知的生活とは何か?要約と『20歳の自分に伝えたい 知的生活のすすめ』 齋藤孝

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誰しもこの本の表紙のような、部屋にこもって読書や勉強に勤しむ姿を想像するのではないでしょうか?
しかし、本書を読むとそんなイメージはガラリと変わります。

また、齋藤先生はモヤっとしていたことを、知的に一刀両断してくれます。

  • 有名人の子供に「美人!将来安泰ですね!」とのコメント
  • あまりにも楽しくない授業

このあたりに思うところのある方は、是非本書を読んでほしいと思います!

以下、特に印象深かった箇所を要点とした要約と、主観たっぷりの書評になります。

「知的生活」の本当の意味

自分の刺激になりそうな情報に向けて常にアンテナを張りめぐらし、次はどんな本を読もうか、どんな作品に出会おうかと目を光らせているーーーそうした自分にとって新しい刺激になりそうなものを、なんでも貪欲に取り入れてみようとする能動的な生のあり方こそが、本当の意味で知的な生活だと思うのです。

知識を熱望し、”好奇心を持つ”こと。
そこから何かを取り入れようとする意識と実際にやってみる姿勢
それこそが知的なのだというこの言葉がストンと腑に落ちました。

本来、”学ぶ”というのはもっと生き生きしたものだったと思い出しました。

だとすると、「知的生活」はずいぶんアグレッシブな印象に代わります。
部屋や図書館に閉じこもって勉強をするイメージが強かったので、意識を変えられた言葉です。

アレコレと言ってみたい場所、やってみたいことがたくさんあること。
それを実行に移すこと。
意識してやっていきたいと思います。

それに下記を追加することで知的生活の基本になります。

重要なのはアウトプット

アウトプットしないと知的じゃない

アウトプット

インプットばかりしてアウトプットをしない人、つまり知識を蓄えるばかりで、それを創作の資源に使おうとしない人も私は知的とはいえないと思います。

グサッときました。
つまり興味に対して動いても、それを口にも出さず、文字にも起こさず……自分の外部にだそうとしない人は知的に分類されないのだそうです。

資格を取得して、特に活用せずに終わることも、これに当てはまるかもしれませんね。
持っているだけで知的なわけもないです……。

体験したもの、取り入れた情報を発信することを意識していきたいです。
手始めに取り組んでいるのが、このブログになります。

才能というものは、アウトプットすることで初めて気付けるものです。

ダメ押しきました。

発することは、自分の価値を生み出す作業だとも思いますが、純粋に綺麗な風景を観て写真を撮り、その時の感情を記録に残しておきたい……。

そういった知的生活を送りたいという感情も、芽生えつつあります。

怖がらず、面倒くさがらずに。
知性をこの手に!!

コツは、まずはゴールを想定するのが大事

ゴール

アウトプットを行う場合、まずゴールを想定し、そのゴールに最短距離でたどり着くための方法を考えることが、時間の節約にも、挫折するのを避けるのにも有効です。

例えば文章を書くならば、文字数あるいは大枠を決めてから始めよ、ということだと思います。

ゴールが見えていない状態で始めると挫折するというのは、私自身、身をもって感じているところです。
まずはゴールを決めてからスタートしましょう。

一刀両断エピソード2選

「この子は美人決定ですね」のコメントに対して

よく美男美女の芸能人夫婦に赤ちゃんが生まれると、「この子は美人決定ですね」「もう一生安泰ですね」といった書き込みがされます。
私はこんな価値観にとらわれている限り、人としての進歩はないと思っています。こうしたことは、もう「品がない」こととして軽蔑していくべきなのではないでしょうか。

私がモヤッとしたことのあるエピソードを、的確に言語化してくださりました。

ズバリとおっしゃっていますが、私がここまで明確に感じていませんでした。
コメントを入れた方が、誉め言葉のつもりで書き込んでいるからだと思います。

しかし悪意があるかと品位があるかは別問題です。
見てくれだけ良ければ一生安泰な世の中だと思っているなら、考えの甘さを恥ずべきだと思います。

そして、「誉め言葉」にまどわされてそれを見抜けなかった私も、知力が足りないということなのかもしれませんね。

 

