この女が妻だと、はっきり言いたかったのだと。
「羅漢兄さんはけっこう浪漫主義者なんだねえ」
2016年12月31日に発売された小説【薬屋のひとりごと6巻】ネタバレ感想記事です。
・複雑な内容を整理
・ネタバレあり感想
・薬屋のひとりごとをお得に読む方法
をお伝えしていきます。
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【簡単に】あらすじ
6巻で描かれるのは主に5巻の続きです。
- 壬氏と猫猫の、キス&プロポーズの行方
- 馬閃と里樹の恋の行方
- 羅漢と鳳仙の結婚生活の行方
- 白娘々問題が一応解決
それぞれの恋愛の始まり・終わり・分岐点を見届けたい一巻です。
壬氏と猫猫、プロポーズの行方
前巻では
- 壬氏からのプロポーズ(明確ではないけど察せる感じのもの)
- キスで主導権勝負(猫猫が勝ち)
がありました。
詳しくはこちら↓
【薬屋のひとりごと5巻】ネタバレ感想
6巻では、そのことに関しての反応が見られます。
絶対見逃せない★
薬屋のひとりごと
初回3冊1980円が198円に。▼
【キス】負けを引きずる壬氏が迷走
キスを反芻する壬氏。
猫猫には余裕があり、自分のバクバクな心音はしっかり感知されていた……
負けを痛感した壬氏は、馬閃に相談します。
相談相手ぇ……
「駆け引きが上手くいったことはあるか?」
その上この聞き方です。
馬閃は武道の話と勘違いします。
「私では何かの役に立ちませんか?」
「……いきなり何を言う」
壬氏は持っていた湯飲みを落としそうになった。
なぜかスムーズに進んでしまった会話。
忘れてはならないのが、壬氏は馬閃に相談してしまうほど切羽詰まっているという事です。
馬閃相手にキス練習しても無効ではないか?と、とち狂った思考をしだします。
「技量はともかく体力と打たれ強さには自信があります」
「体力……、いや、そこまでは、さすがに」
……気づけ
そんな時に壬氏と酒を飲みに来た阿多。
実の母親です……
薬屋のひとりごと 阿多妃(アードゥオヒ)の正体は?主上・壬氏・水蓮との関係も
ばんっと扉をあけると……
壬氏は壁際に追いやった馬閃に覆いかぶさるようにして唇をなでていた。
「……花を選ぶとは限らなかったな。そうだ、私は勘違いしていたようだ」
それだけ言うと、そのまま後退し、扉を閉めた。
壬氏(息子)の結婚相手を見守ろうとしていた阿多。
衝撃は大きかったでしょう。
この後壬氏は弁明できているといいですね…
一方猫猫の反応。
横になると、胸元に入れた簪が邪魔になった。取り出そうかとおもった、目に見えるところにも置いておきたくない。
「……」
実にあっさりしたもの。もう少し動揺してもよさそうですが……
この態度の理由が分かるのは7巻です
控えめなプロポーズの返事は?
「私は敵になりたくありません」
「玉葉后の敵に」
壬氏は本当は皇帝の子。
プロポーズを受けて子が生まれれば、玉葉后の男児と東宮争いで血の雨が降る……なんてこともありえます。
壬氏が好き・嫌い以前に憂う未来がある。
これが今の猫猫の答えです。
壬氏のこと自体はどう思っているのか?
「嫌いではないでしょうね」
好きとは言い切れないのが猫猫のホンネです。
好感がある理由は牛黄や冬虫夏草をくれたから…と恋愛とは無縁のもの。
壬氏にかなり冷たいようにみえる猫猫。
しかしその理由は育ってきた環境にありました。
猫猫は恋愛に否定的
捕らえられた里樹妃を開放するため、猫猫を頼る馬閃。
里樹を「無実」と決めつけ一目惚れの感情任せで動く馬閃に、
猫猫は「妃が戻るのは後宮」と釘をさし、冷めた視線を送ります。
たまに客にもいるのだ。妓女に一目惚れし、そのため、溜めた銭をつぎ込んで足しげく通う。金の切れ絵が縁の切れ目、それがわからない男は、つれなくなる妓女を悪しざまに罵るか、もしくは逆上して殺そうと数。閨を血染めにして笑う男はとても不気味だった。
猫猫は(相手の本心・実態を)見抜けず、相手を否定する男を見てきました。
猫猫の親はギリギリハッピーエンドと言えるのかもしれませんが、鳳仙は病に侵され、羅漢と結ばれたのは17年後です。
叶うより壊れるほうが多い恋愛の末路を知っている。
だから猫猫は【壬氏に塩対応】なのではなく、【恋愛に対して否定的】なのでしょう。
里樹が襲われた獅子事件の真相
前巻にて、獅子に襲われた里樹妃。
- 獅子の興奮を誘発する香水を里樹にかけたのは誰か?
