『薬屋のひとりごと』に登場するキャラクター、克用。
33、克用 疱瘡のあとを残した美青年。双子だったが、兄弟はすでに死去。薬に詳しいのは異国の医者のもとで育ったから。 やたら明るく楽しい性格に見えるが、それは彼が双子だったから。相手の反応に対して鏡のように対応する。
作者Xより
この記事では
- 何者なの?登場巻とその正体は?
- モデルがいる!?白娘々との関係は?
- 怪しい所は?
をまとめていきます!
【6巻】行き倒れで初登場

克用の初登場は6巻。
西都(壬氏の嫁選び会合)からの帰り道、船着き場にて倒れていました。

空腹でね…
美しい顔立ち、くっきりした鼻梁に柳のような眉
- 何年も前の疱瘡跡(あばた)があり、片目を失明している
- 20代半ば
とのことでした。

疱瘡ってなに?
【疱瘡とは?】
別名天然痘。
伝染力が非常に強く死に至る疫病。
国を滅ぼすことも。治癒した場合も醜いあばたが残る。
1980年5月、WHOにより世界根絶宣言がされた。(故になじみがないかも)

「国を滅ぼす」って蝗害と同じじゃん…
旅人かつ医者の克用。
仕事を求めて都に行きたいと話す理由は、ここ数年留まっていた村を追い出されたからです。
医者である克用と、村長兼占い師は相性が悪かったとか。
「それまでちゃんと村のみんなが助け合ってくれたらいーんだけどねえ」
克用は、克用製酔い止めを気に入った羅半に住所を渡され、猫猫たちと別れます。
が、同巻で再会。
猫猫が薬草摘みに行った村に克用が居ました。
克用は【黄湖】という村の森小屋に住む、医者の老人の家で手伝いをしていました。
しかしこの村は白娘々の息がかかった村。

村人の知らぬ間に【蛇神信仰】という名目で、白娘々の伝書鳩の保護地となっていました。
元々蟒蛇様の化身がいると言われた湖があり、克用がそこに落ちてしまいます。
「そ……、底なし沼みたい?」
にこにこ笑いながら、克用が首を傾げてみせた。(略)
首まで浸かったところで、猫猫は林から丈夫な蔦を探し出してきてそれで引っ張り事なきを得た。

なんでニコニコしてるの!?
危機的状況にこの反応。
克用は異常事態に慣れ、麻痺してしまっている気がします。
その後ひとりごとをこぼすように、克用はこの村の「巫女」について話します。
蟒蛇様を鎮めるための巫女は、元奴隷の娘だった…という話。

底なし沼に沈められた残酷な話だよ
ここから猫猫は白娘々の手がかりをつかみ、壬氏に報告。
結果、白娘々は捕らえられました。
【7巻】女装して登場
医官付き官女の試験会場にて、女装した克用と再会します。
やたらくねくねする身体の動きが気持ち悪い。

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勿論募集は官女なので…官女だから女装したわけですが…
ともかく克用は転職先を探しています。
あばたで接客は無理ですが、調合の腕は確か。
猫猫は「花街の薬屋まで、月に何度かの出張」を頼むことにしました。
(一人では不安な左膳の補助)
手伝ううちに克用の医学知識はどこから?という話に。
- 育ての親が砂欧より西方の人(金髪)
- 疱瘡でもう亡くなった
ということが明らかになります。

【16巻】疱瘡編で本性が明らかに
「たぶんかあ。僕が騙しているかもよー」
克用が一番登場するのは、原作小説16巻です。
薬屋のひとりごと原作小説16巻【ネタバレあり感想】※なろう版部分
この巻では疱瘡(天然痘)が小さな村で流行り、
「一度罹患しているためかからない」というアドバンテージを持つ克用が、猫猫の紹介で医者として採用されます。
劉医官や羅門を交えた医官と面接も終え、一気に高給取りに。
そしてかかわりが増える中で、克用の本性も明らかになりました。
- 双子の弟と一緒に師匠から人体実験をされており、その師匠が自分に打つ疱瘡の膿をきついものに入れ替えた
- それを弟に話すと、弟は自殺した
- 克用を冷遇した村長にもやり返していた
- 自分の身ぐるみを剥がした盗賊を、天然痘の苗床にしていた

やられたらやり返す…
やまびこという意味の「彭侯(ほうこう)」と表現されています
猫猫が懸念する克用のこれから
元々は北亜連(猫猫たちの住む「茘」の北の国)の奴隷だったという克用。
そこからの人体実験➡弟を亡くしてから放浪ということで、かなりひどい目にあってきました。

