原作小説】薬屋のひとりごと1巻【ネタバレ感想】にて、禁止したにもかかわらず梨花妃に毒おしろいを使っていた侍女。

ひっぱたかれてましたね
何故こんな侍女たちが揃うのか。その元凶が断罪されます。
梨花妃の従姉妹(いとこ)である侍女頭・杏(シン)。
キャラバンの交易品から、(梨花妃用の)堕胎剤を作ろうとしていました……

うぁああああ…
梨花妃も妊娠していたのか…!という事実は置いておき。
堕胎剤作成は、帝の寵愛を受ける梨花への嫉妬からでした。
然し杏が愛しているのは皇帝ではなく「国母」の立場。
梨花妃の平手打ちを受け、後宮から追放されます。

これでやっと膿を出し切った形だね。良かった…
皇帝&壬氏と選択の廟

猫猫たちの国『茘(り)』の、建国神話に基づく古い廟。

廟(びょう)は祖先を祀る建物だね
大事な建物でありながら、何十年も使われていないそうです。
皇帝についてこいと言われた猫猫は、壬氏と共に入ることに。
内部は脱出ゲームのようになっていました。
『赤き扉を通るべからず』と看板があり、赤・緑・青の扉があります。

皇帝がたどり着いた先には
『王の子よ、だが王母の子ではない』
と、否定の言葉が。一体どういう意味なのでしょう?
ここから猫猫の推理。
王母は西方出身で、『色を判別できない』方でした。

色彩異常!
だから赤色と緑色の区別がつかず、選ぶのは絶対に赤ではない青。
この基準で選択していくと、正解の場所にたどりつけます。
色彩異常が遺伝しなかった場合は、西方から妃を娶って再挑戦★
西方には色を判別できない者が多いそうです。
他所からやってきた王母の、平和で気の長い乗っ取り計画でした。
薬屋のひとりごと『選択の廟』を解説!色盲とは?原作小説から分かりやすく
皇太后からの謎解き依頼
ついに皇太后にまで謎解き依頼される猫猫。
『先帝の遺体は1年間腐らなかった。私が呪いをかけたのか?』
という、かなり思い切ったご相談です。

皇太后は優しそうな人だよ♪

遺体が腐らなかった理由は
長年にわたり砒毒(絵の具の材料)を体内に取り込んでいたからでした。
猫猫は先帝の描いた壁の隠し絵を発見しました。
大人の女性を娘たちが取り囲んでいる絵です。
なにか伝えたいものがそこに込められていた。
………
幼女趣味な先帝は、成長した女性に怯える方でした。
そんな彼に近づいた、野心にあふれた十歳の皇太后。

可哀そうなだけじゃなかったんだね
然し皇太后が大人になると、先帝は彼女を素通りして幼女の元へ行きます。
そのことが皇太后は許せませんでした。
二人目の子を不義の子だと疑う者たちがいる。そんなわけがないと、安氏(皇太后)は笑う。
あれほど怯える先帝は見たことがなかった。
そして二人目が生まれ、阿多の子と取り替えられ、自らが生んだ赤子は亡くなったと知ります。
それでも…
子が危険にさらされるかもしれない、そう思った時の安氏の決断は早かった。たとえ不義の子と言われようと、取り換えられた子であろうと、安氏には大切な子だった。

「子が危険に」は壬氏様がロリコンの魔の手にってことか…?
先帝への執着は切り捨て、母になっていったのでしょう。
一方、先帝の絵に描かれた「大人の女性」は誰だったのでしょうか?
砒毒を含む画材は雄黄(ゆうおう)。それは皇太后がよく着ていた衣の色です。
【壬氏に随行】子昌の領地で狩り
楼蘭妃の父親である子昌に『狩り』に誘われた壬氏様。
付き合いで行かなければならないそうで、猫猫も随行します。

李白もいたよ!

