【西都編最終巻】薬屋のひとりごと12巻【ネタバレ感想】

薬屋のひとりごと 12巻 薬屋のひとりごと
この記事は約23分で読めます。

何の価値もない自分がいてもいい場所はないか、そんな願いを持っていた。

12巻より雀の独白

4巻にも及ぶ西都編最終巻!
今巻のテーマはチュエの真実。そして猫猫二度目の半誘拐旅です。

一度目は子翠に誘拐された4巻

戦を煽っていた玉鶯が死んだかと思えば、今度はその子供たちに振り回されます。

前巻:【西都劇は衝撃の展開へ】薬屋のひとりごと11巻【ネタバレ感想】

以下ネタバレ感想になりますのでご注意ください。

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玉鶯の跡継ぎ問題

前巻にて西都の統治者である玉鶯が殺され、跡継ぎ(※)がいないという問題がでてきました。
(※顔になる人。執務面は大丈夫)

本来玉鶯の子供が継ぐものですが…長男・鴟梟しきょうはどら息子。


残りの兄弟は政治を教わっておらず、一先ず次男・飛龍フェイロンを陸孫が、三男・虎狼フーランを壬氏が教えることになります。

玉鶯家族まとめ

ここで玉鶯の家族についてまとめてみます。
まずは子供。

  1. 鴟梟しきょう(25歳)……妻子を残して家を出て色々とやらかしている。玉隼ぎょくじゅんの父親。息子の非礼を詫びることも。
  2. 銀星インシン(24歳)……小紅シャオホンの母親。
  3. 飛龍フェイロン(23歳)……陸孫について勉強。文系。
  4. 虎狼フーラン(18歳)…壬氏について勉強。丁寧な物腰ながら何食わぬ顔で値踏みする。猫猫は同族嫌悪を感じている。

「はい、末っ子の虎狼フーランです。まさか月の君に仕えることができるなんて光栄です」
虎狼は目をきらきらさせている。

虎狼



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玉鶯の孫

  1. 玉隼ぎょくじゅん……鴟梟の子供。親の権威を笠に着て小紅を虐める悪ガキ。
  2. 小紅シャオホン……銀星インシンの子供。11巻にて猫猫・天祐が腸閉塞の手術をした。利口。

玉袁ぎょくえん(都)ー玉鶯(死)ー鴟梟ー玉隼だよ

玉鶯の妻

「元々玉鶯さまの奥方は商売上手な方で、率先して働いていたそうだ。でも、次男を生んだあとに商売のため異国の交易船に乗ったのはいいが、船が難破したとか。運が悪いことに、国の情勢も良くなかった。そのせいで数年、異国に滞在することになったとか」

なんとこの奥方、巳の一族(皇族に仕える間諜スパイ)。

「異国に滞在」時、結婚して雀を出産していたことが判明します。
※後に詳細

はぇ……???

つまり鴟梟たちと雀は異父いふ兄弟です。

奥方(名前不明)は小紅シャオホンに嫌がらせをする玉隼ギョクジュン銀星インシンに押し付けたうえで

「それよりもお客さまを待たせてはいけませんよ」

などと、少し性格に問題がありそうな気配です。

雀と宗教

教会の礼拝堂で祈る雀。

雀

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経典の一節、異国の言葉で『神よ、私たちを見ていますか?』とつぶやいています。

なぜ突然?

他国と面する西都には敬虔な信者が多い為、知っていれば役に立つそうで。

都から西都への地図

作者様の消されたTwitterを参考に作成しています

「はい、猫猫さん、どうぞ。西都暮らしも長くなりそうなので、せっかくなんで覚えてください
さっきの謎の言葉を、猫猫にも読めるように読み仮名付きで書いてくれている。

「いえ。覚えておくべきですよぅ。さん、はい!」

「いや、せっかくなので覚えてください
雀にしては珍しくしつこかった。

猫猫に祈りの文句を覚えさせる雀。
ここから雀の計画は始まっていました。

異国の王族

虎狼フーランが異国の娘(10歳くらい)の診察依頼を猫猫に持ってきます。

後に鴟梟からの伝手だと判明します

壬氏の許可を経て港近くの宿場町に出張。

雀と、何故か馬良バリョウもついて来ます。

馬良

(来るというより、籠に入れて持ってこられました)

「これはなんですか?」
「それは私の旦那です」

This is danna

診察結果、虫歯を隠していた模様。しかし問題はそこではなく…

雀と馬良は、虫歯っ子が理人リビト国(北亜連の属国)の王族の4男ではないか…?といぶかしみます。(正解)

性別偽って亡命!?

