珈琲を飲みながら読みたい!『純喫茶トルンカ』あらすじと読書感想文

珈琲を飲みながら読みたい『純喫茶トルンカ』 小説
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「日曜日のバレリーナ」「再会の街」「恋の雫」の三話が収録された心温まる物語、『純喫茶トルンカ』。

『純喫茶』はお酒の提供が無く、純粋に珈琲を楽しむための喫茶店です。焙煎したコーヒーを飲みながら、ゆったりと読みたい一冊でした。

続編も発売されている人気作♪

以下、あらすじ・要約・個人的な感想になります。

1番心に残った文章

「人の顔を認識できる仕事がしたかったんです」

マスターのセリフです。

世の中人の顔色を気に留めず、ただ作業を進めるだけの仕事もあります。

それも大事な歯車の一つですが、マスターにとってそれは望まないことで道筋を変更した様子です。

夢や後悔・希望……様々な感情が、この短い一文に凝縮されている気がします

どんな本?あらすじとテーマ

東京の下町の商店街を抜けた、袋小路の喫茶店トルンカを基点に、

3章を3人の主人公で展開していきます。

『袋小路』。それは行き止まりになっていて通り抜けられない小路のことです。

転じて物事が行き詰まった状態という意味も持ち、登場人物たちが人生において行き詰った状態だということも示唆しているのではないか?と考えられます。

この本に自分なりにテーマをつけると

『過去に寄り添い、悲しみに浸り、再び進み始める』です。

浸る、というのがポイントです。

過去を吹っ切って進む!という爽快な感じの物語とは、少し違いますね。

純喫茶のイメージに実にマッチしたテイストの一冊です。

各章のあらすじ

日曜日のバレリーナ

客である千夏が、トルンカのバイト・修一に、「私達は前世で恋人同士だった」と語り掛けます。
突拍子もない話から始まる恋物語。

再会の街

随分久しぶりにトルンカに来たヒロさんは、元恋人の娘・絢子に偶然再会します。
彼の人生や病気への葛藤が描かれます。

恋の雫

店の看板娘の雫の初恋物語。
病死した姉の元彼への想い、幼馴染の浩太とのやり取りが描かれます。

感想

珈琲

割とベタな展開多めな印象を受けました。
素直な気持ちで読みたい一冊です。

ヒューマンドラマ(恋愛・家族愛など)が好きな方には刺さる内容だと思います!

私のお気に入りは「再会の街」です。

ヒロさんの、ヒヤッとするような病気の現実があり、苦い過去があり。

簡単に人は変われないけれど、それでも出逢いによって前向きに向かい始めます。

美味しい珈琲は冷めたものでも味わい深い。
そんなイメージの物語でした。

ヒロさん、元気になってトルンカに戻ってきて欲しいです。

余談ですが『恋の雫』で看板娘の雫が恋をしたとき…

え?そっち??

と思ってしまいました(笑)

こればっかしは男性の好みの問題。

勿論そこには理由があってなるほどと思うのですが、深くは共感できない。
そういう部分は他人の人生を第三者としてみているような、そんな視点に切り替えて楽しみました。

読んでいると、著者が男性だということが何となく分かりました。

続編はこちら👇

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この記事を書いた人
ザクロ

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