壬氏様は『香泉』と名乗り、覆面で参加。皇弟としてのお呼ばれでした。

猫猫は勿論知らないよ
到着日、部屋に運ばれた夕食は精のつく食材ばかり。
高貴な方とつながりを持とう、或いは弱みを握ろうとしているのでしょうか……

あからさますぎる!!
しかしこれは序の口。
参加者全員での宴席中に、壬氏様は(覆面故の)熱中症で離脱します。
それを猫猫が後を追います。周りの目を警戒して森の中へ。
そこに放たれる飛弾(フェイファ)=鉄砲

オイオイオイ………
壬氏は猫猫を抱えて滝に飛び降ります。
実はこのあたりの地理に詳しかったようで…
滝の裏(洞窟のようなところ)にて避難でき、猫猫が持ってきた点心で熱中症も回復します。

猫猫は溺れかけたけどね
洞窟からは(指笛で読んでいた)猟犬&李白に見つけてもらい、出ることができました。
さらに猟犬が大活躍!
火薬のにおいから飛弾(フェイファ)と犯人も特定します。
フェイファは最新式の異国産。
部屋から抜け出した特使が密輸したものでした。
壬氏の蛙(暗喩)

壬氏が宦官(去勢された役人)ではないということを、遂に猫猫が知ります…!

だからってこんな知り方ある…?
驚くほど率直な知り方でした。
先ほど省きましたが、洞窟での出来事。
壬氏と猫猫は天井の穴から脱出を試みます。
不敬ですが仕方ない為、猫猫が壬氏の肩に乗ります。
しかし蛙に驚いた拍子に手が滑り……崩れ落ちる二人。
かばってくれたのか、壬氏の上に落ちた猫猫。
その際、猫猫の左手がとあるところに…
(これなんだ?)
蛙のような…でも違うような……

アッ…!(察し)
流れが流れですが、ここで壬氏は自分の正体について教えようとします。
「おまえに伝えたいことがある。今回、ついてきてもらったのもそのためだ」
ところが面倒ごとを察知した猫猫は壬氏の説明を拒否。
さっき蛙をつぶしたと言い張ります。
いやそれは蛙じゃない…否定する壬氏ですが
「そこそこの蛙でなかったら、そこそこのなんですか?」
と、「そこそこサイズ」を強調。壬氏を黙らせます。

止めてあげて!!!
壬氏様の名誉のために、続くこちらの文章も抜粋しておきます。作者様遊んでますね…
本当はそこそこじゃなかったが、ここはそこそこでいい。そこそこで十分だ。
作戦は成功したかに思えましたが、壬氏様も男。
流石に怒ったようで……
「確認してみるか?」
と、かなりきわどいポーズにされてしまいます。
今度は猫猫がガマガエルみたいに脂汗を流す番、なのですが……
ここで李白&猟犬がやってきます。(カンカンカン!)

……終了~~~
ちなみにこの後の気まずさは、猫猫が壬氏からの牛黄(ごおう)に目を煌めかせたことで霧散します。
壬氏の正体はどうでもいいが、牛黄を貰った恩は忘れない猫猫。もし壬氏が窮地に立たされることがあったら…
(そのときはちゃんと)
本物の宦官にしてあげよう。

違う!!!そうじゃない!!
と、一ミリもブレない猫猫で終わります。
なろう版を読んでいるけど原作小説も気になってきた…
そんな方に『薬屋のひとりごと』3巻1,980円分を、198円で買う方法をお教えします。

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- 小説4巻【2,640円➡640円に】
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まとめ&作者Twitter小ネタ
今巻、壬氏と猫猫の互いへの熱量差が浮き彫りになってしまいました。
猫猫➡壬氏…今の立場以上のかかわりは面倒くさい
今後壬氏…本名:華瑞月様が、猫のような猫猫をどう懐柔していくのかに注目です!
そして、原作で難しい部分は漫画版がオススメ!
2種類コミカライズされていますので、違いについてはこちらの記事をお読みください↓
薬屋のひとりごとの漫画が二種類あるのはなぜ?どっちがオススメかを解説!
小説と漫画の対応表はこちら↓
【薬屋のひとりごと】漫画版は原作小説のどこまで進んでいる?一覧表で紹介
壬氏の蛙はヨーロッパヒキガエル
ヨーロッパヒキガエル
— 日向夏🐗 (@NaMelanza) October 18, 2019
作者様のツイッター質問では、なんと壬氏の蛙の種類が明かされていました(笑)
ヨーロッパヒキガエル。ウィキペディアによると、成体の体長は15cmです。
まさかの宦官ルートの存在
なお人気次第で●●ルートを進むはずだった壬氏。
— 日向夏🐗 (@NaMelanza) November 4, 2023
壬氏の人気次第では、宦官ルートの可能性があったということも明かされています。
中々に危うい橋を渡っているキャラクターだなと思います(笑)
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