この記事では『疱瘡編』が描かれる薬屋のひとりごと小説16巻の内容を解説していきます。

2025年5月30日発売!多少猫猫の揺れを感じる巻でした。
帝の手術が終わったら、次は疱瘡(天然痘)!?
以下ネタバレが含まれますのでご注意ください。
16巻の内容は?小説家になろうとの違いも
16巻の内容をザックリとまとめるとこんな感じです。
- 疱瘡(天然痘)が流行り出す。(それに伴う実験なども)
- 克用と通り魔問題が起こる
- 皇太后の兄の妾の子問題が壬氏➡猫猫へ持ち込まれる
- 姚と同僚の恋愛話(女子会)
- 馬閃と里樹の恋愛関係
- 羅半が拉致される事件発生(書籍版のみ)
16巻の小説家になろう・書籍版比較表
なろう版 | 書籍版 | 変更点 | |
人物紹介 | 書き下ろし | ||
序話 | 書き下ろし(左膳視点) | ||
1 | 鶏肉 | 嵐の前の静けさ | |
2 | 雑談 | 羅半の系譜 | |
3 | 仙人の里 | 紅梅館 | |
4 | 遅番 | 薬草粥 | |
5 | 面接試験 | 医官会議 | |
6 | 食堂 | 面接 | |
7 | 呪いの壺 前編 | 資料 | |
8 | 呪いの壺 後編 | 呪いの壺 | |
9 | 末摘花 前編 | 当主の娘 前編 | |
10 | 末摘花 中編 | 当主の娘 後編 | |
11 | 末摘花 後編 | 梔子と末摘花 | |
12 | まじない | 厄介払い | |
13 | 赤茄子 | 赤茄子 | |
14 | 飢餓状態 | 姚の成長 | |
15 | 書簡 | 書簡 | |
16 | 女子会 | 長紗無双 | |
17 | 長紗無双 | 翡翠翁 前編 | 書き下ろし |
18 | 通り魔 | 翡翠翁 後編 | 書き下ろし |
19 | 体調確認 | 劉医官の懸念 | |
20 | 新たな犠牲者 | 世間話 | |
21 | 弱毒化 | 通り魔 前編 | 展開変更あり |
22 | 隔離生活終了 | 通り魔 後編 | 展開変更あり |
23 | 罪人 | 隔離 | 展開変更あり |
24 | 彭侯(ほうこう) | 彭侯(ほうこう) | |
終話 | 書き下ろし(猫猫視点) |

全体的には変更少な目な印象を受けたかも…?
疱瘡が流行り出す
前々から作者によって匂わされていた「疱瘡編」がついにやってきました。

コロナのパンデミックと被り延期されたとの話もありますが、どうなのでしょうか?
天然痘(疱瘡)とは?
高熱と発疹に苦しめられる感染症。死亡率は30%とも言われており、痕(あばた)が残ることや失明することもある。
1796年イギリスの医者ジェンナーが、「牛痘(ぎゅうとう)」という似た病気を使ってワクチンを開発。現在では完全に無くなった。
とはいえ患者が出始めた隔離村に行かされるのは既に免疫のある人物。猫猫は派遣されません。
一度かかったことのある老医官や、疱瘡で滅びた村出身の妤でした。

そして疱瘡と言えばもう一人……。
猫猫が時々花街の薬屋に応援を頼んでいるあばたの美青年・克用です。

パンデミックに備えて医者はいくらでも欲しい為、彼も面接試験の上で採用されることになりました。
妤の話によれば、感染が広がる村は300人の人口で6割が完全隔離。嫌な空気が広がっているようです。
しかし、かなり精神にキている妤と違い、牛を使って疱瘡実験も行おうとしている克用。

これが牛痘実験…!
なろう版と違い書籍版では、猫猫&壬氏も紅梅館への牛の視察に同行します。
克用の本性が発覚

今回問題になったのは、疱瘡がどこから広がったのか?ということです。
調べていくうちにどうやら「通り魔が切りつけた子供から広がった」と分かり、以前妤の村で似た実験(免疫付与)をしていた克用に容疑もかかっていました。
しかし真犯人は、妤の村の元村長。
この元村長と克用の間には、嫌がらせとその仕返しで色々とあったようで……