- 檻は何故こんなにもろかったのか?
が未解決でしたが、真相を猫猫が解き明かします。
結論から言うと、
とある花嫁一家が【獅子を持ってきた砂欧の婿】を追い返すために画策したものでした。
花嫁を家畜扱いする婿。
獅子が逃げ、持ってきた婿に責任がいけばいい。
花嫁の一家ぐるみで行われた工作に、ピンポイントで巻き込まれたのが里樹妃でした。
めちゃくちゃ不幸体質
里樹をいじめたい里樹の異母姉が、香水の販売先として利用されました。
ココを突き止めたのは、怪しい人物を監視してたっぽい阿多!さすが里樹のガーディアン!
猫猫から壬氏への情
忘れてはならないのは、里樹以外にも重鎮が沢山いたこと。
最悪国際問題になった為、壬氏は甘い処罰を下すわけにはいきません。
それを気遣う猫猫にグッときます。
ただ、猫猫はこの家の者たちとは考え方が違うと思った。
「家ってどうしても守らなくてはいけないものでしょうかね?」
女帝に厄介払いされ、それでも生き残ろうとした哀れな一家。
そこに同情が集まるのを防ぐ一言を発し、話を変えます。
これが猫猫の思いやり
壬氏の目は、哀れな一族の先を見た。先を見据えたその目は、ただこの一族を罰するのではなく、その次につなげようと考えているのだろう。
猫猫はそんな男の背中を黙って見ていた。
「恋愛」としてしまうと壬氏に冷たい猫猫ですが、壬氏への情がここにあります。
羅漢と鳳仙のその後
羅半と猫猫は羅半父のいる村へ移動します。(壬氏は西都に居残り)
これは羅半が食料輸出(愛凛との商談)を、父の作る甘藷(サツマイモ)に頼る為です。
後々に大活躍する羅半兄、初登場です!
猫猫&羅半&羅半兄の会話が楽しいので抜粋。
猫「ところで、私たちを追い出したいようでしたが、どうしてですか?実の親を裏切り、卑劣な狐軍師に寝返ったことが憎くて仕方ないのはわかりますが」
羅半「そんなことはないぞ、妹よ」
兄「かなりあるがそれじゃない」
羅半「兄さん、あるんですか?」羅半が羅半兄に真顔で言った。自覚はないのだろうか。
ここで衝撃の事実。
何故か羅半父の家に羅漢が幽閉されていました。
亡くなった鳳仙
まるで魂魄が抜けてしまったかのような姿だった。しかし、身体は動き、何か目に見えないものと対峙しているように見える。
もうどこにもいないはずの誰かが前に座っているのだろうか。
涙無しでは読めなかった羅漢と鳳仙の恋物語。
身請けから一年はたちましたが、鳳仙は亡くなりました。
「人を人とも思わぬ義父上だが、あの妓女が来てからずいぶん雰囲気が変わったよ。正直、見ていて恥ずかしくなるくらいね」
毎日一緒に碁を打っていたらしい二人。
伝令が屋敷と宮廷を往復して石を並べたそうです。
花街で過ごすより長生きできたと猫猫は考えます。
羅漢の心残りは、碁の途中で悪手を打って鳳仙が死んだことです。
「負けず嫌いなのに、終わらせるまでずっといると思っていたのに」
これはショックが大きい…
この後、羅漢は碁板とひたすら向き合い、鳳仙が打ちたかった手を見つけ出します。
「鳳仙との将譜をまとめた碁の本をつくる」
亡き妻との記憶を遺すと決めた時……
眠る変態はとてもすっきりした顔をしていた。もう少し落ち込むものかと持っていたがそうではなかった。亡霊のような姿はなく、ただ、前に突き進む変人がそこにいる。
羅漢は前に進みだしました。
羅漢父の村にいた理由
「親?ああ、そういえば」
「今更ですが、妻を娶りました」
通常、妓女を買うというのは妾にするということ。
親の承諾は必要ありませんが、それでも羅漢は報告したかったようです。
それがたとえ仲の悪い父親だとしても。
この女が妻だと、はっきり言いたかったのだと。
「羅漢兄さんはけっこう浪漫主義者なんだねえ」
「はいはい」
こんな羅漢に猫猫も思う所があったようです。
羅漢に「一言だけくれないか?母さんに……」と言われ、猫猫はゆっくりと頭を下げます。
おまじないと称して爪をはがされた猫猫にとって、鳳仙は微妙な存在。それでも親たちの終着を見守りました。
薬屋のひとりごと【羅漢と鳳仙】身請けの結末は?猫猫との関係も
白娘々を捕らえる
