オレは、オレだけが最後に残っていればそれでいい。
最初からずっと、その感情だけを頼りにこの世界で生きている。
2022年12月23日発売のようこそ実力至上主義の教室へ2nd Season DVD・Blu-ray1巻初回生産特典の0巻、読了しました!!
高い買い物でしたが、文庫本一冊のボリュームで非常に満足な内容でした!
※初回特典の為、現在はメルカリのみ
ちょいだししかされてこなかった”ホワイトルーム”について。
発足理由からどのようなカリキュラムが行われているか……余すところなく書かれています!!
清隆のオギャアからの軌跡が見れ、高度育成高等学校を卒業した後の進路まで匂わせられ……
もう、情報詰まりすぎ!!
という感じでした。
以下、ネタバレありで印象的な場面と感想になります。
清隆について
清隆の原点
(篤臣)
このホワイトルームが世界を変えるかもしれない。
そう訴えかける俺の言葉に重みがほしい。
”恋愛婚”や”実は清隆を想う母親”は望み薄だと思ってはいましたが……
どこまでも純粋に計画的に『手段』として一人の子供が生み出されたのを見ると衝撃が走ります。
フィクションであってほしいけど……政界、実際どうなんだろ?
これこそ、まさに天啓の策だ。
尚、全く後悔していないようです。
P167でやっと清隆視点
約半分に当たる167ページ。ここまで大人のみのやり取りだったため、0巻は本当に冒険した一冊だなと感じます。
2歳時の『グミ実験』。
どちらの手にグミを持っているか当てるゲーム。
清隆が『周りを観察する能力』『疑う能力』という点で、赤子のころから異常値をたたき出していたのが凄すぎます。
そう赤子……だからチョコでも飴でもなく『グミ』なんだろうね。
安全を考えて。
これでギフテッドではないのか……?と思いました。
βカリキュラム
βカリキュラム。
清隆の在籍する第四期生のみに適用された、10段階中最高難度のカリキュラム。
実質5・6段目が育成限界とみていたことから考えても、非常にヤバいものです。
何故こんなものをいきなり導入したか?それは
血がつながる我が子が在籍するからこそ、ひどい結果になっても支援者たちに言い訳がきく……
なんども非人道的な考え方です。
βとか言われると某仮想ゲームを連想しちゃうね
(数学満点を叩き出したのは2年生編1巻)
全てを飲み込むように吸収していく
篤臣
「教えれば教えるだけ、全てを飲み込むように吸収していくのは何故だ」清隆
「オレは教育を受け続ける。その果てに何が待つのか、知識の探求の先に何があるのか。
それだけが知りたい」
清隆の異常な成長度合いを見ていると、篤臣はまだ普通の人間なんだなと感じます。
清隆は元々成長・勉強といったものへのマニア的な性質があったのではないかなと思います。
そこに完璧な環境が存在してしまい……
好きなことをしているからといって楽しいばかりじゃない。強制されて相当シンドイけど、でも……みたいな感じでしょうか?
喜怒哀楽がゼロに等しい
おそらく脈拍測定装置と思われるもので、清隆の喜怒哀楽がほとんどゼロということが判明しました……(;´・ω・)
清隆が嘘が得意というのは知っていましたが、日常の些末事をそこまで偽の感情で取り繕っていたのは想像以上で驚きです。
清恵ものイチャつきも嘘(演技)か……!?
私たちは騙されていたのか……!?
『感情は不可欠』。
しかし感情を今からホワイトルームで身に着けさせることはできない。
この考えから
『清隆を高育に入学させる』『清隆は不完全品』という結論がされているのではないかと予測します。
テストを80点に抑える意味
入試でやっていた清隆の奇行。初めてでなかったことが判明しました。
この行動の理由は
「弱者から感じ取れるものもある。脱落する子供と接する機会を失う、経験のロス」
というもの。
きっ……清隆~~~!!決して善意ではない。そういうところに痺れる憧れる!
大人を入れても既に彼が一番強者なのではないか?と思える程です。
50点で揃えるというのが機械的とは言え、点数をバラす意味もないんだろうなぁと今になって分かります。
入試のエピソード、主人公の底知れなさの演出だと思っていました。
ごめんなさい(;´・ω・)
入試でこれをしたのは、高育教師陣たちの反応も見たかったのではないか?なんてことを考えました。
バーチャルコンソール旅行
一年生編2巻に、「両親とニューヨークに行ったが楽しくなかった」という記述がありましたが
の可能性が高くなりました。
「両親と」のところも、学習自体が物語形式になっている為、そういうシナリオだったのかもしれませんね。
清隆の将来
・篤臣の志を継ぐ『政治家』
長期戦略をとるか短期決戦を挑むかによって分かれますが、清隆が将来求められている役割はこの二択のようです。
どっちも見たいけど……既にやってる気もする
仮にも学生なのにね……
その他の登場人物について
綾小路篤臣と阪柳成守(なりもり)の関係
一年生編7巻で初登場の二人の父親。
その際の篤臣の威圧的な態度から上司と部下的なモノを想像していましたが、全然違いました。
成守はホワイトルームの『出資者』であり、寧ろ篤臣が下手に出るべき立場。
これには驚きました…!
