【西都劇は衝撃の展開へ】薬屋のひとりごと11巻【ネタバレ感想】

薬屋のひとりごと 11巻 薬屋のひとりごと
この記事は約22分で読めます。

「お前が西都を守るんだよ」

17年前、玉袁の言葉

西都編3巻目。過去一の衝撃巻です。
薬屋のひとりごとは中華風ファンタジー。
『倫理観や法律も現代と違う』ということを認識した上で読む事をオススメします。

それではネタバレ感想になりますのでご注意ください。

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幸せの壬猫最高でした。

蝗害関連まとめ

前巻で大規模な蝗害が置き、様々な問題が積み重なる渦中の今巻。

  • 迅速で的確な炊き出しで玉鶯の株が上がる(有能なのは陸孫、炊き出しの芋は壬氏手配)
  • 羅漢も駆除部隊を編成して飛蝗退治
  • ボロボロの羅半兄が帰還

羅半兄は帰ってきた後、馬良から手紙で労いの言葉を貰い、雀を通じて手紙のやりとりをしているらしいです。

(一番の功労者だよな)
普通に考えたら、蝗害から何万人の命を救ったかわからないほどの男だが、当人は全く気づいていない。

意外なところで友情がはぐくまれている…!

【イベント1】小紅の手術

干し柿を詰まらせた玉鶯ぎょくおうの孫・小紅シャオホン(8歳)。

猫猫に抱えられた子が小紅↓


壬氏の許可を経て、天祐ティンユウと診察に行きます。

猫猫と天祐↓

猫猫と天祐

小紅シャオホンは腸閉塞で、腹を切り裂く手術が必要でした。

ベストは天祐が施術すること。
娘を男の医者に診せることを嫌がる小紅の母親・銀星インシンを、
猫猫はプライドを捨てて説得します。

「私などのような手伝いの官女ではなく、この医官にやってもらうほうが安全です」

こういう所カッコいいよね…

説得は功を成し、猫猫初めての外科手術です。

天祐→執刀
猫猫→麻酔・術後措置

柿と共に出てきたのは大量の亜麻色の毛髪。これは猫猫の予想通りでした。

手術後、髪を食べる癖を何故言わなかったのかと猫猫は銀星インシンを問い詰めます。

小紅シャオホンの髪は亜麻色。しかし祖父・玉鶯が異国人を嫌うため、黒に染めさせていたそうで…

染髪のストレスに蝗害が重なり、今回の事態になってしまったそうです。

【イベント2】林大人と林小人

羅漢が壬氏の元へ、西都の棋聖きせい林大人リンダイジンの保護を頼みにやってきました。

【棋聖】とは囲碁・将棋の凄い人だよ!

林大人は蝗害で家が無くなり、羅漢を頼ってきたそう。

  • 西都の歴史書を編纂へんさんする(まとめる)仕事をしていたが、戌の一族の族滅に巻き込まれ、ショックで耄碌もうろくした。(その時羅漢も西都に滞在)
  • 甲斐甲斐しい介護の男(40過ぎ)を連れている。羅漢は林小人リンショウジンと呼んでいる。※小人=悪人の意味もある

耄碌した林大人は、時々将譜を呟きます。

これは族滅時に焼かれなかった歴史書を隠した位置では…?というのが林小人の考え。

そして謎解きが得意なのが猫猫です。
解き明かしてくれます。

「じゃあ、この王将って」
「公所か玉袁さまの本邸かと。たぶん、公所やくはです。十七年前なら戌の一族が住んでいた屋敷の位置に当たります」

あっ伏線回収!

10巻にて猫猫が『大金持ちの御屋敷の雰囲気』と表現してた公所。元は戌の一族の御殿だったことが明らかになりました。

そしてそこに歴史書がある…!

林小人は「古い地図を取ってくる」と言って出て行き…
そのまま戻ってきませんでした。

猫猫はここで『小人しょうじん』の意味を理解します。

林大人の親戚でも何でもなく、『歴史書』を狙う者。
林小人は何か歴史書を持って逃げました。

【イベント3】手のひら返しの玉鶯

西の砦が異民族に襲われ、治安が悪化する西都。
ついに民衆は「皇弟を出せ!」と言い出します。

◇◆-----------◆◇

壬氏がやり玉にあげられるのは、『壬氏目立たない問題』が原因。

客人の立場で出られない為、『緊急時に動かないやつ』と見られて印象が悪いです。

実際はなりふり構わずに支援依頼の文を二百近く書くなど、できる限りを尽くしています。

「動いていない」という誤解を解くために

  • 馬閃に代理として無料診療所に出向いてもらう
  • 楊医官が玉鶯の親戚と思われ、玉鶯に手柄が奪われているのを阻止

なども行いますが、

西都の人々に根付いていた『中央が何もやってくれない』という認識が強く、今回の事態に発展します。

◇◆-----------◆◇

民衆を制御できないのは統治者・玉鶯の責任ですが、わざと壬氏を貶めているのでしょう。

ところが…

「炊き出しに使われている穀物は月の君がはるばるお持ちくださったものだ。今、我々が飢えずにすんでいるのも月の君のおかげなのだぞ!無料の診療所も、月の君のはからいだ。行った者は知っておろう」
(なんだこれは?)

