2020年1月発売の小市民シリーズ第5巻、『巴里マカロンの謎』読了しました!
タイトルに季節名が入っていないところから察せられますが、今巻は番外編的な立ち位置。
時系列的には春期(1巻)と夏期(2巻)の間にあたり、4つの短編が盛り込まれています。
だけど一冊を通して、一人の女の子の存在感が強い!
個人的には『花府(フィレンツェ)シュークリームの謎』がお気に入りです。
以下、ネタバレ有りの感想記事となりますのでご注意ください。
本の構成とざっくりとしたあらすじ
収録短編をザックリまとめるとこんな感じです。
タイトル | 時系列(全て高1) | どんな話? |
---|---|---|
巴里マカロンの謎 | 9月 | 3つ注文したマカロンが何故か4つあり、指輪が混入していた事件 |
紐育チーズケーキの謎 | 10月 | 中学校の文化祭で、小佐内が柔道部の「CD」を巡った諍いに巻き込まれる話 |
伯林あげぱんの謎 | 12月(?) | 新聞部で行われたロシアンルーレット的なもので、当たりを引いた人がいない謎 |
花府シュークリームの謎 | 1月 | 巴里マカロンからの付き合いである古城秋桜が不当に停学処分を受けたため、解除に動く話 |
1つずつ独立しているけど、人間関係はそのままなのでやはり繋がっています
警察が絡むような事件こそないものの、当事者にとっては大事だろうな…というような印象でした。
辞書
物語内に登場する難しいと感じた語句についてまとめました!
フィリング | 製菓・製パン材料の一種で、菓子パンやサンドイッチ、ケーキなどの具材 |
三昧鏡(さんまいきょう) | 心を一つのことに集中して、雑念を離れた忘我の境地 |
事件ごとの要約と感想
巴里マカロンの謎
要約
小佐内に誘われ、名古屋にある新しいパティスリー「バティスリー・コギ・アネックス・ルリコ」を訪れた小鳩。しかし小佐内が注文したマカロンの皿には、何故か四つ目のマカロンが置かれており、そこには指輪が入っていました。
小佐内と小鳩の推理から、指輪はこのパティスリーの創始者「古城春臣」が仕組んだもので、それを皿に置いたのは父のプロポーズを止めたい娘の秋桜でした。
古城 秋桜(こしろこすもす) |
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パティスリー・コギ創始者・古城春臣の娘。私立の中学に通う3年生。 |
感想
異物混入は危ないとは言え、「母が病気で苦しんで亡くなってから半年もたたないうちに、他の女性にプロポーズする父を止めたい」という動機は同情しました。
さらにその父親が「母が亡くなる2か月前には」プロポーズを考えていたと推理した小鳩には、頭がよすぎるのも考え物だなと思います。
人生知らない方がいいことってあるよね…
でも作った人への好感度は置いておいてスイーツを楽しめる小佐内さん。人は人、作品は作品として考えられることは良いことだと思います。
紐育チーズケーキの謎
要約
小鳩を秋桜が通う『礼智中学の文化祭』に誘った小佐内。
これは小佐内を慕いすぎる秋桜へのけん制のためでした。
ゆきちゃん先輩と慕われてますが、小佐内側としてはそんなにベタベタしたくない模様です
そんな中、トラブルに巻き込まれたことから「柔道部のCDを持っているのでは?」と疑われた小佐内。
小佐内は連れて行かれますが、CDは直前にその場で隠したようで小鳩が探します。
隠し場所とCDの中身とは?
感想
小佐内さんの事件時の判断力に舌を巻きました
普通の人間なら揉め事に気を取られるだろうに、即時判断、素早い行動……
CDの隠し場所も「火の中」というのはどうしたらそういう発想が出てくるのか…
結果的には今回何も復讐はしなかった小佐内さんですが、おそらく小佐内さんが感じた「気配」通り、柔道部はこれから痛い目を見るのだろうなと思います。
小佐内さん直観も鋭そうだよね
伯林あけばんの謎
要約
新聞部にアンケートを提出に来た小鳩は、新聞部で発生した「ベルリーナー・プファンクーヘン(ジャムが詰められた揚げパン)の当たりを誰が引いたか分からない問題」を推理することに。
マスタード入りを引いたのは誰か?解決しなければ人間関係に疑心を生み出す可能性がある…
その後「入っていたのはマスタードではなくタバスコだった」と判明し、「揚げパンは5つ準備されていた…つまり、1つ揚げパンが消えている」と判明し、
「アンケート提出のお礼にお菓子を自由にとっていいよ」というメモが近くに置かれていたことも判明。
そこで小鳩は、新聞部に来る前に何故か泣いていた小佐内を思い出します。
感想
小さな嘘や些細な行動が重なると『謎』になる。普段「なんでだろ~?不思議だね~」で終わらせている事って、結局はこういうことなのかな?少し考えを巡らせるようなお話でした。
巡らせたところで、小鳩のように解決はできないんだけどね
1/5のタバスコ入りを引き当てた小佐内さんはご愁傷さまですが、このことに小鳩が気づいてくれたことで『花府シュークリームの謎』で美味しい伯林揚げパンにリベンジできた模様。
小鳩くんやりますね!
花府シュークリームの謎
要約
無実なのに停学処分を受けた古城秋桜。
年越しパーティーへ参加して飲酒した容疑をかけられますが、そんなパーティーには参加していません。
許せないと言った自宅謹慎の秋桜の代わりに動く小鳩・小佐内。
秋桜がまだ受け入れられていない新しい母親の手も借り、証拠に出されている「コラ画像」の謎を突き止めます。
犯人は秋桜の父親・古城春臣のライバル関係にあるクラスメイトとその父親でした。
小佐内はお礼に山ほどのお菓子を貰い、舞い上がりました。
感想
超絶ハッピーエンドが嬉しいラスト。
何より再婚した秋桜の新しい母親が、頼ってみればちゃんとした人で良かったねと思います。
父親・春臣のほうは最悪でしたが…
妻が病気の時に浮気して、再婚した相手には娘が自宅謹慎になったことを伝えていない。
挙句、娘に悪意を向たのは春臣のライバルパティスリーとくれば…
この男…浮気したにも関わらずインタビューでは「家族が働く理由」みたいなこと言ってるから、それを見て思いつかれた可能性もあるし…
どうしようもないですね。
それにしても小佐内さんの苛烈な行動力は流石でした。
情報集める為に、まず待ち伏せを考えるのも流石です(笑)
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まとめ
小市民シリーズ第五巻、『巴里マカロンの謎』についてまとめると…
- 小鳩と小佐内が1年生の9月から1月の物語
- 4つの短編の内容は、「皿にマカロンが増えている謎」「文化祭でのCDをめぐる謎」「新聞部で当たりのパンを引いた人がいない謎」「秋桜が冤罪をかけられた謎」
- 何はともあれハッピーエンド
ということでした。
スイーツ描写が美味しそうな巻でした。伯林揚げパン食べてみたいな…
小鳩の推理はガッツリ省いているので是非ご自分で読んでみてください!
推理パートは紐育チーズケーキがオススメです↓