猫猫は、花街仕込みの匠の技を壬氏にお返ししてしまった。
2016年5月31日発売の【薬屋のひとりごと5巻】。
今巻の見どころは壬氏×猫猫の関係・里樹・そして阿多です。
魅力的な新キャラも多数!伏線(問題)も続々と散りばめられているので、そちらも簡潔にまとめました。
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【簡単に】あらすじ
今巻のメインは、西都(の玉葉后の実家)での会合です。
前巻は日本の温泉郷的な舞台だったけど、今回は西洋かぶれのアジアン舞踏会なイメージ♪
皇弟(壬氏)の嫁選びを兼ねたものであり、行きだけで半月以上かかる西都に
壬氏・猫猫・馬閃・阿多・里樹・翠苓・羅半・陸孫(初登場!)などが勢ぞろいです。
そして阿多視点の序話と終話も衝撃的。
本当は現帝と阿多の息子である壬氏が、どうやって皇弟と取り替えられたのかに注目です。
他、やぶ医者を助けろ!in紙の村、
蝗害の予兆・怪しいアルビノ仙女など
伏線も散りばめられて盛沢山です!
やぶ医者を救え
このエピソードの猫猫&壬氏が無敵で恰好良いです。
紙を作っているやぶ医者の村にて。
いちゃもんつけてくる地主VS猫猫のバトルが開催されます。
「女衒に売れば銀三百はいけますよ」
と賭けの対象に自分を持ち出し、笑い出した地主たちを逆に嘲笑する猫猫。
煽る猫猫を殴ろうとする地主に…
壬氏は、銭袋をひっくり返す。じゃらじゃらと金銀の粒が落ちてくる。その場にいる者たちが、目を真ん丸にして口を開けている。馬閃も同じだ、何をやっているのかと、口をぱくぱくさせている。
「この娘が銀三百で買えるなら安いものだな」
壬氏は声色を変えていた。いつもより低い声と、端正だが不気味な顔がその場を圧倒する。
札束で殴りこむ壬氏様。
いえ、お札ではないですが…
村娘は銀二十で買いたたかれることもあるそう。
金銭感覚が流石です。
猫猫は地主との飲み比べに勝利します。
それでも約束を反故にしようとする地主に対し、脱税を指摘。こてんぱんにしました。
つ…強すぎる…!
キス?壬氏の嫁選び
猫猫は、花街仕込みの匠の技を壬氏にお返ししてしまった。
4巻にて銀の簪を楼蘭にあげてしまったため、再度壬氏から簪をもらった猫猫。
今度は月と芥子のモチーフでした。
嫁選びの場に猫猫を無理やり連れてきて、自分の名【月】が入った簪を贈る……
壬氏が猫猫に恋をしているのは明白です。
5巻のあらすじで、これは【プロポーズ】と表記されてるよ!
しかしここで猫猫が悪手。無難だからと嫁に里樹を勧めます。そこにさっき陸孫とダンスしたことも加わり…
「なにが無難だ」
冷たい刃のような声が耳元をかする。
怒る壬氏様。首を絞められ、酸素を求めたところへキスが降ってきます。
これが分からせか…
押し倒されても「面倒」「厄介ごとは避けたい」と壬氏を人形のような目で見つめ返す猫猫。
のしかかられた時、ふと白鈴小姐の言葉を思い出します。
「薬屋のひとりごと」5巻明日発売です。今回は挿絵の振れ幅がだいぶあった気がします。もちろん内容がそんな感じに表情豊かだったからなのですが。告知絵は、口絵に登場した白鈴姉に宣伝をお願い。 https://t.co/rX0Wfp8093 pic.twitter.com/ns2BwANIvY
— しのとうこ (@touco_shino) April 29, 2016
『お客とはいえ、主導権を握られてはだめよ』
猫猫は妓女ではありませんが、白鈴に仕込まれた経歴がありました。
反射でできるようになっていたそれを、壬氏にお披露目します。
薄く開けた唇を広げ、相手を誘い込むようにして、そして、反対に自分が相手側へと滑り込んだ。
壬氏が驚きと喜びの表情を浮かべたが、それは長く続かなかった。ぴくっ、ぴくっと身体が反応し、猫猫への拘束が緩まっていく。
ファーストキスは、壬氏の敗北で終わりました。
勝ち負けじゃない…よ…!
