薬屋のひとりごと『選択の廟』を原作小説から分かりやすく解説!※ネタバレ有

選択の廟 原作解説 薬屋のひとりごと
この記事は約9分で読めます。

薬屋のひとりごとの

原作小説…3巻
コミカライズサンデーGX版…11巻
コミカライズガンガン版…10・11巻

に収録されている『選択のびょう』。

  • 猫猫が解き明かす建国神話
  • 老宦官・帝・壬氏の謎めいたやりとり

少し分かりにくい話でもあります。

この記事では

これどういう意味???

という箇所を可能な限りかみ砕き、補足を交えつつ解説します。

ネタバレが含まれますのでご注意ください。

あらすじ

帝から壬氏と共に呼び出しを受けた猫猫。

帝

連れてこられたのは王母の建国神話にまつわる廟(祖先の霊をまつる建物)でした。

この地を治める者は、あの廟を通り抜けないといけない。そして、正しい道だけを選んだ者がこの地の長となる。王母さまはそう初代皇帝に伝えたと」

しかし今治めている帝はこのミッションをクリアしておらず、何十年も廟は使われていないまま……

なので今回、壬氏・猫猫を連れて再挑戦します!

廟の中は1パターンの謎解き迷路。

だから猫猫が呼ばれたんだね

まず『赤き扉を通るべからず』という看板と、青・赤・緑の扉が。


➡青に進むか、緑に進むか?

次は『黒き扉を通るべからず』という看板と、赤・黒・白の扉が。
➡赤に進むか、白に進むか?

このような扉三つと設問が何度も続き、帝がたどり着いた先は…

『王の子よ。だが、王母の子ではない

否定の言葉。挑戦は失敗に終わりました。

しかし猫猫は王母に色覚異常があったことを見ぬき再挑戦。

王母の子=色の識別ができないこと。

猫猫がたどり着いた先は、廟の屋上でした。

後宮全体を見渡せる高い位置にある。四角く作られた空間は、まるで下々を見渡すような、そんな気高い造りをしていた。

廟を管理している老宦官によると、代々廟に選ばれた帝の最初の仕事はここから演説することだったそう。

猫猫は見事正解を解き明かしました!

↓正解ルートに関しては、詳しく検証している人がいました。

色覚異常とは?

赤と緑

色覚異常とはX連鎖遺伝病の一つで、赤と緑の色の区別がつきにくい病気です。

赤と緑が分からないなら、青い扉しか選べないね!!

男の方が発症しやすく、予防としては、血縁度が高くなる近親婚を避けることが重要です。

また、光を感じる視細胞の働きが鈍るため、暗闇でも視力が正常に保たれるという特徴も。

「建国の物語では、王母は暗闇でも遠くを見渡せる目を持っていたということですね」

尚、発症割合は国や地方によって差があります。

男性 女性
北欧諸国 25人に1人 100人に1人
韓国 50人に1人 1000人に1人
インド、中国、タイ 100人に1人 10000人に1人
日本 20人に1人 500人に1人

王母は割合が多い地域から来たんだね!

建国神話

王母の建国神話は下記のとおりです。

遠い地のたっとい血筋の女性がこの地にやってきて天の子を宿した。
その子が初代皇帝。

この神話を猫猫は理論と想像で現実的にしてしまいます。

西方の(色彩異常を持つ)貴い血筋の女性がやってきて、この地の長と婚姻し、子を宿した。その子が初代皇帝。
  • 王母はよそ者。従者たちと共に移住してきて簡単に受け入れもらえるはずはない➡婚姻した。
  • この地に住むものたちは、よそ者との婚姻で血を薄めようとした。
  • 長と婚姻したため、王母より長の男系の血が優先された。
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幸せの壬猫最高でした。

王母の乗っ取り計画

おさ(男系)の血を優先して継いでいく子孫。

しかし、王母、もしくは王母とともにやってきた者たちは、それをよしとしなかったのだろう。

王母の貴き血を優先しろよっ!と、裏では思ってたワケ

なので、長の血筋を立てながら、別の方法で王母の血をつなぐ方法を考えた。
それがこの廟である。

つまり『王母の子ではない』という言葉は、

男系を継承しているから、王母の血が少ないぞ?
王母の故郷に近い所から色覚異常のある女性を連れてきて、妃にするように!王母の血を濃くするように!じゃないとこの地を治める資格はない!

