「ああ、俺は昨日、お前にそっくりな顔立ちをした、銀髪金目の女性騎士を目にした。お前に娘ができたら、あのような色合いをしているのかもしれないな」
こちらは2021年5月15日発売、『転生した大聖女は聖女であることをひた隠す5巻』ネタバレありの感想記事です。
（電子書籍・初回限定の２特典感想もあります！）
5巻は300年前の出来事に対する言及が今までで最重要だと感じました。
つまりちょっとシリアスでシリウス
霊峰黒嶽への旅路を描く、見逃せない巻です！！
| 前巻 | 次巻 | 転生した大聖女記事一覧（過去編ゼロ含む） |
5巻の収録内容
「小説家になろう」の連載に、書籍版では毎回書き下ろし追加されます。
基本、土曜日22時に更新されてるよ！
９５特別休暇１〜【挿話】魔王の右腕後が加筆修正
＆５本の書き下ろしが収録！
さらに電子書籍で購入すると
- フィーア＆ファビアン、騎士団長たちと食事をする（初回版限定特典）
- サヴィス 国王と訓練騎士との面談に近寄らないことを決心する（電子書籍特典）
この二つも読む事ができますので、今購入するならば電子版がおススメです。
個人的ベストシーン
今回撃ち抜かれたのは、「大聖女 騎士に扮して騎士団長会議に参加する」より抜粋する、シリウスのこの言葉。
「ああ、俺は昨日、お前にそっくりな顔立ちをした、銀髪金目の女性騎士を目にした。お前に娘ができたら、あのような色合いをしているのかもしれないな」
こ……これは……俺とお前は将来結婚するからということですね。
シ……シリウス〜ー！！！
騎士たちが「月が綺麗ですね」などと遠回しにアプローチしてくる中、この豪速球。
シリウスしか勝たなかった！！！
これはもう、転生してきたら結ばれるしかありませんね。5つの書き下ろし
アルテアガ帝国皇帝レッド＝ルビー「女神の足跡発見、だと⁉」
フィーアの元に向かう弟たちに置いて行かれた、可哀そうなレッド。
彼の公務に励んでいる様子が描かれていますが、その公務というのが
煌びやかな衣装を着て精霊の森で感謝の祈り。
書類仕事とかじゃないんだ…？
精霊の森は《精霊の愛し子》であれば、森の奥深くに招き入れられるという何ともファンタジーな場所。
もしかすると前世でセラフィーナが幼少期を過ごした「レントの森」ではないでしょうか？
今後フィーアが訪れる可能性大。アルテアガ帝国訪問に注目です。
転生した大聖女は聖女であることをひた隠すzero1【ネタバレあり感想】
大聖女、騎士に扮して騎士団長会議に参加する（300年前）
前世のサザランド事件、後日談はまだ続きます。
（経緯については4巻の記事をご覧ください！）
転生した大聖女は聖女であることをひた隠す4【ネタバレあり感想（特典共）】
バルビゼ公領への大聖女出勤令は正しいのか否か……それについての騎士団長会議。
セラフィーナは自分の目で結末を確かめようと、変装してカノープスに随行します。
私は侍女が持ってきた騎士服に身を包み、肩まである銀髪のウィッグを頭に被った。
あらあら、銀髪金瞳なんてエキゾチックなこと。
侍女の欲望が……いやよく用意できたね？？
そしてバレバレつつ始まる騎士団長会議。
（兄王子リゲル）
「結論から言うと、出勤は妥当であった！なぜなら～」
お？？お嬢際が悪いな？
【会議の内容を要約】
◎大聖女出動条件は『大聖女以外に代わりがない』ことが前提。
リゲル「青竜が倒せたのは（異例にも）シリウス殿が出勤したからだ！」
騎士団長たち「あーーーそれはそう」
シリウス「じゃあ最初から俺に要請すべきだった。これからそうしろ」
リゲル（セラフィーナ優先して断るくせに何言ってんだ）「………………そうさせてもらおう」
セラフィーナ以外への対応があくどい
そして個人的ベストシーンへと続きます！
第五騎士団長クラリッサ「フィーアと愉快な仲間たち」