【事件発生】射られた鴟梟

医務室に小紅シャオホン

「しきょうおじさまが、しんでしまいます」

とやってきました。

小紅を追い返せず、猫猫は危険を承知で向かいます。

運悪く李白いなかった…!

小紅に隠し通路を案内されて向かう猫猫。

通路の先には鴟梟と玉隼ぎょくじゅんがいました。
毒矢で射られてすぐに抜いたらしく、応急処置を行います。

知っている者が少ない隠し通路で射られたのなら兄弟間争いが濃厚です。そして小紅に通路を教えたのは虎狼でした。

この現場に合流した
しかし怪我人・鴟梟を気遣うそぶり無くつれていこうとする雀に、猫猫は違和感を感じます。どこに連れて行くのかと聞くと…

「困りましたねぇ。こんなときでも勘がいいんですから」
うっすら開いた雀の目は、笑っているようには見えなかった。

エッ怖……

このまま始末……されることはなく、

連れてこられたのは異国人が集められて滞在している「南の宿場町」でした。

なんと雀と鴟梟は共犯で、射られた鴟梟を保護するそうです。
関わってしまった猫猫・玉隼・小紅も共に滞在します。

部屋には雀の私物と思わしき経典がありました。

経典

また宗教…

猫猫は雀の上司が壬氏ではないことを悟ります。

数日後。朝起きると鏢師ひょうし(護衛)の恰好をした鴟梟と他の鏢師がいました。

「……急ぎましょうか?感づかれた模様です」
低く落ち着いた声だった。女鏢師は猫猫の前で膝をつく。

鴟梟を射たヤツに居場所がバレました!!

帰れなくなった猫猫たち。

ここから猫猫・女鏢師・玉隼・小紅で雲隠れの旅が始まります。(鴟梟は別行動)

後ろにいるのが女鏢師です。
女鏢師は30代くらい。伸びた背筋、鋭いまなざし、浅黒い肌、凛とした低い声。

「故郷に出戻りする親子と護衛」設定で逃げる一同。
何をすればいいかわからないまま続く旅。

女鏢師は次の町で落ち合う予定の仲間と連絡がとれない様子です。

「何かあったら自分の命を最優先に考えてください」
(何が何でも生き残れと)
最悪、人殺しをしてでもと、女鏢師は言っていた。

ゴクリ……

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鴟梟を射た犯人

一方壬氏様。

猫猫が雀に拉致られ雲隠れの旅をしている最中、陸孫に面倒ごとを押し付けられます。

陸孫

「私でないと駄目なのか?」
「西都最高責任者を出した方がよろしいかと判断しました」
壬氏は今後、何かしら言いがかりをつけて陸孫を罰しようと心に誓う。

「今の趣味は皇弟いじり」の陸孫wwwww

理人リビト国の要人が「行方不明の王族の子供を知らないか?」と訪ねてきたというのです。
猫猫が治療した虫歯っ子が探されています。

鴟梟内部犯に他国の要人の対応……問題が積み重なる中での10日後。

状況を動かしたのは羅漢でした。猫猫を探していた羅漢は

「猫猫さまでしたら、港町に買い付けに行っておられるのですよね?」

という虎狼の嘘を見破ります。

虎狼

知るはずのない猫猫の所在を知っている虎狼に、書類を燃やしてキレる羅漢。そこに壬氏の追撃が加わります。

「虎狼、おまえは鴟梟が邪魔だったか?」
壬氏の問いに、虎狼はかすかに笑みを浮かべた。
「はい。だって鴟梟兄さんは、後継者にふさわしくありませんから」

鴟梟を攻撃したのは虎狼でした。
西都を円滑に治める為には殺した方が後腐れないとのたまい…

「たとえこの身が焼かれようとも甘んじて受け入れましょう」
虎狼は笑いながら、燃え上がる書類の中に足を踏み入れた。
服を、髪を、肌を焼かれながら虎狼は笑っていた。

ここの事情はもう少し後で明かされます…

鴟梟が射られた理由が明らかになり、ここでやっと鴟梟が白だと判断されました。

壬氏は鴟梟と協力し、第四王子(虫歯っ子)を探す方向で動きます。

盗賊村

事件のほうは解決に向かって進み始めました。

しかし雲隠れ旅中の猫猫たち四人には危機が訪れます。

先に町の中を見に行った女鏢師が戻ってこず、何故か町から追手がかかり、逃げる一同(猫猫・小紅・玉隼・護衛二人)。

護衛二人は追手の多さからこの仕事が金に見合わないと判断し、三人を置いていこうとします。

!?

