「この○○趣味野郎!」
必死で本気な壬氏巻。
今までの苦労性イメージがひっくり返されます。
猫猫との結婚のために手段を問わず、追い打ちかける様は愛!!
以下、ネタバレありの感想です。
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羅漢に挑む壬氏!碁大会
羅漢主催で碁大会が開催され、壬氏が参加します。
ガパガパ稼ぐ気の羅半がいるので大規模です。
妓女代半分(2巻)と後宮の修理代(4巻)がまだ残ってるから…
羅半は「勝ったら羅漢に一度だけ願いを聞いてもらえる」という噂まで流しています。
会場におつかいに行かされる猫猫。
羅漢は恨みを買っているので、いざというとき処置できるように羅門もいます。
他で6勝すれば羅漢への挑戦権が得られる体制。
壬氏は元々結構強く、主上との賭け碁で勝利したこともありました。
それに加え、主上の碁の指南役で羅漢に唯一勝てるかもしれない『棋聖』の指導を受けてきました。
棋聖が教えるのは、ただ囲碁を打つことではありません。
壬氏が元玄人とあたり、逆転は相手がよほどのぽかをしないかぎり難しい……
そんなとき。
ふぁさっと、場に不釣り合いな覆面がはがれた。
あでやかな黒髪が宙に舞い、着物に焚かれた香の匂いがあたりに漂った。
(略)綺羅綺羅しい壬氏だ」
覆面を外して動揺させ、勝利を拾います。
棋聖が教えるのは「どんな手段を使ってでも勝つ方法」です。
そして始まるーー変人対変態(タイトルになっています)
なんと羅漢が自爆し、壬氏優勢で大差がつきます。
自爆の理由は…
- 碁大会会場を押さえる為に仕事を頑張った
- 故に、睡眠時間が半分に
- 猫猫が壬氏からの菓子(強めの蒸留酒入り)を差し入れ
酔いと眠気です。
壬氏の場外戦略は成功しました。
しかしここで乱入者。(後述します。)
後日再戦となり、結果2目差で壬氏が負けてしまいます。
チートすぎる…
『あなたは一生、羅漢殿には勝てません』という棋聖の言葉がよみがえり、落ち込む壬氏。
しかし。
「……ともかく楽しめた」
「何が目的か知らないが、手段は面白かった」
と、普段はしない感想戦をしてくれる羅漢。少なからず認められたようです。
胸熱展開★
羅漢はお礼なのか、軍略の基盤を動かしていきます。
軍を強化したいと言っていた、壬氏の願いをくみ取っての再配置。
それはありがたいのですが……
「貸しはもう少し作っておきたかった」
この言葉、今巻で3回言います
理由はこの後、トンデモ行動を起こすから。
壬氏にはなんとしてでも勝ちたい理由がありました。
【推理パート】猫猫の羅門への反感
先ほど省いた碁大会の乱入者。
それは、高官・博文と、その息子二人でした。
切り離された指を持ち、「次男が戻ってこない!」と騒ぎます。
なぜここに来たかというと、以前羅門と猫猫が息子3人に聞き取り調査を行ったからです。
幼女に手を出した容疑者である、よく似た三兄弟。
しらばっくれる三人に事件当時の居場所を聞き、
雷の光、雷の音、夕刻の鐘の音のタイミングで嘘を見抜く羅門。
犯人は次男でした。
猫猫はあっさり【戻ってこない原因】に感づき、葡萄水を出します。
燕燕が持って行くと杯をはじく長男。頭から葡萄水をかぶる燕燕。
羅漢・壬氏の前で猫猫が被害にあったらヤバい。故の人選だよ……
それを見て「あれ?好物じゃ…」と驚く博文。
博文は子どもたちの見分けが付かなかったのです。
居なくなったのは長男で、次男と長男が入れ替わっていました。
なぜそんなことをしたのか?
羅門ではなく猫猫が謎解きします。
ここで(壬氏の指名とはいえ)猫猫がでしゃばった理由。
それは……
おやじは優しすぎる。その優しさ故に、相手に温情をかけてしまう。
たとえ、屑のような三つ子であろうとも。
おやじは頭がいいので、猫猫には思いつかない言い訳を考えて三つ子たちを庇うかもしれない。もしくは、真実を博文に伝えるのを否とするかもしれない。
砂欧の巫女のときのようにーーー。
前巻で羅門に反感を持っていた猫猫。その反感の理由が明確に説明されました。
猫猫は【ろくでもないやつは見限れ】という精神
羅門への尊敬とは別に、考え方の相違。
むしろ自己犠牲をいとわず損する羅門を見て、生まれた考え方でしょう。
指は死後切り取られたものであり、死因は毒入り葡萄酒中毒からの事故死。
毒おしろい(1巻登場)を禁止してあまった材料が、葡萄酒の甘味料に転用されて販売されていました。
中毒で気がふれ部屋で暴れていた長男を、弟のどちらかが払いのけると卓の角に…
聞き取り調査で有罪が確定していた次男は、長男と入れ替わることで罪から逃れようとしました。
ろくでもねぇ
【大火傷】壬氏のトンデモ行動
壬氏に密談室に呼び出された猫猫・主上・玉葉后。
(なんだろうこの家庭的な空気)
念のため一発芸を考える猫猫が猫猫です
しかし壬氏は
「東宮が20歳になるまで、主上に生きてもらわねば困る」
という発言で、空気をぶち壊します。
聞きたくないのに壬氏の両膝で話を聞かされる猫猫。
壬氏が何をしたいのか?それは要約すると
「皇族辞めて、臣下になりたい!」
ということです。
爆弾発言
勿論、場は混乱します。
いつもは笑みとも無表情ともつかない顔のお人が怒りをあらわにしている。
玉葉后の顔も真っ青だった。彼女もまた主上の怒る姿を初めて見たのかもしれない。
壬氏だけは涼しい顔をしている。
主上に殴られる壬氏。
助けを呼ぼうとして主上に捕縛される玉葉后。
しゅらば!