出資の条件として「ホワイトルームを見届ける」という役割も得ていますが、成守の倫理観に合わせ、闇部分を隠蔽されているようです。
えッ……いいように使われてない?
こうなってくると、篤臣が「清隆が親の同意なしに~…」と高育に乗り込んできたのは演技の可能性が高いですね。
すべて計画通りですし、あわよくばホワイトルームのライバルともなる「高度育成高等学校(高育)」の弱みでも握ってやろうと。そんな打算が透けて見えます。
二度の衝撃ワード「ホスト」
篤臣「ホスト時代に~…」
ヌァ……!?
篤臣はホストとして働いていたことが判明。これは衝撃です。
あの顔あの威圧で……?
いや清隆に似たら若いころはイケメンだったのかも知れませんね(逆)
何にせよ客ににこにこする姿は想像がつかなすぎます。
そしてもう一つ。
「それならーー清隆。清隆にして」
実の清隆の母親である美香が名づけたのは……入れ上げたホストの名前……
知らない方がいい情報だわ
倫理とは……?と思いますが、この『美香』何となく軽井沢に似ているんですよね。
”清隆”というホストに入れ上げ、学は無いけど強かで有能で。
似てませんか……?
篤臣の懸念と野望
阪柳
「60代、70代になってやっと国のトップに立つ資格を得る。綾小路先生がその点を不審に思うのは理解できます」
恥ずかしながら知りませんでした……
日本だけなのか?世界はどうか??
気になって調べてみました。見つけたのが2020年のこの記事です↓
脱・「お爺ちゃん政治」 EU諸国で若手トップが続々誕生する理由:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
アジアと違い、ヨーロッパでは30代40代の政治家も珍しくありません。
EU27か国では50代の代表が一番多く10人です。
尚これは現在の年齢の為、就任となるともっと若いでしょう。
この事実を知ったうえで
篤臣
「ホワイトルームを盤石のものとし、国の組織図を塗り替えるだけの人材を送り込む。そしてその仕組みを根底から覆すつもりだ」
この言葉を聞くとやったれーーー!と思いますよね。
私だけではないハズ……
こんな展開になるまで後何巻費やすか分かりませんが、野望が叶う展開を期待しています!
科学者:鈴懸鍛治
人間のメカニズムを解明したいと思っている」
清隆のような優秀だが無感情人間を作り出した、ホワイトルーム科学者リーダーです。
随分癖も味もある人物で、挿絵が欲しいなーと思う程に気にいった人物。
まごう事なき変人でしたが、ホワイトルーム凍結の際の記録では、清隆の親ともいえるような『想い』をみせてくれます。
「仮に清隆が俺の代わりにここに立ち育成する立場になれば、その子供たちは、コップなどではなくペットボトルにように大きくなっていくのではないか。……俺はその過程を是非見たいと思う」
まずは期待。
科学者としての本質を表す純粋な期待と好奇心が見て取れます。
私も見たい……
「俺が生み出したあの子の最期は……その死に際幸せを掴んでいるのだろうか……」
親と科学者、両方が混ざり合った複雑な感情が……なんというか尊いですね。
鈴懸、是非絵で見たい人物です。
天沢父登場!
WRの資金集めパーティーに現れた天沢父。…ク…クズ……!
アッでもしゃべり方とか一夏にちょっと似てる……
一億ポンと出してくれるなら上客ではありますけどね……
WRを抜け進路で迷っているであろう一夏に、酷な答えが判明しました。
親元に戻っても幸せにはなれない……というのはほぼ確定です。
神崎で気になった情報
2年生編8巻モノローグで明らかになった篤臣・子供時代神崎の対面シーン。
2年生編8巻の記事はこちらから
今度は篤臣視点でもっと詳しく語られています。
衝撃だったのが、神崎の空手黒帯というスペック。
格闘技系いけるとはビックリです。
一之瀬クラスの平和主義で活用する機会が無かったのでしょうね。
清隆が移籍して状況が変わると……と考えると楽しい
WRプロジェクト終了
直江の都合によりあっさり終了したホワイトルーム。
終わり際、篤臣にもう少し半沢直樹的なのを期待してしまいましたが、そうはなりませんでした……。
篤臣は長期戦(病死待ち)を狙う模様。
直江を破った鬼島という政治家も気になるところです。
篤臣は一度政治を捨て、ホワイトルームを取ることになりました。
それしかないとは言え、熱い展開ですね!
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総評
『ホワイトルーム』という呼称一つとっても、政治的思惑が詰め込まれ、中身の濃い一冊でした!
篤臣を取り巻く政治的思惑、科学者たちの情熱、予想を超えてきた清隆の異質な素質。
本編の真相(バックグラウンド)が見える、大事な一冊です……!!
これを読む事で、「清隆という人間が存在する」ということ。
その周囲に対する影響力が『何人もの人生を左右する』ということが初めて理解できる気がします。
綾小路清隆。空恐ろしい存在ですね……!
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