猫猫は追加料金で頼み込み、どうにか玉隼だけ連れ帰ってもらうことに成功しました。

一番足手まといだから…

森に置いて行かれる猫猫・小紅。

猫猫は身を潜めて追手を見分け……
やがて首から【経典と同じ模様が描かれた】何かををぶら下げた男を見つけ、飛び出します。

「神よ、私たちを見ていますか?」

ここで使うの!?

まさに危機一髪。『同教だから』という理由で男に(殺しを)見逃された猫猫たちは、盗賊に支配された村に連行されました。

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盗賊ボス・熊男

何故か捕らえられ、ボスの前に連行される猫猫・小紅。

なんとボスである熊男は、捜索されている要人(虫歯っ子)と小紅を間違えたのです。

ボス・独眼竜(熊男)……片目が傷でつぶれている(鴟梟にやられて恨んでいる)。

文字が読めず、手配書の「青い目」という記述が分からない熊男。
性別にてどうにか誤解が解け、盗賊村での滞在が始まります。

二人は熊熊と小狼と名乗り、母・娘を演じてまずは情報。

  • 蝗害で盗賊の勢力が拡大、一か月前から制圧されている。
  • 住民を半分に減らそうとした熊男に老師せんせいが掛け合い、減らすのは1/4に。その際信者でないものが切られた。
  • 住人たちは盗賊に協力させられている。

猫猫危機一髪でした!

そんな中、元着ていた服が刺繍されて戻ってきます。

すずめの刺繍と異国語で『夕飯 酌 隙 作れ』

雀さん…!!

順番で回ってくる熊男の酌。そこで仕掛けます。

酌の日。

酌

食べた後しばらくして嘔吐する盗賊たち。
毒見をさせられたのは少量なので、猫猫は大丈夫でした。
猫猫の攻撃はこちら。

・馬鈴薯の芽・皮で嘔吐下痢を引き起こす
肉豆蔻にくずくで精神錯乱
・蛇毒を酒に盛る(口を怪我している熊男に効果抜群!)
馬乳酒ばにゅうしゅにアルコールを混ぜて酔いやすく
・隠し味代わりに悪いするきのこ

容赦ねぇ~~~

ここでやっと援軍が到着し、盗賊たちはあっさり討伐されました。

鴟梟!女鏢師も!!

事の顛末

なんで今回こんなことになったのか?
説明を求めた猫猫に、鴟梟は最初から説明します。

  1. 鏢局(護衛局)を買い取って継いでいる鴟梟。
    理人国の
    とある商隊キャラバン(虫歯っ子)を西都まで連れて行って欲しいと依頼を受ける。
    壬氏が目的で、国のゴタゴタから匿ってもらうのが目当ての様子。
  2. 理人国内のゴタゴタが落ち着き虫歯っ子に迎えが来る。それを壬氏に伝えようとして射られる。
  3. 虎狼に「要人誘拐」の濡れ衣を着せられ、猫猫もグルと見られる。
  4. 誤解を解くため(猫猫を雲隠れさせつつ)虫歯っ子を迎えに引き渡すべく動く。
  5. 2日程前に壬氏からの増援が来て円滑に引き渡せたため、猫猫たちを迎えに来た。

壬氏さま……!

さてもう一人活躍したのが女鏢師……ですが。

「雀さんですか?」
「へへっ、知られちゃいましたか。正解です」

なんと、女鏢師は雀さんが変装した姿でした。

!?!?!?!?!?

