月と花、芥子を形作った美しい簪だった。美しいのだが、芥子とはどういう意味なのかと猫猫は笑い、なんとなく頭に着けてみた。不思議と頭にしっくりきて、そのままつけていたのは猫猫らしくなかったかもしれない。
猫猫は園遊会にて3本の簪と玉葉妃から首飾りを貰います。
そしてその後も壬氏から月と芥子の簪を貰います。
この記事では
- 簪を贈る意味
- 4人それぞれが簪を贈った意味
- 壬氏からの二本目・月と芥子の簪の意味
- 驚きの猫猫流活用法(李白簪ver、壬氏簪ver)
についてをお伝えします。
簪を贈る意味
簪を贈る意味は「マーキング」です。
「この娘は私(俺)のもの」「私のお気に入りの存在だ」と周知しておくために贈ります。
園遊会中挿しておくからね!
(尚、上級階級や恋愛に興味がない猫猫は、最初このことを知りません)
では、上の基本の考え方を元に、園遊会で猫猫に簪(首飾り)を贈った4名が具体的にはどのような意図をこめたのかを考えていきます。
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玉葉妃「私の侍女」
玉葉妃には首飾りを貰った猫猫。
3人娘も貰っていたね!
これには「この子は私の侍女だから、ちょっかいかけないでね!」という周囲へのけん制が込められています。
一つ一つデザインが違うのが、お洒落で細やかな気遣いができる玉葉妃らしい計らいです。
ちなみに原作小説7巻では、もう玉葉の侍女ではなくなった猫猫に『できれば侍女に来て欲しい』という意味で簪も贈っています。
壬氏「俺のお気に入り」
「憂いと気恥ずかしさ」を携えながら壬氏がくれたのは「男物の簪」。
これには「俺のお気に入り」くらいの感情が込められていると見てよいでしょう。
男から女に贈る場合、簪は求愛・求婚の意味にもなります。
しかし勿論それは二人の関係性、その時々の会話によって度合いが変わるものです。
「ちょっと気になってる」くらいのこともあるでしょう。
壬氏の場合も「自分が着けているものをあげる」という突発的な行動の為、求婚的な意味はありません。
プロポーズするなら、相手に合わせたデザインで作らせるはずだもんね!
玉葉妃の首飾りを見て「取られたくないな」とやきもちをやいた説が濃厚かと思われます。
しかしその想いの度合いは他者から見ると分からないもの。
故に猫猫が壬氏の簪を挿していると、三人娘にからかわれたりします。
梨花妃「お気に入りの存在」
梨花妃が猫猫の髪に挿したのは、紅水晶の簪。
水晶宮の主である自らのものと分かる作りになっています。
この簪に込めたのは壬氏と同じく「私のお気に入り」。
この当時は玉葉妃の侍女ですが、他の妃のところに行ったとしても助けてもらった恩義は忘れていない…
そんな梨花妃の愛情が見られる贈り物です。
また、猫猫の立場と意志を尊重してくれそうな梨花妃の性質上、スカウトまではいかないかと思われます。
命令になっちゃうからね…
李白「参加賞」
李白は沢山の簪を「参加賞」として侍女たちに配っていました。
その一つを猫猫が貰った形です。
例えるなら「義理チョコ」。
本来は好きな相手に贈るものだけど、1つももらえないのは寂しいよね!ということです。
完全に善意かと言われると、「あわよくばいい思いができれば…」と思うのも義理チョコと同じです。
お返しが倍になって帰ってこないかな~とかね(笑)
猫猫流活用法
これまでまとめた簪の意味「マーキング」はいわゆる「一般常識」のようなものでした。
しかし型にはまらないのが猫猫です!
ここからは猫猫固有の常識はずれな簪活用法をご紹介します。
李白編:里帰り道具
小蘭から、「簪があれば後宮を出て一時帰宅が可能」と聞いた猫猫。
なんと猫猫は一番義理で簪をくれた李白に、身元引受人を頼みに行きます。
しかしこの制度は本来
- 求婚として簪を貰い、親に挨拶に行く
- 簪を贈るまでの仲だから身元引受人も引き受ける
という前提のもの。
当然李白は渋りますが、猫猫は李白への利(妓女・三姫の紹介)を示すことで取引が成立します。
この手段女性には頼れないし、壬氏より李白がつれそうだもんね…
勿論そのような取引、外野は知るはずもありません。
ですので「猫猫が李白と結婚する(あるいは婚姻した)」と思った三人娘に「おめでとう」と言われたり…
しばらくは壬氏もやきもきしていました。
壬氏編①蛇退治
※原作4巻以降のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
笄を錐に、壬氏から貰った簪を小刀代わりに、まず危険な毒蛇を殺した。
エッ!?!?!