授業がつまらないと感じる訳

授業がつまらない

学校の授業がつまらないように感じる人が多いのは、教科書の内容をただ右から左へ伝達するだけの授業になっているからです。これでは冷凍食品をそのまま食べさせられているようなものです。
教師の役目は、それを解凍して温めてあげたり、ちょっと味付けを加えたりして、生徒たちに食品のおいしさを知ってもらうことにあります。

凄いですね。
つまらない授業を解凍されていない冷凍食品に例えるとは。
世の中の一部の教師に喧嘩を売るような発言ですが、その意識の高さが素晴らしくて、このような考えの先生に教えてもらいたいなと思います。

全教師に届いてほしい言葉です。
教師だけではなく、例えばマニュアルにて仕事を教える際にも役立つお言葉ではないでしょうか?
教える立場になる時、そのまま読むのではなく「味付けすること」を意識して取り組みたいなと思います。

理想の生き方

そして最期の日には、「ああ、この世界は、豊かな文化がある、いい世界だったな」と思いながら、死を迎えてもらいたいです。

著者にとって、それが幸せな生き方の一つのビジョンなのだと思います。

人生における幸せとは、人によっていろいろと憧れがあると思いますが、中には他力本願なものもあります。

「誰かを幸せにしたい」「幸せになりたい」「幸せにしてほしい……」
これには自分以外の力や運の強さが影響いてくる、非常に難しいものです。

しかし文化ならば、すでに溢れています。
それを取り入れて血肉にしようとする。
自分自身の努力で叶えられる、現実的な夢の思考だと思います。

好き嫌いを考えず、理解しようとすること

私は、これまで何千人もの学生を教えてきましたが、個々の学生に対して好き嫌いはありませんし、どの学生が好きで、どの学生が苦手というのもありません。
全員を理解すればいいだけだからです。

恰好よく、神々しい。
まさに理想の教師のように感じます。

このような人ばかりなら、「えこひいき」なんて言葉はなくなるのですが、それは難しい話ですね。

「理解すればいい」。
なかなか難しいことを言ってのけますが、ここに対しては少し懐疑的な面があります。

人は、自分一人のことを知ることも難しい生き物です。
毎日暮らしている家族一人のことにしても、わからないことは多々あります。
それを自分の受け持つクラス全員となるとどうでしょうか?
「理解」には到底時間が足りず、「決めつけ」になってしまっていないかと思うのです。

なんにせよ、苦労と線引きと諦めと……色々なものの末の格言に感じます。

 

不遇の時期を乗り越えろ!

ネバーギブアップ

志と向上心がその後を変える

どんな人の人生にも、「不遇の時期」というものがあります。それを将来に向けての「溜めの時期」にできるか、「暗黒の時期」になってしまうかは、そこでの本人のふるまい次第です。
そこで支えになるのは、やはり「志」や「向上心」だと思います。

やることなすこと上手くいかない時期、何か物足りないと感じる時期。
そんな時に自分に対してどんな「志」を持たせられるか。
「向上心」を維持できるか。

確かにとても重要なことだと思います。
今の自分の目標は何でしょうか?
この機会に明確にしてみれば、将来の飛躍につながるかもしれません。

 

将来に向けて溜める

将来的に本を書きたいのであれば、書きたい本の企画をたくさん書き溜めておくことです。
私自身も、本を出すときにはタイトルも章立ても、頭の中ですでに仕上がっていることがほとんどです。

アウトプットが大事、と言われた延長です。
とにかく書き留めておけば、多少修正が必要になれど、ここぞ!というときに大量に公開できます。

それはかなりの強みではないでしょうか?

