意味不明?宮沢賢治『やまなし』を可能な限り分かりやすく解説!

意味不明と思った方向け 『やまなし』解説 古典名著
この記事は約4分で読めます。

この記事では、宮沢賢治の『やまなし』を読んで

全然分からん…どういう意味??

となった方へ、つまづきポイントを一つ一つ解説していきます!

あらすじ

まずは簡単にあらすじを、自己解釈にて紹介します。

《あらすじ》

これは5月と12月の谷川の底を映した、2本の映像です。

二匹の子供の蟹が、青白い川底で「クラムボン」について話しています。
※クラムボン=トビケラの幼虫説があります。

5月。

クラムボンはぷかぷか笑っていますが、頭上を魚が通り過ぎたことで殺されました。(食べられたと思われます)

なぜ殺されたのか?子蟹たちにはわかりませんでした。
子蟹たちには、魚が悪いことをしているように見えています。

更にかわせみが川の中に魚を取りに来たのを見て、子蟹たちは怯えます。

12月。

かなり成長した子蟹たち。吐く泡の大きさ比べをしていた夜に、いきなり「トブン」と川に何かが落ちてきて、また上がっていきました。

カワセミかと怯える子蟹たちでしたが、お父さん蟹が「やまなし」が落ちてきたのだと教えてくれます。

流されていくやまなしを追いかける三匹。
枝にひっかかって止まったやまなしは、とてもいい匂いがしました。

二日ほど待つと沈んできて、おいしいお酒になるそうです。

お父さん蟹に帰って寝ようと言われた子蟹たち。三匹は自分たちの穴に戻っていきました。

映像はこれでおしまいです。

幻燈って何?

幻燈

小さな谷川の底を映した二枚の青い幻燈です。

やまなし一行目の文章です。

幻燈とは昔の投影装置です。

今から谷底の青い写真映画を投影しますよー
投影写真は二枚ですよー

という感じです。

ちなみに何故二枚かというと、やまなしは二章から成るためです。

『一(章)、五月』『二(章)、十二月』。

五月と十二月、二枚の写真です。

クラムボンって何?

サワガニ

『クラムボンはかぷかぷわらったよ』

蟹の子供たちの話に出てくるクラムボン。

作者・宮沢賢治の造語であり正解は判明していません。

それを考えさせようとして、教科書に載せてるのかも…

ですので、長年の議論で有力な三つの説をご紹介します。

①蟹の泡説
クラム→クラブ→カニ
ボン→ボム(爆弾)→はじける泡
で、蟹の泡じゃないか説。

②特に意味なし説
音の響きからテキトーにつけた説。

③トビケラの幼虫説。
個人的にイチオシ考察。
トビケラの蛹は空気をまとって水面に上がり、成虫になる。
さらに5月はトビケラ羽化のピークであるらしい。

下記の記事の説得力が凄いです。
ついに解明?!「クラムボン」の正体|todomadogiwa (note.com)

何故タイトルが「やまなし」?作者が伝えたいことは?

やまなし

タイトルに関してちょっと不思議ではありませんか?

クラムボンのほうがインパクトあるよね~

ですが蟹たちにとってはそうではありません。

外の世界に飛び立つトビケラの幼虫(仮定)より、
川の中に入ってきたやまなしが重要です。

やまなしには、魚を鳥に捕られて怖がる蟹の子供たちに

「魚は捕られるけど、こっちもいただいているんだよ」ということを教える存在です。

つまり作品全体で描かれる「食物連鎖・自然の輪廻のポイント」として重要な存在。

ゆえにタイトルになったとも考えられます。

個人的な考察です…

「イサド」ってどこ?

『あしたイサドへ連れて行かんぞ」

イサドは宮沢賢治の造語であり、地名です。

『種山ヶ原』という作品にも「伊佐戸いさどの町」が登場していますが、岩手のどこかをモデルにしているのか…

詳細は判明していません。

語句イメージ「金雲母」他

物語の解像度を高める為、物語内に出てくる語句のイメージ画像をまとめました。
(※画像先楽天市場です)

金雲母きんうんも

↓水晶

↓かわせみ

まとめ

今回は、宮沢賢治『やまなし』について解説しました。

  • 幻燈は写真映画
  • クラムボンはトビケラの幼虫説が有力
  • やまなしは食物連鎖のポイント。 蟹にとって重要度が高い
  • イサドは宮沢賢治が造った地名

意味が理解できることでストレスが減り、やっと作品の面白さに気付くことができます!

他にも宮沢賢治解説記事を書いていますので、気になった方は是非ご覧ください↓

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ザクロ

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コメント

  1. gmk より:

    とても面白くて興味がわいてきました

  2. 匿名 より:

    とても面白くて心にふひびきました。

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