老師せんせいとも知り合い故、猫猫に教典を教え込んだのだとか。

雀の行動履歴はこちら。

  • 鴟梟を射た内部犯探し
  • 猫猫不在の説明・誤魔化し

「一番面倒くさいのは軍師さまですねぇ。わかります?この苦労、わかりますぅ?」

熊男は想定外でしたが、老師がいれば二人の身は安全と判断。
雀一人がいても守り切れない為、要人引き渡し最優先に動いていたようです。

手負いの獣

そして現在。
熊男を生かしている鴟梟に不満な雀。

片目をつぶして一度逃がしたからこそ、村が占領されました。
今なら始末しても言い訳が聞く……。

それでも鴟梟は「腕を折ったから十分」と、始末することはありません。

フラグか……?

雀の不安は的中。
事件は起きました。

罪人をしょっ引き西都まで行く道中で、馬車を降りた猫猫の前に…熊男。

歯で縄を食いちぎり、右腕に腕を支える金属棒がついています。

武器じゃん……!

(殺される)
なんとか頭は守らなければと猫猫は頭をかばい、目を瞑る。どれくらい時間が経っただろうか。一瞬のようであり、四半時さんじゅっぷん経った気もする。

熊男の腕が猫猫に振り下ろされることはなかった。
「すみません、猫猫さん」
雀の声がした。

雀が戻ってきて、助けてくれました。何度差しても死なない熊男は鴟梟の増援でやっと息絶えますが……

「いやはや、すみません。雀さん、へましちゃいましたよぅ」

雀は右腕が半分ちぎれかけ、腹に打撲痕を負っていました。

雀さん~~~~!!!

手当を急ぐ猫猫に、腹より右腕を優先してほしいという雀。

「いえ。右手が使えないのなら、私の価値はありません。使えなくなったら終わりなんですよぅ

あまりにも卑屈な言葉。序話での独白が思い返されます。

何か価値があるものになりたかった。
父にとって母と自分が最高の宝物であったように、誰かの特別なかけがえのない存在になりたかった。

何の価値もない自分がいてもいい場所はないか、そんな願いを持っていた。

しかし猫猫はその願いを受け入れません。生死にかかわる腹を優先します。

雀さんがいないと困るので駄目です。何があろうと生きてください!」
「ふふふ、猫猫さん……私のこと好きですぅ?」
「はい、好きですから。しゃべらないでください」
「いいですねぇ。猫猫さんからの愛の告白。月の君に自慢しなきゃ……」

雀さん嬉しそう

雀は壬氏の名前がでてきたところで、こんなことを言います。

「猫猫さんにもいろんな事情がありますから、感情に流されないことは大切ですぅ。でも……」
雀は血で濡れた左手で猫猫の頬に触れる。
「それを言い訳にしちゃだめですよぅ」

遺言みたいな言い方してますが死んでません!!!

後々この言葉は猫猫に大きな影響を及ぼしますが……

兎も角今は手術。簡単には死なせないと決意し、猫猫は雀を助ける為に動きます。

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幸せの壬猫最高でした。

醜い雀の子(雀の過去話)

雀(ペグラ)という名で、砂欧より西の国で生まれたチュエ

都から西都への地図

作者様の消されたTwitterを参考に作成しています

父:商人
母:砂欧の難破船に乗っていた天涯孤独の身の美人

なんか怪しい予感…

幸せな子供でしたが、三歳になる前に母が消えて人生は一変します。

父の取引先情報が漏れているにも関わらず、母を信じて探しに行き戻ってこなかった父
親戚に奪われる財産。
雀は教典の中身を一字一句間違えず暗唱することで価値を示し、東に布教に行く先生(老師)についていくことにします。

雀

道中異教徒につかまり拷問まがいもうけつつ…生きる為のすべ(物乞い、奇術)を学んでいきました。

リーに入ってからは麻雀マーチュエと名乗り、老師とは別れて行動。

12歳。ついに西都で一番大きい屋敷に居る母親を見つけ出します。

美女は銀と同じく雀を一瞥すると、何事もなかったかのように子どもを連れて屋敷へと戻った。

ところが雀に気付かない母親。

うぁあ……

屋敷に忍び込むも男に捕らえられます。それは30歳くらいの魯侍郎でした。

「あの女が、不要だと捨てた娘だな」

「いらない存在だった」と言われ衝撃を受ける中、賢い雀は今この瞬間にも自分の価値が決められようとしている事をを悟ります。

故に

  • 母国語・砂欧語・茘語他いくつか話せること
  • 算術ができ
  • 一週間水だけでしのいだこともあり
  • 痛みに強く
  • 手先が器用

だという事をアピール。

悲しきスペック……

魯侍郎は価値があるようなら「私の後継者にしてやろう」と言い、弟子入りが決まります。

つまりどういうこと?