薬屋のひとりごと
初回3冊1980円が198円に。▼
こっちも魅力的!当て馬・陸孫
「一曲だけ踊っていただけませんか?」
柔和な男という印象から食えぬ男へと変貌した。
猫猫は、かろうじで薄皮一枚かぶっていた猫を剥ぐと、ひどい顔をみせた。
今回壬氏をあおる役割を買ったのが、羅漢の部下・陸孫。
- 30歳手前
- 人の顔を一度見たら忘れない。覚える努力もする。
- 気の配りようが半端ない。
「敬称は無しでお願いします、猫猫お嬢様」
「では陸孫で」
「では猫猫で」
ダンスの後は手の甲にキス。
女たらしっぽいですが、役立つ特技の持ち主なので今後の出番も多そうです。
隠れヒロイン・里樹妃の恋!?
【相関図】里樹の父親は誰?猫猫が立証
「つまり卯柳という男が私の父かどうか鑑定できませんか?」
悩みがつきない不幸体質・里樹妃。
侍女からだけでなく異母姉からもいじめられ、父からは政治のコマとして冷遇。
その原因は、【里樹は実は現帝の子供ではないか?】という疑惑にありました。
エッ!!
里樹の母親は阿多と友人で東宮妃の候補でもありました。
つまり現帝の御手付きもあったのでは?と卯柳・異母姉、そして里樹妃も疑っているのです。
里樹妃の母親はとうに亡くなっており真実は闇の中…
4巻で銅鏡の遺品描写があったね
しかし!猫猫は立証します。
疑惑は勘違いで、里樹は卯柳の娘でした。歯並びが特徴的かつ青魚がダメな体質は父親譲りでした。
「好き嫌いや勘違いで、相手にひどい対応をするなど、この国の高官がすることではありませんから」
出すぎていると思いながらも卯柳に(里樹妃への対応について)苦言を呈す猫猫。
この絶妙な正義感が猫猫の魅力です。
不器用な恋物語の予感
舞踏会的な宴会場で香水(獣の生殖器を材料としたもの)をひっかけられてしまう里樹妃。
あぁ~~~
そこに出し物として獅子が登場します。
檻に閉じ込められたまま移動する獅子ですが、
里樹にかけられた香水に反応し、興奮して檻を突き破って向かってきます。
逃げてぇ!
腰が抜けた里樹、それを見捨てることもできない猫猫。
ただ、呆然とする顔はその近づく死を待つしかできないようだ。
まさに絶体絶命。
そこに救世主が現れました……!
馬閃です。
馬閃は折れた檻の鉄格子で対抗。
獅子の鼻をつぶし、格子を眉間にたたきつけ…
無事獅子はとらえられました。
そして猫猫の眼前で展開される、ベタな恋物語。
馬閃は顔を赤く染めて無言でいた。いつもの猫猫以外の女性に対しての反応かと思ったが、それにしては間が長い。
「……」
そして、目に涙をためた里樹妃もまた顔を赤くしていた。
……居心地わりー……
ヒーローとお姫様。甘酸っぱいですね。
二人の今後に注目です…!
【結婚できるか?】馬閃と里樹の恋路まとめ【薬屋のひとりごと】
【伏線】白娘々(パイニャンニャン)
劇場で奇術を披露するアルビノの娘、白娘々が話題に。
猫猫も羅半・陸孫と共に観劇にいきます。
- 16歳くらい
- 紙と肌が白い
- 目が赤く、視力が悪い
- 耳が良く10種類の音を聞き分ける
- 蛇神様の化身と言われている
試し読みにカラー挿絵があるよ!
奇術を楽しみつつ解き明かす猫猫。
それだけならよいのですが、白娘々は最後に水銀を飲みます。
それを真似して食中毒で命を縮める者がでてきます。
注意喚起しないとダメなやつ…
しかしこの事故は故意に引き起こされたのではないか…?