諸事情あって猫猫は『蠆盆』という刑を受けます。
狭い牢の中に、百を超える蛇と毒虫と一緒に放り込まれる処刑法です。
諸事情参考記事↓
【楼蘭と狐の里】薬屋のひとりごと4巻【解説・要約】
通常なら発狂もののこの状況。
しかし猫猫は毒持ちの虫を的確に見分けつつ、簪を使って討伐していきます。
助けが来た時には、猫猫は蛇を食べていました。
この件は壬氏様知らないから…うん……
壬氏編②銃弾を防ぐ
猫猫は子翠に壬氏の簪が欲しいとねだられます。
死にに行くような状況の友人・子翠に、猫猫は簪をあげてしまいます。
既に頭に簪が沢山挿さっているため、子翠の襟に挿す猫猫。
この行動は猫猫らしくもない願掛けでした。
「いつか返して。それ貰い物だから」
「無理言わないで。売り払っちゃうわよ」
「なら、それでもいい」
この簪をくれた奴は粘着質だから、元の主に似て恨みがましくめぐりめぐって戻ってくるかもしれない。
子翠が簪を売り払って猫猫の手元に戻れば、それは子翠が生き延びたという証です。
この後銃で撃たれ、砦から落ちた子翠。
しかし子翠は生きていました。
銃弾は襟に挿した銀簪にあたったのです……!!
危機一髪!!
銃弾の跡が残った壬氏の銀簪は、港町にて売りに出されました。
いつか猫猫の元に戻ってくるといいね!
関連記事↓
薬屋のひとりごと【楼蘭のその後】生きている?日本に渡来!?【徹底考察】
月と芥子の簪の意味は?壬氏からの二本目!
子翠に簪をあげてしまったと猫猫が報告すると、壬氏はなんと二本目の簪をくれます。
壬氏(皇弟)の嫁選びの場。
騙し打ちのような形で連れてれてこられた猫猫の滞在部屋に、簪は置いてありました。
一瞬、ここにあるはずもない銀簪が返ってきたのかと思ったが違った。月と花、芥子を形作った美しい簪だった。美しいのだが芥子とはどういう意味なのかと猫猫は笑い、なんとなく頭に着けてみた。不思議と頭にしっくりきて、そのままつけていたのは猫猫らしくなかったかもしれない。
しかしあろうことか猫猫は、これを羅半(義理兄)からだと勘違いします。
「月の君」の月の意匠だよ!?ほかの人が使ったら不敬なデザインだよ!!
嫁選び会合前に「月」が入った簪を贈られる……
もうこれはプロポーズと同義ですが、感づくのは周囲の目ざとい者ばかりで猫猫は気付きません。
それに直接つっこんだのは、羅漢の部下・陸孫でした。
「美しい簪ですね」
「貴方も第三者ではないのを忘れないでください。その頭にささっているものの意味をお忘れなく」
猫猫とダンスを踊り、当て馬役を買って出た陸孫。
それを見て妬いた壬氏と猫猫の関係が進展していきます。
壬氏と猫猫がキス!?終話で衝撃の事実【薬屋のひとりごと5巻】ネタバレ感想
余談ですが芥子↓は猫猫が一番好きな花だとか。(作者Twitterより)
装飾品を好みそうではない猫猫が、ずっと挿していたのも頷けますね!
また、芥子は
- 阿片の材料になる
- 医療用麻酔としても使われる
とのこと。
壬氏は「中毒性もあるし薬にもなる」猫猫のイメージとして、芥子を指定したのではないでしょうか?
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まとめ
『薬屋のひとりごと』世界で「簪を贈る」という行為には、現代に生きる私達が想像する以上の意味がありました。
プロポーズの指輪にも匹敵するのかな?
残念ながら猫猫が売り払って肥やしにしようとするため、少しロマンチックが足りていないような気もしますが……
今後、猫猫が壬氏の簪を挿す日は来るのでしょうか?
1本目の簪が巡り巡って戻ってくる日はくるのでしょうか?
その時を首を長くして待ちたいと思います。
■園遊会・李白簪活用↓
【原作小説】薬屋のひとりごと1巻【ネタバレ感想】
■壬氏簪活用↓
【楼蘭と狐の里】薬屋のひとりごと4巻【解説・要約】
■壬氏二本目の簪↓
壬氏と猫猫がキス!?終話で衝撃の事実【薬屋のひとりごと5巻】ネタバレ感想
コメント
薬屋の独り言は大好きで解説などがあってすごくわかりやすいです
そう言っていただけると嬉しいです!
これからも頑張ります!
子翠にあげて玉藻が交換した簪が猫猫のもとにくる可能性はあると思いますか?
あればいいなぁ~~~!と心から願ってますが、茘がどのくらいの規模なのか分からないですからね…
探しても難しい…くらいではないでしょうか。
巡り巡って戻ってきて欲しいものです。
毒見サイコー!