\\スパイ//
皇族諜報・巳の一族……複数ありの世襲制。他の名持ち一族に潜り込むことも。馬良と結婚し「馬」に潜り込んだのが雀。
魯侍郎➡跡継ぎ・雀
雀の母➡跡継ぎ・虎狼

馬良・雀なれそめ話

とことん雀が深堀される今巻。馬良と結婚した成り行きも語られます。

馬良

魯侍郎ルーじろう麻美マーメイによる政略結婚の二人。

雀との初対面では気絶した馬良でしたが、どんどん慣れていきます。

簾越しに。子が生まれれば流石に簾を挟まずとも。

雀はいつか後継者を選ぶことになる。子供を遠ざけるのは、雀なりの親としての愛情なのだろうかと、馬良は思うことにした。

そして現在。右腕を失って戻ってきた雀。

「私はもう用済みでしょうか?離縁したほうがいいですかねぇ?」

弱気な事を言う雀に、馬良らしい励ましの言葉をかけます。

「何よりその口数の多さは変わらない。それとも頭を殴られでもして、覚えていた異国語は全部抜け落ちたか?」

新しい妻を迎えることになれば面倒だと思う馬良です。

ほいほい代わりを探せる体質ではないことも、雀の安心要素になっているのではないかと思います

雀の目的

雀の行動原理は「母親への復讐」でした。
雀と雀の父親を「不要」とした母より上の立場に立つこと。
巳の一族の序列により価値が上だと示すこと。

それが母国ではない国に忠誠を誓う雀の現状に繋がっています。

「私に下された第一の命は、『月の君を幸せにすること』です」

えぇ…?(困惑)

今回雀が仕える主は明かされませんが、下された命令は明らかになります。この命令のために雀は猫猫を守っていました。

誰だ…?主上か阿多あたりかな?

親に捨てられた雀が『子の幸せを願う命令』を遂行している…
何とも因果なものだと思います。

壬氏と猫猫

帰宅して雀の処置をして…疲労困憊の猫猫が向かったのは、寝床ではなく壬氏の元でした。

(雀さんのせいだ)

立場を言い訳にして感情をおろそかにするなという雀の言は、猫猫に響いています。

壬氏が相当心配しているのは想像ついちゃうからね…

執務室の扉が乱暴に開かれ、やっと壬氏と対面です。(こちらも過労)

手を伸ばされ連れ込まれ…

(あっ)
床の上で二人は横になっていた。猫猫が上に壬氏が下に。

世間話をしつつ、見られたらマズイのに動けない二人。
押さえられているわけでもないのに、振りほどけない猫猫。

二人は眠気に襲われます。

まるで焼けた鉄のような熱さだ。
猫猫はそんな滅量をぶつけられても、困る。猫猫に返せるものといえば、それこそぬるま湯のような温度だ。
(私には何も返せるものはない)
猫猫は壬氏に顔を近づけた。壬氏の寝息と猫猫の息が重なる。壬氏の唇は頬よりもさらにひんやりとしてた。

二人はそのまま何日ぶりかの安眠をとります。

熱量差に申し訳なく思ってるけど、受け止めますよってこと!?

猫猫はここで自身の壬氏への感情を「ぬるま湯」と表現していますが、
その後の壬氏の独白もポイント。

数日ぶりの睡眠はどうにも抗えなく、そしてぬるま湯に浸かったかのように心地よかった。

壬氏はぬるま湯好きです!!!

殴られた跡に擦り傷・切り傷・血まみれの姿でも、壬氏が聞けば業務連絡のように説明するであろう猫猫。

その淡々とした態度が「壬氏の重荷にならぬように」との思いからなら…

壬氏はこの憎たらしい猫のような生き物をどうにかしないと気が済まなくなる。

つまり、猫猫のそういう所も壬氏の好きポイントだそうです。



虎狼のベストシナリオ

虎狼

残るは騒ぎの発端である虎狼の聞き取り。

メンバーは虎狼・壬氏・鴟梟・雀ほか。
次男・飛龍は外されました。

虎狼は巳の一族で、下された命は『西都を発展させること』でした。
故に今回の行動理由は『玉鶯の後任は誰が最適か』ということ。

虎狼のベストシナリオは

「壬氏が西都を治めること」でした。

えっ!?