呪い師として、医療の腕が立つ克用への羨みもあったのかも…
克用を殺しに来た村長と、視察先の紅梅館で遭遇。
あっさりと馬閃に制圧されました。

なろう版よりあっさりしてるかも…克用が手出しせず、刺されなかったし、妤の家族の関与もほぼ無しとなりました。
そして極刑が執行される前に、自ら帯で首をくくって死亡します。
今回は何もせず済んだものの、死んだ弟に言われた「やられたらやり返す」精神を持ち続けていた克用。
時に自分の身ぐるみを剥いた人物を、疱瘡の膿の苗床にしていたそうです。
今まで軽い雰囲気を纏っていた男の怖い一面。
猫猫はそれを聞き、モヤモヤとした気持ちをしばらく引きずっていました。
克用のこれまでまとめ:克用(こくよう)の正体は?疱瘡美青年のモデルは?
【終話】猫猫から壬氏への弱音

書籍書き下ろしの終話では、
克用の「悪意には悪意を」という際限がないやり方……
「今までの罪を見逃す」という決断に迷い落ち込む猫猫が描かれます。

仕事じゃない所だからこその迷いかな…
確かに「自分を追いはぎした人物を苗床に」などは結構前の話でもあるのですが…

「悪意には悪意を」が今後実行されたときまた死人がでるかもしれないから、放置してていいのか…ってことだよね
頭の良い猫猫ならいくつもの悪いシナリオが思い浮かびそう…
そんな猫猫が向かったのは壬氏の元。
相談はせず「補充」と言って壬氏と手を合わせ、肩に頭を預けます。
「平民にでもなりませんか?」
弱気な猫猫から出てきたのはそんな言葉。

これは…壬氏に相談したかったってことかな?
今の立場ある壬氏は、聞かされたら処罰を与えないといけないもんね
水蓮のご飯を食べて、徐々に前向きに「問題が起きた時の対処」を考えるようになる猫猫。
そんな猫猫を、壬氏は観察し続けていました。
壬氏に妾話!?皇太后の実家

そして今回のもう一つのビックイベント。
皇太后から壬氏への頼み事。
その手伝いとして猫猫が駆り出された形の「皇太后の実家で毒騒ぎ」事件です。
- 皇太后から、「病弱でいないことになっている妾の子(皇太后の姪)」を助けて欲しいと依頼があった
- 同時に「家の軒下で見つかった」と、皇太后の兄である豪(ハオ)が壬氏に毒物を持ち込んだ
というもので、猫猫の調査によればこの毒物は妾が自分の子供(名前:ジーズー)に盛っていた毒でした。
元緑青館の妓女であった妾は、娘を小道具にして当主・豪の憐れみを誘っていました。
(自分が捨てられないようにするため)
しかし飢えてアマガエルを食べようとしたジーズーを正妻(末摘花)がみかね、皇太后に手紙で相談したようです。
「壬氏にジースーを引き取ってほしい」それはもしかすると「妾にしてほしい」ということ。
デメリットばかりでもないので、周りは壬氏が聞き入れるのではないかとハラハラしていましたが…
壬氏はあっさりと羅半(羅家)にジーズーを預けます。
これは
- 羅家には医療に詳しい姚・燕燕が居候している。必要なら猫猫や羅門も帰って治療が可能。
- 羅半兄の新鮮野菜が食べられる。
- ジーズーの元の家から近い(高官の屋敷は集中している)
- 羅漢は居候が増えても気にしない(俊杰などの例あり)
ということで、まさに絶好の場所でした。
皇太后まとめ:薬屋のひとりごと|皇太后を相関図でネタバレ解説!兄・豪の家系図も
姚・燕燕の進退は?

