この記事では『薬屋のひとりごと』のキャラクター、猫猫の母親について死去するまでの軌跡をまとめています。
- 性感染症『梅毒』とは?
- 誰と恋をして何故生んだのか?
- 猫猫を生んだ後はどうなったのか?
悲しい花街の悲恋がありました……
猫猫の母親は妓女・鳳仙
猫猫の母親は緑青館の病人部屋にいる女、鳳仙(フォンシェン)です。
以前は緑青館で『囲碁・将棋は負けなしの妓女』として人気を集めていました。
気位が高いがそこがいい!みたいな
しかし物語開始時には梅毒で鼻が欠け心神喪失状態。
緑青館の病人部屋に隠されており、猫猫が時々薬を持って行くも、気休めにしかならないほどに病が進行していました。
薬屋のひとりごと
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但し母親ではなく「生んだ女」と言う
花街では、妓女は多数の男性に夢を見せる存在なので『母』にはなれません。
なので「母親」ではなく「○○を生んだ女」という言い回しを使います。
鳳仙は猫猫を「生んだ女」。
ちなみに鳳仙を生んだ女も妓女だと2巻(ヒーロー文庫)に書かれていますが、
作者・日向夏先生は、ファンからの「鳳仙を生んだのってやり手婆ですか?」という質問に対し
するどいですね
と答えています。
鳳仙産んだのってやり手婆ですか? | Peing -質問箱-
猫猫はやり手婆の孫なの!?
羅漢との悲恋
猫猫の母親(生んだ女)は鳳仙。
そして父親(種馬)は変人軍師・羅漢です。
囲碁・将棋の好敵手として何度も対戦していた二人。しかし鳳仙の値が吊り上がり、若く金の無い羅漢は会える回数が減っていきます。
この時は羅漢も20歳そこそこだもんね
このままでは他の客に身請けされてしまうーーー
二人は禁忌(※)であると知りながら一夜を過ごし、その時猫猫を身ごもります。
(※鳳仙は教養で客をとっていたので、手を付けられたことが無かった)
ところが妊娠を知る前に、羅門の失脚(宮廷を追い出されたこと)により家を追い出された羅漢。
3年後、羅漢が都に戻ってきたときには、もうどうしようもない状況でした。
鳳仙は猫猫の指を…
鳳仙は絶望し、『指切り』という呪いで
- 鳳仙の薬指
- 赤子・猫猫の小指
を羅漢に送りつけました。
ヒエェ……
江戸時代の遊郭では、遊女が愛の証明として客の男に小指を切断して送り付けたのだとか……
この指は、羅漢が赤子ができていたことを知るキッカケになりました。
また、現在猫猫の小指は歪に歪んでいますが、切り落とされたとは分からないくらいに修復しています。
良かった……
猫猫出産後、梅毒に感染
鳳仙は猫猫を生んだことで、緑青館の信用を地に落としてしまいました。
商品である妓女が勝手に出産するのはNG。
醜聞になっちゃうよ……
ちなみに堕胎方法に関しては専門と言っても良い花街。
猫猫を生んだのは鳳仙の意志でした。
猫猫は鳳仙が狙って子を作り、羅漢に身請けさせようとしたのではないか?と推測しています
しかし羅漢が家を追い出されて連絡がつかなくなったことでその目論見は失敗。
鳳仙は稼ぐために見境なく客を取るしかありませんでした。
その結果、『梅毒』という性病にかかってしまいます。
梅毒とは?鼻が欠ける性感染症
梅毒は性感染症です。
初期に治療できれば完治は可能ですが、放置すると数年~数十年の間に臓器や脳にまで障害を引き起こすことも。
羅門とはタイミングが合わず、初期治療ができなかったよ……
また、症状の一例として硬いしこりが鼻の周辺にできることもあるそうです。
鳳仙はそのしこりが鼻の骨や軟骨を破壊し、鼻が「欠ける」ように陥没してしまいました。
ちなみに猫猫を生んだとは言え、身請けのチャンスはあったはず。
けれど何故羅漢以外の人に身請けされなかったのか……作者がTwitter(X)にて明かしています。
遣り手婆が鼻のない女を隠し続けた理由。
鼻がない女が到底身請けできない姿になった。
女は、どんな理由であろうと甘んじて身請けされることを良しとしない矜持を持っていた。
遣り手婆はその意思を尊重しただけ。— 日向夏🐗 (@NaMelanza) April 29, 2024
生きてるの?死んでるの?
物語開始当初は生きています。
ですが梅毒が進行しており、羅漢に身請けされたとき(原作2巻時)には先が長くない状態でした。
故に身請けから約1年後の春に亡くなりました。(原作6巻)
枯れるまでの束の間を、愛する人と共に過ごしました…
緑青館で鳳仙の容態を診ていた猫猫は、花街にいるより長生きできたと考えています。
小説家になろう版では死んでいる
薬屋のひとりごとは
①小説家になろう
②書籍版(ヒーロー文庫)
③漫画2種類
④アニメ
の順番に展開されていますが、①の小説家になろうのみ、鳳仙は物語当初から死亡していました。
なんで?