そのために

  • 本来の跡継ぎかつ、やればそれなりにできそうな鴟梟(争いの種)を排除。
  • 自分と飛龍が補佐として役にたつつもりだった。

とのことです。

「無茶を承知でお願いいたします。月の君、ぜひ西都に残り、戌西州の民を導いていただけませんか?そのためなら、僕の首などいくらでも差し出します」
額を何度も床にこすりつける虎狼の目は、嫌なくらい輝いていた。全身の火傷を見る限り、嘘ではないことはわかる。

主の命に従うことを最良の喜びとして教え込まれた虎狼。

隠れ優秀な壬氏が完全にロックオンされていました。

そんな虎狼を「そんなことはしなくていい!」と本気で心配する鴟梟。
この兄弟、あまりに噛み合っていません。

ドン引く壬氏に代わり前に出たのは雀。
壬氏は西都の長になることを望んでいない為、折衷案で我慢しろと言います。

「鴟梟さんにも才能がありますよぅ。お父さまである玉鶯さまが欲しくて仕方がなかったもの、それを持っていますからねぇ。鶏の嘴ではなく竜の頭になってもらいます」

つまり表向き鴟梟が治め、実権は裏が握ること。

陸孫いるし…ね。

西都の今後は、雀の言で決定し……

壬氏たちは都に帰れることになりました!

成長した小紅

猫猫とキッツイ旅をした小紅は成長していました。
玉隼に髪を引っ張られて泣いていましたが、現在は…

「父親のせなかにかくれるだけのざこになにができるというの?はなみずたらしてにげただけのざこが!」

ワッ……(;’∀’)

本物の悪者を体感し、玉隼の小物さに気付いてしまったようです。

船での帰還

帰るまでほぼ1年。
最低3か月と言われていた西都旅は、ものすごく長期となって終わりました。

魯侍郎が後処理で残るそうで。
(おそらく姚が羅半宅に滞在している事を知り)早く帰ろうと言っていたのにご愁傷様です。

そしてなぜか虎狼がついてきました。

西都を発展させる命令はどうした…?

「この身は月の君のためにいつでも差し出します(略)」

雀の部下になるそうです。
味方としては心強い信者ですが、猫猫にとっては苦手な存在。

逃げるように見張り台に行くと壬氏がいました。

猫猫は自分の感情がどういうものなのか把握しつつあった。
そして、ちゃんと受け止めるべきだと考えるようになった。

我慢している壬氏にお互いの手のひらを合わされ、軽い接吻が降ってきますが……

猫猫が拒否することはありません!!

前はやり返してたのにね…!

壬氏と猫猫がキス!?終話で衝撃の事実【薬屋のひとりごと5巻】ネタバレ感想

壬氏もそこは感じ取ったのでしょう。
今巻いい感じで終わるのか?と思いきや……

「そういえば、羅半兄見かけませんね」

オチは羅半兄でした。

今回一番の功労者は、西都に置き去りにされました。

兄ーーーーー!!!

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まとめ

猫猫ご愁傷様巻でした。内容をまとめると…

  • 虎狼のせいで猫猫は散々な目にあった
  • 玉鶯の跡継ぎは表向き鴟梟がやることになった
  • 雀は右腕を失った
  • 雀の言葉で、猫猫は壬氏の気持ちを受け止めることにした
  • 虎狼は壬氏についてきた
  • 羅半兄は置き去りにされた

西都旅、お疲れ様でした~~!!

蝗害に始まり逃亡旅と、西都編はしんどすぎましたね…
猫猫も薬の調合より毒を煎じていた印象があります。(飛蝗と盗賊に盛るためのもの)
帰ってゆっくり休んでほしいものです。

そして薬屋では笑顔のキャラクターほど、重い過去があるという傾向も見えました。

陸孫、雀は壮絶でした…

まとめ記事↓

薬屋のひとりごと・陸孫の正体は?過去や猫猫に求婚の理由も

薬屋のひとりごと・雀(チュエ)の正体は?母親との因縁・馬良との仲も

しかしその深みが薬屋の魅力。そういうキャラクターにこそ私は沼ってしまいます。(知らんがな)

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この記事を書いた人
ザクロ

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