そして今回、羅の家に居候中の姚・燕燕の状況も少し変わります。
羅半に好意(っぽいもの)を寄せている姚ですが、後輩である長紗に「居候は逆効果では?羅半さまの好感度下がるのでは?(意訳)」と突っ込まれ……
梔子(ジーズー)の体調が回復次第、出て行く運びになりました。
なろう公開時にも話題になった女子会「長紗無双」。

猫猫と同じ寮に住む後輩が、先輩である姚の恋バナ、そして姚命!な燕燕の姑行動について突っ込む回ですが、これが上手く作用した結果でした。
長紗とは?:妤と長紗とは?疱瘡の妤、恋バナに切り込む長紗
姚は実家に帰り、「仕事ができる」と認められるよう、前向きに家の事を覚えるつもりらしいです。
では燕燕はどうなるのか…?むしろこちらがぐったりしており一人で大丈夫なのか心配ですが、その後は描かれていません。
姚まとめ:姚を解説!羅半に恋?叔父・魯侍郎との関係は?
燕燕について:羅半兄の名前は?本名発覚や恋の相手まで解説
【書籍書き下ろし】羅半拘束話

そして姚のライバル(?)三番にスポットライトがあたる話も書き下ろされました!
『翡翠翁』と言う大商人に連れ去られた羅半。
船が沈没した責任を取らされようとしているとのことで、「羅漢が動かないので連れ戻してくれ!」と三番が猫猫を頼ってきます。

怖いのに大声出して、翡翠翁邸に乗り込む三番がとっても可愛い回です。
やっぱり姚と三番どちらも娶られるのでは…?
関連記事:薬屋のひとりごと|羅半の登場回は?漫画小説両方!猫猫との関係も
しかし翡翠翁と羅半の様子を観察し、撤退した猫猫。
猫猫を追って乗り込もうとしていた軍師勢も止めて解散させます。

羅家コメディクオリティ
実はこれは「羅半が本物の翡翠翁が死んだことを言い当ててしまった故の足止め」で、羅半は分かっていて翡翠翁邸に拘束されていました。
簡単に言えば裏取引。表向きの事情しか知らなかった三番が大騒ぎしてこうなったようですが…
愛されていますね羅半。
馬閃と里樹は?

そしてそろそろ進展がありそうなのが、恋仲っぽい馬閃と里樹。
猫猫は雀に連れられて、里樹の勤め先(出家先)である「紅梅館」に出歯亀しにいきます。

里樹は日焼けして猫猫の身長を越したようです!
ところが結婚に反対する人がいないにも関わらず、天気以上の話が出来ない二人。
ですが甘酸っぱい雰囲気は流れ、沢山の人に見守られています。
今までの恋模様:【結婚できるか?】馬閃と里樹の恋路まとめ【薬屋のひとりごと】
今回紅梅館…里樹の前で通り魔・元村長を捕らえた馬閃。
そして里樹へは、猫猫からの後押しもありました。
「里樹さま。あなたが思っているよりもあなたの幸せを願っている人は多いんですよ」
念のため、10日間の隔離期間が設けられた馬閃。ここで進展がみられるのか…?
次巻に注目です。
まとめ
薬屋のひとりごと16巻をまとめますと
- 克用に焦点の当たる疱瘡編。
割とあっさりと村長を捕まえることができるが、猫猫は克用の件を引きずっている。 - 皇太后の姪(妾の子)が、飢餓状態で羅家に引き取られた。
- 姚と燕燕が羅家を出て行きそうな予感。
- 馬閃と里樹の関係に進展がありそうな予感。
ということでした。

主な出来事としてはこんな感じですが、他にも羅半や小蘭からの手紙もありました!
こちらも読んでみてください。
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コメント
16巻解説待ってました!ありがとうございます。
細かなところに懐かしさを感じらことができて、嬉しい反面なにか寂しさも感じました。猫猫が恋バナストックあることをさらっと認めてる!
私の癒し高順が全く名前すら出なくてそれほど立場が変わったと実感
そう、猫猫に分かりにくくもところどころデレが…!
確かに出てこなかったですね。主上のところでずっと仕事してるんでしょうね…