それでも壬氏は強行突破!
自らの脇腹に火かき棒で焼印を押します。
正気???
焼印は玉葉后の紋。今後どんな状況になっても敵対できない証です。
手当ての仕方に頭を回転させながら、叫ぶ猫猫。
↓
「奴隷の焼印なんて見せられないから妻も医官も限られる!」
↓
「猫猫だけでよくなる!」
玉葉后「猫猫、あなたには半分くらい責任があると思うわ」
猫猫(なんでだ!)
ということです。
焼印やけどの手当(もちろん猫猫施術)後、隣の寝室に泊まる予定の壬氏。
寝室に連れていかれて危機感を感じる猫猫に、壬氏は邪悪な笑顔でこう言います。
「どうせ俺はそこそこだし……」
根に持ってます。
【馬閃兄姉】できる壬氏の部下追加
今巻で壬氏が好き勝手できたのは、有能な仲間が増えたからです。
じゃなきゃ仕事仕事で碁大会どころじゃなかった。
棋聖を借りたことに加え、実務を担う優秀な人材確保が壬氏に余裕を持たせました。
馬良…文官・馬閃の兄。人付き合いが苦手で、上司とそりがあわず胃に穴があいて退職していた➡壬氏の補佐に。
麻美…馬閃の姉。多方から仕事を押し付けられる壬氏に、仕事を返す方法を伝授する。
「忙しい、手が空かない?朝まで花街で騒いでいる現場でも押さえればよろしいでしょう」
壬氏に必要なのはこんな存在でした。
【兄との確執】玉葉后
「目をきらきらさえておきなさい。絶望だけはしてはいけない。ずっと笑顔を絶やさずに生きなさい」
父・玉袁の上の言葉もあり、国の女の頂点に立った玉葉后。
彼女が今、どんな状況に置かれて何を思うのかが語られます。
キーマンは身内の二人。
【父・玉袁】
飛ぶ鳥を落とす勢いの高官。
ゆえに玉葉后が侍女に猫猫を望むも、「玉袁に権力が偏りすぎる」という理由でNOが出されました。
(猫猫は羅漢の娘な為)
昔、西を治めていた『戌の一族を滅した』という情報が気になるところです。
【兄・玉鶯】
こいつが厄介です。
玉袁と正室の子であり、玉葉より20歳以上上。
にもかかわらず、玉葉を目の敵にしています。
玉葉の母は妾(踊り子)だよ
- 玉葉に侍女を送らないようにしていた
- 玉葉似の娘を養子にして、後宮に入内させようとしている
という、距離があってもこの嫌がらせ。
さらに壬氏が開かしたこの被害。
- 高価な真珠と共に見合いの絵姿を渡された
- 茶に毒が盛られていた
- 祭事に矢が射られた
知らない間に狙われていた壬氏様
相手は明らかになっていませんが、これを聞いた後の玉葉后の独白から玉鶯の手引きかと思われます。
「あなたの好きにはさせませんよ」
玉葉は兄からの手紙をゆっくり履で踏みつぶした。
今後、踏みつぶされるのはどちらだろうか。
もう昔の笑っているだけの少女ではないのだ。
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まとめ(8巻の肝)
流石壬氏様、プロポーズしてからが本番でした。
逆境で燃えるタイプでしょうか?
かなり自分勝手ともいえる行動ですが、「羅門の優しすぎる性格に反感を覚えている猫猫」にとっては高ポイントかもしれません。
「自分の幸せを優先してほしい」
羅門に対して抱き、半ばあきらめている感情を、壬氏は難しい立場でも実践しようとしています。
ここに猫猫は何を思うのでしょうか?
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コメント
ザクロさんへ
いつも楽しく拝読させていただいています。
本当に、ザクロさんの考察は、どこよりも、わかりやすいです(^^)
早速ですが、小説八巻の二十話王手の場面ですが、ザクロさんは、猫猫が壬氏の両膝で話をきかされたと猫猫は思わず耳を塞いだが、(略)両膝に移動させられた。
私は、猫猫の手が猫猫の両膝に、壬氏が移動したと思ってました。ザクロさんの
わかりやすいと言っていただけると何よりです!
コメントが途中送信になっている為あっているか分かりませんが、耳を塞ごうとする猫猫を壬氏が膝にのせるシーンですね。
こらえ性のない子どもに「こらちゃんと話を聞きなさい」という感じが微笑ましいですね(笑)話の内容が内容なのですが。
返信ありがとうございました(^-^)
コメントが途中で切れてしまい、すみませんでした。
壬氏が猫猫を膝に移動させたんですね。てっきり、猫猫の手を猫猫の膝に移動させたと思ってました(^_^;)
こんな状況の中、本当に微笑ましいです。
微笑ましいですね(^^)