これは「小説家になろう」が「書籍版」のプロット(下書き)であることが理由です。
書籍化にあたり大幅に改変され、小説家になろうでのノーマルエンドがグッドエンドに変更されています。
ちなみに亡くなったエピソードは、まだ漫画化・アニメ化されていません。読めるのは原作小説(書籍版)のみです。
羅漢に身請けされる(原作2巻)
17年前、悲恋に終わった鳳仙と羅漢の恋。
ところが原作2巻、
17年ぶりに羅漢と鳳仙の再会が果たされます。
なぜ17年もたってからの再会となったのか?ということですが、
①羅漢が実家に戻ってきたのは3年後➡猫猫は3歳か4歳(数え年)
②羅漢はそこから10年以上かけて賠償金の二倍の額を払い終えた
ということが理由です。
この「10年以上」が12年や13年だとすれば、羅漢は原作開始直前まで「鳳仙を勝手に妊娠させた賠償金」を払い続けていました。
緑青館の評判が地に落ちて、一番大変だったのはやり手婆だしね…そこはしっかりしないと
しかし羅漢がやり手婆に交渉していたのは、鳳仙の身請けではなく猫猫の身請けです。
というのも、やり手婆は羅漢に「鳳仙はもういない」と、死んだことをほのめかせていました。
これは、
- 鳳仙は鼻が落ち気も狂っている為、今更知ってもどうもしないだろう
- 病持ちの妓女を、老舗高級妓楼が身請けさせるわけにはいかない
等という理由が考えられます。
そこで動いたのは猫猫と、鳳仙の禿であった梅梅でした。
二人の手引きにより再会した羅漢と鳳仙。
羅漢の愛は年月が経とうと、鼻が欠けた病人であろうと薄れませんでした。
鳳仙と再会した羅漢は涙を流し、
「私はこの妓女を身請けするよ、金はいくらでも出そう。十万でも二十万でも払ってやる」
離宮が一つ建つような額で、鳳仙を身請けしました。
羅半が頑張って借金返済しています…
猫猫が母親に思う事とは?
羅漢が鳳仙を身請けする……それはつまり猫猫の実の両親が結ばれるということですが、猫猫の心境は実に複雑でした。
羅漢に『緑青館の妓女の身請け』を持ち掛けたのは猫猫です。
しかし鳳仙ではなく
(梅梅小姐にしておけばよかったのに)
と考えていました。
両親が結ばれるの嬉しくないの?
そもそも猫猫は、鳳仙と羅漢を母親と父親だと思っていません。
猫猫にとっての母親は、(忙しくてネグレクト気味ですが)面倒を見てくれた三姫。
白鈴小姐は母乳が出る体質だった…!
父親はおやじ・羅門です。
大切なのは血のつながりより「実際世話になったか」ということ。
娘の指を切り落とした実母より優先するのは妥当と言えるでしょう。
その上で羅漢は一応好条件の男ですので、
- 鳳仙は身請けしても長くは生きられない
- 絶対いい妻になる・かつ乗り気な梅梅を身請けしてほしい
と猫猫は思っていました。
身請けの1年後に死去(原作6巻)
鳳仙は身請けされた約1年後に亡くなりました。
身請け後はずっと碁と将棋を打っていた羅漢と鳳仙。(特に碁)
鳳仙が息を引き取ったのも羅漢との勝負の途中でした。
羅漢は鳳仙が亡くなってからひどく落ち込んでいました。
しかし鳳仙が遺した「最後の一手」……つまり、「悪手に見えるのになぜこんなところに打ったのか?」を解き明かした時、前を向き始めます。
鳳仙の生きた証を碁の本として遺そうと決意する羅漢。
羅漢は鳳仙との対局は販売され、さらに碁大会(8巻)を開くことで都に一大ブームを巻き起こします。
その碁大会には壬氏も参加。
あの手この手で好勝負を繰り広げた壬氏を、珍しく羅漢が評価しました。
鳳仙と羅漢の恋路は、次の世代へとつながっていきます。
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まとめ
猫猫の母親についてまとめると、
- 猫猫の母親(※生んだ女)は妓女・鳳仙。父(種馬)は羅漢。
- 猫猫は自分の小指を切られているので、母親とは思っていない。
- 物語開始当初、梅毒で先が長くない状態。鼻も欠けている。
- 17年越しに、猫猫・梅梅の手引きで結ばれた(身請けされた)
- 約1年後に亡くなった。その間は羅漢と碁や将棋を打って過ごした。
- 羅漢は鳳仙との対局を本にして遺した。
ということでした。
ちなみにエピソードごとの収録媒体は
- 鳳仙身請け➡原作小説2巻・アニメ第2クール・漫画版はこちらを参照
- 鳳仙死去➡原作小説6巻・漫画化アニメ化はまだ
- 碁大会➡原作小説8巻・漫画家アニメ化はまだ
となっています。
二人の恋の軌跡を最後まで読めるのは原作小説のみです!
ちなみに薬屋のひとりごとは
圧倒的に原作小説がコスパが良いです。
コメント
いいね!
分かりやすかったです!
ありがとうございます!