将来報われることを信じて、ひたすらにアウトプットしたものを溜めておきましょう。

 

代理力を鍛えよ

それまである仕事をレギュラーで務めていた人が休んだ時に、代理で入り込んだ人がその仕事ぶりを評価され、そのままその仕事をモノにしてしまう、というのは、現実社会でもあることです。
こうやって仕事をゲットする力を、私は「代理力」と呼んでいます。

上司がやっていることをそのままできるようにすること。
これは向上心の面でも大事ですが、職場をホワイトにするためにも大切な考え方かもしれません。

「その人しかできない仕事」というのは、特別感はあれど、病気の際などに休みにくいものです。
その時、「代わりにやっておきます」という同僚がいればどうでしょうか?
多少複雑な気持ちもあれど、心強いと思います。
誰かを安心させられる人になりたいですね。

そこで私は、教養学部で教えてくれる先生たちの講義を、「自分がこの先生のように話せるか」という視点で受けていました。
「来週の講義では、先生は休んでいてください。私が代わりにやります!」と言えるレベルに達しようと、そういう意識で講義を受けていたわけです。
そうしたいわば「当事者意識」を持つことで、何百人もの学生が集う大教室での講義であっても、受け身にならずに緊張感を持って集中することができます。

授業を受け身にならずに受けるには、この考え方は重要です。

自分が授業をする側になる。それをどれだけリアルに想像できるかが、授業が身になるかどうかの分かれ目です。

勿論オンラインでも同じことなのだと思います。
一人でも緊張感を作り出す勤勉さを持ちたいですね。

 

 

飲み会のすすめ

特に新しい組織に入ったときには、なるべく飲み会には行くことをおすすめします。
その時に一緒に飲んだ人とは、何十年経っても仲間という意識が持てますし、今でも気安く頼みごとをしたりされたりの関係でいられます。

正直、何十年経っても仲間意識が持てるかどうかは、その人の心情や人柄次第なところがあると思いますが、嫌煙しがちな身としては頭に止めておきたい言葉です。

こういう人もいらっしゃり、飲み会がきっかけで何十年来の仲間になることがある。
そのエピソード例だけでも覚えておきたいものです。

 

 

大人のふるまいとは

自分にとっては興味の対象外ではあっても、他人にとっては大事で評価されている存在に対して、斜に構えるのではなく、素直に良い部分を探して褒めることができることこそが、大人のふるまいだと思ったのです。

相手が好きなものを褒める。
できていますか?

私は全く知らないものの場合、聞き流していました……

ある程度調べて、次回になっても良いので肯定的な感想を述べ、会話を広げる。
それが正解でしょう。

相手に共感を向けるのが大人の会話。覚えておきたいものです。
年下でも、年上でも、とにかく褒めることを意識したいと思います。

 

本に身銭を切れ

本

「本に身銭を切らないで、他の何に切るのか?」と思ってしまうのです。学生時代はどんなに生活が苦しくとも月2万円は本に使うと決めていました。
特に若いうちは、本を娯楽として読むのではなく、血肉にする必要があります。
そうして手に入れた本は一生ものになります。

図書館はとても便利ですが、自分を成長させるという目的において、本を『借りる』のは自分へのプレッシャーという面では足りないのかもしれませんね。

事実、読まずに返却したことはままあります。

しかし2万円は凄いですね。
私は今月5000円くらい購入しましたが、意識的に購入したいと思います。

◆紹介されているおススメの本
福沢諭吉「学問のすゝめ」「福翁自伝」
デカルト「方法序説」
ニーチェ「ツァラトゥストラ」
孔子「論語」

まとめ

「知的」とは何か。
この書籍を読むと、想像していたよりもっと頭が柔らかくアグレッシブなもののイメージが強くなりました。

読書、大人の付き合いなど多方面での「知的」なふるまいを、大人として是非身につけたいですね。

非常におススメですので、是非最初から最後まで読んでみてください。

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この記事を書いた人
ザクロ

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