何故か手のひら返しする玉鶯。

これは舞台のどんでん返しの演出でした。

西都で初お披露目された壬氏の麗しさも相まり…

玉鶯の思惑通り民衆も手のひら返し。
都合よく期待の眼差しを向けます。

なぜこんなことをするのか??

「ぜひとも月の君に祭事を執り行っていただこうではないか!」
「では、戌西州の発展を!西からきた厄災を滅ぼさんと、願ってくださるのですね」

「悪いのは虫を運んできた西の連中だ!」

元々玉鶯の中で、悪役は異国人でした。

壬氏を冷遇していたのは民衆を盛り上げるために脚本を練ったに過ぎないこと。

どうしても砂欧に戦を仕掛けたい玉鶯。
そのためには玉鶯&壬氏のダブル主演…脇役でも厭わない、ということです。

これに焦るのが壬氏&魯侍郎ルーじろうです。

魯侍郎とは?
(祭事と外交を司る)礼部で二番目に偉い人。姚の叔父。

祭祀をすることは決定事項。

しかし通常通り祖霊を祀ってしまうと、戦が起こった場合「国の意志」ととらえられるかも…

魯侍郎は『地鎮じちん』という名目を新しく作り、土地神を祀ることで「戌西州の問題」に抑えようと目論みます。

平和のためにひねり出したな…

では敵視されている西都にいた異国人はどうしているのか?

なんと!羅漢が蝗害の後に一カ所【港近くの宿場町】に集めて保護していました。

ここ!次巻にでるから覚えておいてね

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【イベント4】壬氏と大海

壬氏

羅半から暗号で「石炭さがせ」というメッセージが届きます。

石炭は西都で20年前まで採掘されていましたが、近年採掘記録は無し。
しかし国に黙って採掘し、不作の農民への施し含め各所で出回っていることが確認できます。

それを切り札に玉鶯の弟・大海ダーハイとの会合に挑む壬氏。

玉袁には11人の奥方と、13人の子供がいる。
※全員玉袁の子ではないことが判明。血縁外交。
大海…港を仕切っている玉袁の三男。

猫猫は壬氏に補充され(手を握りこまれる)、裏でこの話を聞かされます。

11巻のイチャイチャはここだけです……

胃が痛いような駆け引き。かと思いきやーー

「燃料の安定供給を視野に入れた話をされたら、大海殿だけでなく他の兄弟たちも耳を貸そう。さて問題はー」
(あっ、この顔はいやだな)

割とノリノリな壬氏様。
それもそのはず。大海は玉鶯に堂々と反対できるだけの『大義名分』をもらいにきたのでした。

石炭に関して女帝との密約があれど、現主上には関係ないこと。
「私が口を出せば、戸部こぶ(税金部署)が17年分の税を取りに行くぞ」

壬氏は大海が望む通り、強めの圧力をかけました。

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【イベント5】玉鶯兄弟会議

祭祀前に玉鶯兄弟が集まり、兄弟会議が開かれます。

メンバーは兄弟8人と、何故か陸孫。

砂欧しゃおうに戦を仕掛けたい玉鶯と、それに反対する大海ダーハイ

戌だけでなく己の一族まで根絶やしにする気か!」

という言葉に、陸孫が動揺します。

戌の一族を族滅させたのは玉鶯…?

しかし玉鶯は「甥が東宮になっても」という言葉を拾い上げ、

皇弟は実は主上の子の可能性があるためそれは楽観的すぎる」
という話をします。

あ…合ってる…!!