阿片をバラまき、食中毒を起こし、占い師を使って権力者周辺をスパイ。
あちこちで好き勝手していた砂欧のアルビノの仙女・白娘々がついに捕らえられます。
しかし、とらえられて収監された場所が問題でした。
里樹と馬閃の恋物語
囚われの妃
お互い恋に落ちた里樹と馬閃。
西都から戻ってきますが、月経が遅れて後宮に入内できない里樹。
長旅の疲れかな…
そちらが解決しても今度は主上以外に恋文を書いていた容疑がかかります。
皇帝と皇弟がややこしいので呼び方を変えたと思われます。
恋文ではなく恋物語の写し。
猫猫は簡単に解決するとみていましたが…
スキャンダルにまで発展し、里樹は塔で軟禁されます。
- 恋物語…西の特使の従者が持ちこんだもの。故に検閲にない。
- 里樹の写しの流出方法…特使から貰った鳩に括りつけた。
つまり最初から特使と白娘々と元侍女頭にはめられていたのです。
多い多い多い
あまりにもターゲットにされすぎる里樹。
他の妃にはない隙が、彼女にあるためです。
猫猫・阿多が解決のために動くも、状況はひどいもの。
- 「そんな真似はしていないのか?」と聞きに来る父・卯柳
- 眠るか食べるかの生活
- 侍女は(侍女頭)河南だけ。
- 上の階に白娘々が幽閉。白娘々は「素貞」と名乗り里樹とコミュニケーションをとってくる
父親もひどいが、さ…最後ーーー!
白娘々は気を酩酊させる香を里樹の階に流し
老朽化した最上階に行かないかと誘います。
河南虐めと白娘々との邂逅
そんな中、河南への不信感&粥に混ざる小石に、
里樹はついに爆発してしまいます。
「どうして!どうしていつも私ばかりなの!」
卓をひっくり返し、割れた皿が河南の頬を傷つけてしまいます。
河南は里樹の食事をとりに行く際、悪質ないじめをうけていました。
汚された服を里樹に隠れて着替える行為が、里樹の疑心をあおってしまいました。
呆然とする里樹に……
『もうすぐ見張りが下りていくわ。上に来ない?』
甘い甘い声だった。
白娘々。
内外からのダブルパンチです。
これまで優しく里樹をはげましていた白娘々。
しかし対面した時に冷や水を浴びせます。
「ねえ、あなたが虐げられるのは、誰のせいでもないあなたのせいよ」
「そこにいるだけで鬱陶しいわ」
それは、今まであちこちからいじめられてきた、負の記憶を呼び起こすもの。
「本当にいらいらするわ。……昔の私を見ているみたい」
このセリフも複雑ですが……
里樹はさらに上、ボロボロの老朽化したバルコニーまで逃げます。
鳥が飛んでいるのが見えた。それはとても自由に見えて、手を伸ばしたが勿論届くわけでもない。
ヒーロー・馬閃
里樹の状況は外でも大事になっていました。
里樹の元に向かう壬氏・猫猫。
猫猫が「阿多がまってる」と安心させようとするも…
「きゃはははははは!!!」
いつの間にか現れた白娘々のけたたましい笑い声が引き金となり、
落下する里樹妃。
「妃!」
そこに足場の悪い屋根を蹴り飛ぶ馬閃が。
飛んで里樹を掴んだ。
これぞヒーロー。
「私はあなたに幸せになってもらいたいと思った。ただ、それだけなのです。(略)」
青年はそれだけ言うと、また不器用に笑ってみせた。
そんな馬閃の胸に顔を埋める里樹。
ただ、このひと時が少しでも名が続くようにと、里樹は願った。
終話にて
- 里樹…一年間の出家(寺に籠る)
- 満身創痍の馬閃…なんでも一つ望むものが与えられる(選ぶ期間は一年)
が決定します。
どうにかハッピーエンドを迎えました!
二人の一年後のストーリーに注目です
薬屋のひとりごとを90%offで読む方法
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まとめ
最期まで…否、亡くなってからも鳳仙を愛し続ける羅漢が見れて、感無量でした!
里樹の性質は女の伏魔殿にあまりにも向いていないので、出家も良かったのではないかなと思います。
1年後、馬閃との仲に期待です。
問題は恋愛に否定的かつ向いていない猫猫。
壬氏の勝利はこの先あるのか?
頑張れ壬氏様!
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