と、思われる情報が次々でてきます。
- 一年ほど前、阿片を白娘々のキャラバンが売りさばいていた。
- 今、他国(砂欧)の商人の中に混じっている可能性がある。砂欧は不可侵の為、簡単に捕まえられない。
- 阿多の馬車を襲った盗賊が全員阿片中毒者。一人に蛇の刺青があり、手首に蛇の交尾を模してねじった紐をつけている。
壬氏の出生・取り換えっ子秘話
先帝&皇太后の子(死去)⇔現帝&阿多の子(壬氏)が赤子の時に取り換えられた話。
阿多主犯と思われていたこの衝撃の奇行は、皇太后も合意だったことが明らかになりました。
- 阿多➡吾子(我が子)を守りたい…先帝(当時の皇帝)の子であったほうが大事にされる!
- 皇太后➡憎い男との息子に愛情を向けられない。でも孫(壬氏)は可愛い。
だから、赤子を取り換えたまま、阿多が宮に戻っても何も言わなかった。それが当たり前であるかのように、つつがなく子は取り換えられた。
阿多一人でそんなことできるの?とは思っていたけど…母親二人とも病んでたのね…
事実、赤子の服を先に変えた(周りにバレない為の隠ぺい工作をした)のは皇太后でした。
この後、本来の皇弟は死去。
(事実を知る)現帝は阿多と皇太后を気遣うもやりきれず、医官・羅門を追放します。
【伏線】阿多と現帝、国母の約束
「そうだな。せっかくなら国母にでもしてもらおうか」
莫迦なあいつ(現帝)は、二つ返事で了承した。それがどんな意味か分かっているのだろうか。そして、今でも憶えているだろうか。たとえ、西の大花(玉葉)を后にすえたとしても。
これは分かりやすくすると壬氏を次の皇帝にする約束です。
あーー!
しかし4巻にて玉葉妃が男の子を生み、后になりました。
それでも現帝は壬氏を次代にするつもりなのか?
(まるで後継者を育て……)
猫猫視点では、皇帝の壬氏への対応はそのように見えるようです。
阿多はただ見守っています。
伏線・情報まとめ
今後重要になる伏線を簡潔にまとめました。
蝗害の予想と対策
時に国を亡ぼす天災・蝗害。
数年、数十年ごとに起き、空を覆いつくす飛蝗に作物を食い尽くされて飢饉になります。
『帝の統治がダメだから天罰が下った』など、占い的な見方をする民もいるため、壬氏様も大変です。
対策のヒントは楼蘭が残した【虫の図録】ですが、特効薬となる情報はありませんでした。
余談ですが、猫猫にあーんで飛蝗を食べさせてもらう壬氏様が衝撃的でした。
猫猫からの嫌がらせ的なものですが、そこまでして手ずから食べたいのか…
いえ、民の生活を知るのもまた上に立つ者の役目なのでしょう(?)
玉葉が后になった理由
4巻で男の子を生み、妃から后になった玉葉后。
しかし昇格した理由は、出産だけではありませんでした。
猫猫たちの住む茘は、北亜連という国と度々対立してきました。
蝗害が始まり飢えた北亜連と戦になれば、要になるのは西。
西を束ねるのは玉葉の父親・玉袁……
皇帝の政治的思惑が絡んでいたようです。
輸出か亡命か
羅半は会合にて、3巻で登場した女性特使【愛凛】に商談を持ち掛けられます。
蝗害を匂わせて興味を引き、きわめつけは取引がうまくいかなかった際
「私たちが亡命できるように、手伝っていただけませんか?」
とのこと。
輸出するか、亡命を手伝うか。決断は先送りです。
薬屋のひとりごとを90%offで読む方法
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まとめ
壬氏×猫猫がキスまで進展した…と言いたいところですが、猫猫の気持ちはあまり揺らいでいません。
頑張れ壬氏様…
男尊女卑が強く現代日本と結婚の価値観が違う薬屋の世界。
とはいえ両想いになってほしいものです……
6巻での二人の反応に注目しましょう。
馬閃と里樹も、会える機会すらあまりなさそうでどうなるのでしょうか?
子の一族反乱が終わったと思えば、次は白娘々、飛蝗…仕事も恋愛も大変な不憫なお方だなぁと思います。
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コメント
薬屋のひとりごとの、壬氏、猫猫は、小説じゃない方でしたら、キスシーンは、何巻でしょうか?
漫画版ということでしょうか?
小説5巻は、まだ漫画になっていませんので、キスシーンはありません。
漫画2種類とも、現在小説4巻部分をコミカライズ中です。