これには根拠があり、

出産時の安氏アンシに仕え解雇された侍女の一人が、昨年玉鶯に「皇弟のことで大切な話がある」と言った後、事故死しました。

壬氏が西都にやってきた5巻↓後の話です。

壬氏と猫猫がキス!?終話で衝撃の事実【薬屋のひとりごと5巻】ネタバレ感想

あ~~事故死に見せかけた雀さん暗躍の可能性があるな…

動揺する弟たち。
玉鶯は混乱させたからと言い、会議はお開きになります。

ただ、陸孫は、椅子から立ち上がれずにいた。顔を上げることなく俯いたままでーー。

【玉鶯】衝撃の結末

拓跋を殺害

大丈夫、大丈夫と玉鶯は己に言い聞かせる。
もうすぐ終わる。もうすぐ何もかも片付く。
三十年近く悩まされていた悪夢を取り除ける。

兄弟会議の後、玉鶯の元に拓跋たくばつ(玉鶯の乳兄弟)が訪ねてきます。

拓跋=林小人リンショウジン!!

ここから玉鶯の本当の血縁関係が明らかになります。

◇◆-----------◆◇

【玉鶯の母(通称西母)】
…元風読みの一族。奴隷にされていたが玉袁に開放された。解放時、砂欧の商人との子がお腹にいた。その後玉袁の妻となり共に行商を始める。
つまり…
玉鶯は砂欧商人と西母の息子。

玉袁と玉鶯は血がつながっていない!

玉葉妃を虐めていたのも、目や髪色が砂欧商人と似ていたからだと判明しました。

【拓跋】
砂欧の商人と西母の乳母との息子。玉鶯の異母兄弟
生活が厳しい時に玉袁を頼りに来た。恩をあだで返すその態度に玉鶯は苛立っている。

◇◆-----------◆◇

拓跋は戸籍表を脅しに使い、戦をしようとする玉鶯を止めに来ました。

林小人【イベント2】の歴史書は戸籍表!

一度はその願いを受け入れようとする玉鶯でしたが、玉袁を「自分にとっても自慢の父」と言う拓跋に我慢がならず。

玉鶯は玉袁の長子でなければならない。西都を治める自慢の息子でなければーー。

玉鶯は小刀で拓跋を刺し、絶命させました。



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玉鶯の退場

殺人現場にやってきたのは陸孫でした。

殺したことより拓跋に言われたことに動揺している玉鶯。

ここでまさかの急展開が訪れます。

陸孫の冷ややかな顔。ただその視線だけは、炎を帯びたようにぎらついている。どうしたのだろうか。
「玉鶯さまは逆賊に遭いました、そしてーー」
玉鶯の体が急に熱くなった。
「討たれました」

……え?

なんと今度は陸孫が玉鶯を殺害。
とんでもない展開です。

「なんでという顔をしないでください。あなたは主役になれますよ」
陸孫は無表情のまま涙を浮かべていた。
「悲劇の主役に」
陸孫の目から、涙の粒が床に落ちてはじけた。

わけもわからぬまま死んでいく玉鶯。まだ動くのは思考だけです。

なぜだろう、玉鶯が玉袁の跡継ぎとして西都を継げば、繁栄させられるはずなのにーー。なぜ、そのために西都を危険にさらしているのか。

死にゆく中で、玉鶯は自らの矛盾にやっと気づきます。

長年、からまっていた糸が今頃するするとほどけていく感覚。
数十年こじらせた糸は、ぷつりと切られることで難なくほどけていく。

ここで玉鶯が舞台から退場します。



【陸孫】風は泣く

【17年前回想】戌の一族とは?

戌の一族である陸孫(13歳)は、商人になるために勉強していました。

戌の一族は

  • 男尊女卑の風習が強い土地で、よその男にのっとられない為の女系。現長は陸孫の叔母で、次代は陸孫の姉と言われていた。
  • 男は元服(15歳)と共に家を出る。
  • 男の役割の一つが遊牧民となって情報を集めること(風読みの部族になること)だったが、十数年前に滅びた。

なんで風読みは滅びたの?

元々風読みは戌の一族ですが、別れて行動し始めてから長い時が経ちます。複数ある風読み部隊のうち、連絡を絶つ部隊も現れ…

  • 他国に寝返る。
  • 盗賊に滅ぼされる。
  • 鳥を使う技術を血筋と判断した者に利用される(奴隷)

などと、収拾がつかなくなりました。

これをうけ戌の一族は風読みを全て解体。
鳥を扱う術を悪用する者を処分しました。

風読みは西都の『益』より『害』と判断されたのね…

戌の一族から出て行った男の一人が玉袁でした。

あっ!女系だから族滅されたのは女のみなのか…

玉袁は

  • 石炭を真っ当でない形で卸している陸孫の母たちに援助を申しでる。
  • 玉鶯の戸籍を書き換えたいと相談を持ち掛ける。
  • 陸孫の利口さを気に入る。「息子にもらっていいかい?」
  • 西母が風読み出身の為、元風読みの部族に強請ゆすられている。

風読みの民…!