と子孫を誘導していたということです。

血筋を重んじるってこういうことなのか…

この『選択の廟』は先帝の時代まで使用されていました。
有能さなど関係なく、王母の血が濃いか否かのみで帝が選ばれていたのは衝撃ですね。

尚、挑戦者がだれも正解の道にたどり着けなかった場合は、王母の血をひく妃をめとり、一緒に再挑戦も可能でした。

国のトップを決める試練なら、普通一人で受けるだろうに…思惑が見え隠れするね(笑)

  • そこにいた民が知らない文字で王母の物語を作り
  • 故郷の技術を生かして民の中心になっていき
  • 廟を作り
  • その時代を知る人がやがていなくなれば……

これにて、王母の建国神話の完成です。

とても平和で気の長い乗っ取りだった。



猫猫の見解

猫猫

色覚異常の無い帝。

「つまり、余には王母の血は流れておらぬということか?」

と猫猫に問いかけますが、必ず遺伝するものでもありません。

だから西方から何度も妃を取らせられるという…

廟がある種の打算で作られたことも加味し、猫猫は国母の血を無理に濃くすることはないという結論を出します。

末っ子だった先帝が帝になったのは、兄弟が病で死んだ為。
これは兄弟たちが帝とその従姉妹から生まれたため血が近く、体が弱かったからだと、猫猫は考えています。

帝にするために病弱な子をつくるのは悲しい話です。



壬氏は何者?意味深なやりとり

壬氏

ここからは壬氏の正体を匂わせる、老宦官・帝・壬氏のやりとりについてピックアップします。

よろしいのでしょうか?

「(公主ひめや妃でもないのに帝の補助として)そう何度も入れるのは気が引けるね」

猫猫が再挑戦することに突っ込んできた老宦官。

すると帝はこう答えます。

「ならば、おまえ(壬氏)が代わりに(猫猫を)連れていくといい」
老宦官は苦い顔をする。
そして、壬氏をちらりと見る。
「よろしいのでしょうか?」

最後の老宦官の言葉「よろしいのでしょうか?」の意図を考えてみましょう。

国語の問題みたいになってきた…

大前提として、廟はこの地のおさになるためのミッションです。

この地の長になれる資格を有する者が、妃と共に挑戦するものなのです。

それを壬氏と猫猫で挑戦してみろと言った帝。

だから老宦官は苦い顔で突っ込んだのです。
「よろしいのでしょうか?(意訳:そんなこと言っちゃっていいんですか?)」と。

拡大解釈すれば帝の発言は「成功すれば猫猫を妃にしつつ、壬氏がこの国を治めてもいいよ」というもの。

分かりにくいですが、かなりとんでもない発言です。

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お気をつけください

「王母がこの地を治められたのは、類まれな聡明さがあったからこそと言われています。この際、血をもっと薄めるのであれば、いっそこのような者(国内の、猫猫みたいに頭のいい者)を取り込んでいくのはいかがでしょうか?」

帝に猫猫を娶らないか?と提案する老宦官。

怖いもの知らずだな…

帝は羅漢が怖いから猫猫は娶らないという返事をしますが……

「しかし、それを快く思わない連中も多いでしょう」
老宦官は少し遠い目をして、猫猫を見た。

ここで分かりにくい文脈パート2です。

「それ」は「血に重きを置かず、妃を娶ること」を指します。

帝は娶らないって言ってるじゃん!!

結構自分のペースで会話を運ぶ老宦官です。

この発言に理解を示した帝。
しかし老宦官は壬氏にも念押しをします。

「お気を付けください」
壬氏は黙って頷いていた。

「血筋をとやかくいう輩もいるので、妃を娶る時は争いにならないようお気をつけください」

そんな意図を含めた言葉に、猫猫も流石に疑問に思います。

壬氏は何者なのか?

しかし知らぬが仏で追求しない猫猫。
この無関心を貫いた姿勢のしわ寄せは、すぐそこです……

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まとめ・感想

『選択の廟』は、小説家になろう版から文庫化にあたり加筆された話です。

壬氏の本当の立場が匂わされる大事な話。
というかどう見ても皇族なのですが、なぜ猫猫は気付かないのでしょうね?(ヒント:興味)

余談になりますが、色覚異常はもう少し後にも登場します。
頭に置いておくとよいかもしれません。

そしてこのエピソードを漫画で読むならサンデーGX版がオススメです。

売上的にはビッグガンガン版のほうが上なのですが、こちらは原作のミステリアスな文章をそのまま持ってきがちな所があるのです。

  • 誰が誰にどういう意図で話しかけているのか?
  • トリックや神話の解説

この二つが重要な『選択の廟』は、かみ砕いてくれる倉田先生をオススメします。

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