盗賊に身ぐるみはがされたり…
やり返す羅門みたいな壮絶人生
だからこそ金銭という分かりやすい指標を使い、関わる人を吟味しています。

猫猫が即金で支払ったり、左膳が克用を信じて薬の材料を買うと驚いてます
そして、「いい人多いから定住したい」的なことも言っている克用。
とすると、克用の「やられたらどこまでもやり返す」性格が、今後何かトラブルを起こすことは考えられます。
猫猫はそこに不安を覚えながら、「何か起きた時の対処」を考え始めています。
モデルは『白蛇伝』からか!?

誰かの身内や部下などではなく、何もない所からポッとでてきたキャラクター・克用。
しかし彼にはモデルらしき存在が存在します。
それが『白蛇伝』にでてくる『李克用』です。
白蛇伝は古くから中国に伝わる民間伝説の一つ。
次代と共に、ストーリーがアレンジされてきました。
良く知られたあらすじをザックリご紹介します。
南宋時代(今から750~800年くらい前)、
峨眉山で1000年の修行を行い、人間に変身できるようになった白蛇・白娘子。
西湖の辺りで遊んでいると、書生の許仙と出会います。
二人は相思相愛になり、幸せに暮らしていました。
しかし白娘子は金山寺の高僧・法海和尚に正体を見破られ、雷峰塔に封じられてしまいます……

なんか聞いたことある話…!
そうです。主人公『白娘子』は、『白娘々』のモデルです!
- 白娘々とは?参考▼
そして克用の登場は、白娘々問題真っ最中の時でした。
白蛇伝と白娘々の共通点は?
白蛇伝と白娘々のストーリーの共通点をもう少し掘り下げます。
①名前
【白蛇伝】
白娘子(中国語読み:パイニャンツ)または白素貞
【薬屋】
白娘々。里樹に名乗った偽名が『素貞』

「素貞」が偶然被ることはないよね。
完全にキャラクターモデルです!
②塔に閉じ込められる

【白蛇伝】
正体が白蛇だとばれて、雷峰塔に封じられる。
【薬屋】
隠れていたが見つかり、里樹と同じ六角形の塔に幽閉される。(6巻)

普通牢屋だよね?
③白蛇の化身
【白蛇伝】
1000年の修行で人間に変身できる白蛇
【薬屋】
白娘々は奇術を扱う神秘的なアルビノの娘。
ゆえに『白蛇様の使い』『仙女』と呼ばれる。
④湖の存在
【白蛇伝】
恋に落ちる相手『許仙』との出会いは、西湖という湖。
【薬屋】
黄湖という『蟒蛇様の化身がいる』と言われる湖が登場する。
このエピソードから白娘々が捕らえられる。
克用の役どころは?
では白蛇伝における『李克用』は何者なのでしょうか?

前置き長くてすみません…
李克用は薬屋を経営する男として登場。

一致!
誕生日会に白娘子を呼び、白娘子の手洗いを覗いて白蛇を目撃します。

!?!?!?
のぞきを自白するわけにもいかず…黙秘して距離をおいたところでフェードアウトします。
『正体を知っても口を噤んだ』という要素はあれど、言ってみればちょいやく。名前だけ借りただけかもしれません。

というか薬屋の克用はそんなことしないよ…
しかし気になるのが作者の白娘々キャラ紹介です。
毒を飲み、胃に麻薬を隠す。
その知識が克用からということはないでしょうか?
北亜連出身の克用。砂欧出身の白娘々。
旅の途中に接点があった可能性は十分にあります。
まとめ
薬屋では「明るい・人当たりが良い」が「実は壮絶な過去・意志を持つ」という例が、子翠・雀さん・陸孫あたりで実証されていますが…
克用も例にもれず、ということでした。
この先の登場も楽しみにしていきましょう!
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コメント
すごい!四巻の時同様モデルとのデジャヴすごい!
こくようって何者…?
これからが楽しみなキャラクターですね!
疱瘡パンデミックがそろそろ来そうな予感(T . T)
怖いですね(´;ω;`)
ついに疱瘡編がスタートしましたね
猫猫が医療従事者ということでやんごとなき身分の壬氏様との接触が減るのでは?!
まだまだ楽しみです。
疱瘡編来ましたね!
また糖度低めが期待されます(笑)
猫猫かからないといいけど……
里樹と馬閃やら色々と進展ありそうで楽しみです