ここにきて風読みの部族のイメージが

蝗害を阻止していたのに盗賊に襲われた哀れな神官たち
➡戌の一族を裏切って滅ぼされ、助けてもらっても逆恨みする厄介な奴ら

に変化してきました…



戌の一族の滅亡

ある日、戌の一族の屋敷に暴徒が集まります。
怯える従姉妹いとこ(玉葉后侍女の黒羽・白羽・赤羽)たちと陸孫は、玉葉の家に逃がされます。

騒ぎの要点は二つ。

  • 戌の一族が石炭の採掘量を誤魔化している!(今更すぎる)
  • 戌の一族が「陸孫が帝の血を引く」と豪語していると、皇族に密告があった(豪語してない)

密告したのは玉鶯。玉袁の印を使い、戌の「父親が分からない一族」という弱みを悪質利用しました。
女帝は高齢ゆえ「戌の一族を滅ぼせ」という杜撰な勅命ちょくめいを出してしまい、今回の事態に。

自分がやり玉に挙がっていると知った陸孫は玉葉家を飛び出し、暴徒が押し寄せた屋敷に戻ります。

陸孫に助けを求める一族の女たちを見捨て、母と姉の元に向かう陸孫。
そこには暴徒の男を殺す母と、陸孫のフリをして男装した姉がいました。

陸孫は姉に猿ぐつわをされ…

「絶対気づかれちゃだめ。だめよ」

大きな行李こうり(入れ物)に閉じ込められます。

絶望の予感…

「母さん、私似合ってる?」
「ええ、そうね。大きくなったらそんな感じかしらねえ。声は出すんじゃないのよ」

これが陸孫の母と姉の、最後の会話でした。
もう見ることのできない陸孫の成人した姿。陸孫に恐怖を与えない為、声を押さえる覚悟の確認…。

……………

姉が、母がどうなったのかは思い出したくもない。でも、その狼藉を働いた男の顔だけは覚えておかねばならなかった。
瞬きもできなかった。

『狼藉を働いた男』は玉鶯でした。

怒りで脳に負担がかかり、気を失った陸孫。

陸孫が目を覚ました時に居たのは、後悔で涙を浮かべた玉袁でした。



暴動の詳細

玉袁によって、暴動の詳細が明かされます。

①玉鶯に加担したのは、戌の一族に恨みがある者・元風読みの部族の生き残りなど。

※鳥の扱い方の術をもって他国に寝返るつもりだった部隊。男尊女卑の考えに毒され、女系の戌の一族をおかしいと考えた。
陸孫の祖母は奴隷にされた彼らを(より稼げて任期が縮まる)鉱山に送ったが、優しすぎる玉袁と比べて恨まれた。

②玉鶯は陸孫が玉袁の実子だと誤解し、やり玉にあげた。

9巻の伏線回収だ!

【猫猫が壁ドン】薬屋のひとりごと9巻【ネタバレ感想】西都編①

以前玉鶯に「羅漢の血族だったり?」と言われた陸孫が大うけした理由が明らかになりました。

「自分を玉袁の子と誤解して(陸孫に化けた姉を)殺したのに何言ってんだこいつ…」と、とんでもなく馬鹿馬鹿しい気持ちだったのでしょう。

その流れで玉袁は陸孫に、自分は子が作れない体質で子供の父親は全員別だと明かします。

男尊女卑の西都で生きにくい母親たちとの、商人としての契約でした。



族滅のその後

陸孫は一度西都を離れることにします。
暴動を起こした者たちを許せない今、母や姉と交わした「西都を守る」という約束を守れないと判断したためです。

玉袁の手引きで、都の最近亡くなった子供…「陸孫」にすり替わることに。

固有名詞は出てないけど、ここまで陸孫は別の名前でした

玉袁は陸孫に言います。

次、もし欲をかいた子供が何かやらかせば排除すると。そして…

「私は商人だ。西都を一番盛り上げてくれるものを優遇する」

「しりぬぐいじゃない。これは風になった男の宿命だ」

勅命はミスとは認められませんでしたが、玉袁の働きで

  • 戌の一族の生き残りについては追われない
  • 戌西州という名前はそのまま
  • 元戌の一族である玉袁が西都を治めることに
  • 石炭の税は非公式で納めなくてもよくなった

ということが決まります。

この柔和な笑みの下のしたたかさを得るしかなかった。

くやしくも玉袁を手本として成長した陸孫は、十年後(23歳)羅漢の部下になります。



軍師の采配

玉鶯は、かつて陸孫の母・姉を殺した場所で殺されました。

殺人現場にやってきた他の者たちは、簡単には陸孫の言い分を信じません。

冷遇されてたから…!

そこにやってきたのが羅漢でした。

「ん?そいつは嘘は言っとらん。人を殺した賊を殺した。それの何が悪い?むしろ警備をぬかったおまえらの責任だろ」
「えっ?」

嘘を見破れるはずの羅漢は、驚くことに陸孫をかばいました。

お……おぉ…!

正に鶴の一声。陸孫は見逃されることになります。

雀さん!?

陸孫はやじ馬たちの中に、侍女に変装したが居ると気づきます。

「お仕事ですか、雀さん」
「……いやですねえ、なんでばれるんですか?」
「お膳立てしたかのような舞台なので、誰かの差し金かと思いました」
陸孫は察した。
玉鶯という男は、陸孫が手を下さずとも死ぬ運命にあったことを。

陸孫がやらずとも、雀がやるつもりだったってこと!?

舞台を整えたところに陸孫が来たのでおまかせしてみました…ということでしょうか?

雀は拓跋の持ってきた戸籍を回収していきます。
検死する医官も西都の平穏を願う楊医官なので問題ない、とのこと。

手慣れすぎでは!?

「月の君の直属ってわけじゃあなさそうですね」

雀の謎は次巻以降に持ち越しです。

雀の正体を詳しく↓

薬屋のひとりごと・雀(チュエ)の正体は?母親との因縁・馬良との仲も

ぼろぼろと泣く陸孫。
かたき討ちはしました。けれど……

西の地を守るため、これからも風として生きねばならなかった。



終話

ここでさらに裏話が明かされます。

以前西都を訪れた際(5巻・壬氏の嫁探し会合)羅漢の代わりに来た陸孫は玉袁に呼ばれていました。

壬猫の当て馬してたけど、本命の要件はこれだったのね

玉鶯の監視として。何かあった時の処刑人としてーー

玉袁に引き抜かれて再び西都に戻った陸孫。

つまり玉鶯殺害は本来玉袁の仕事。
陸孫は「必要になればやれ」と依頼されていたのか…!

十数年生きてきた目的がなくなって、ぽかんと空虚になっていた。このまま死んでもおかしくないと思っていたがーー。

『西都のために働くんでしょ!』
ただの空耳だ。風と鳥の鳴き声が、娘の話し声に聞こえただけだ。

蝗害で荒れ、統治者が死んだ危機的状況にある西都。

母と姉の願いを叶えるため、陸孫はもう少しだけ面倒くさい仕事を続けようと思います。

壬氏帰れない問題

壬氏

玉鶯が死んでも、実務方面は玉鶯の副官と陸孫が居ればどうにかなりそうな状況だとか。しかし問題は…

顔になる人がいない。これ、大変」

ということでした。

「それどころか陸孫は、私に長をやれと言い出した」
「はあ!?」

まだ動揺を抱える陸孫は、役目を客人・壬氏に押し付けようとします(笑)

壬氏たちの西都滞在は既に五か月以上…船旅合わせると半年以上になります。しかし…

「西都はこのままにしておけませんよね」
「そのとおりなんだ」

壬氏の気持ち上、ここで切り上げることはできません。

西都編はあと1巻続きます。



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まとめ

とんでもない展開、怒涛の巻でした。

  • 玉鶯が壬氏への悪評を撤回
  • 玉鶯が林小人(拓跋)を殺害
  • 陸孫が玉鶯を殺害
  • 17年前に玉鶯は陸孫の母・姉を殺害していた
  • 陸孫の殺人を羅漢が見逃した
  • 陸孫が殺害せずとも、玉鶯は雀に殺されていた

物騒すぎたな…

そして戌の一族と風読みの部族の真実も判明。

まとめていて超ややこしかったです…

個人的に腑に落ちたのが陸孫の年齢。
陸孫は壬氏の当て馬をしたり羅半と仲の良いイメージがありますが、年齢は一人だけ離れています。

陸孫➡30歳
壬氏➡21歳
羅半➡22歳

これは「17年前の戌の一族族滅時」に「13歳」という幼すぎない年齢にするためだったのではないか?と思いました。

壬氏は4歳だったもんね…

将来西都を治めるのは陸孫なのか?幸せに生きられる日はくるのか?
是非行く末を見守りたいキャラクターだなと思います。

\名前しか出ていないキャラのイラストも!/

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この記事を書いた人
ザクロ

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コメント

  1. 青猫 より:

    なんか薬屋のひとりごとでいちばん泣ける巻だったんですけど
    陸孫といい壬氏さまといい…。

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