クラリッサ団長が、上位者に取り巻かれているフィーアを面白く思っている様子が描かれます。
あまり聞きなれない「上位者」という言葉。なじみのある類義語は「権力者」ですが、騎士団長たちをまとめて呼ぶには権力に差がある為、こういう呼び方になるんですね。
彼女の見立てでは、総長は新人騎士（フィーア）との手合わせ後、雰囲気が柔らかくなったそう。
真っ先に気付くのが総長の変化とは！！
クェンティン団長に対しては「え、何これ、気持ち悪い」という率直な意見も。
憎めないキャラクターです。
長女オリア「私の小さな妹」
ルード家の家族事情と、フィーアの星の名前が出てくる寝言の話です。
「……シリウス、ぴかぴか過ぎて眩しいわ」
……太陽を除けば地球上から見える最も明るい星ですからね。
（そういうことではない）
調べてみると「カノープス」のほぼ2倍の明るさであるとあるのですが、カノープスも星の名前だったんですね！？
「大聖女」はファンタジーながら、このあたりの知識はリアルをそのまま引用されています。
シリウス星が「光り輝くもの」「焼き焦がすもの」なんて呼ばれているのも考慮されたうえで、キャラの名づけがされているのだろうなぁと感じます。
第四魔物騎士団長クェンティン 「ザビリアの角が賄賂罪にあたるか審議される」
タイトル通りです。
まぁよく考えれば部下からの、希少価値のある貢物ですからね……。
「恋ね」としたり顔のクラリッサ団長が絵付きでみたいなと思いました。
賄賂罪の件は結果的に見逃されました。
初回版・電子書籍特典
電子書籍で購入すれば、いつでも読む事ができます。
フィーア＆ファビアン騎士団長たちと食事をする （初回版限定特典）
（周りの騎士を押しのけてでも）フィーアと食事したがる騎士団長たち。
カーティス・クェンティン・ザカリー・デズモンドそれぞれの
「その席譲れ（圧力）」のバリエーションが楽しめます。
加わらないシリル団長がらしいですね。
サヴィス「国王と訓練騎士との面談に近寄らないことを決心する」
国王面談の同席を嫌がって、視察の予定を入れたサヴィス総長。
真面目に公務をこなしているイメージがあるので意外ですね
拗ねるシリル団長もあわせて、上司の以外にも子供っぽい所が見れます。
フィーアがやらかすというフラグです。
300年前の真実と考察
魔王の右腕とは？
「魔王の右腕」って……アレは何？」
ついにザビリアが（フィーアが居ないところで）カーティスに尋ねました。
物語りの肝だよ！！
尤も尋ねる形をとってはいますが、フィーアと意識を共有するザビリアの中ではすでに答えが出ていた模様。
- 正常時であれフィーアが叶わないと思う程の相手、ということ。
- 20か30くらいの紋を持っている、ということ（魔王は13紋）
「つまり……アレが『魔王』だろう？」
！！！！！！
黒色の謎
その他に存在する黒い魔物は、何かを獲得して自ら進化した、選ばれた個体のみだ。
『何かを獲得して』という部分が気になるところです。
ザビリアは王になると角が生えたりしていましたが、一定の条件を満たすと進化するのでしょうか？
シリウスも（物理的に）白から黒へ変化してるよね
黒色の謎といえば、ZERO1巻の黒フェンリル、総長も当てはまります。
転生した大聖女は聖女であることをひた隠すzero1【ネタバレあり感想】
「あれ、そういえば、……サヴィス総長は完全なる黒髪黒瞳だわ……」
何かが浮かびそうというフィーアは、前世で答えを知っている可能性があります。
黒フェンリルの謎が解けていたかもね
そしてもう一つ。
関係あるかは分かりませんが、なんだか怪しい文がありましたので抜き出しておきます。
ザビリアがねぐらにしている洞窟の天井の石。
ザビリアから差し出されたのは、黒く光る石だった。
一見魔石のように見えるけれど、魔物の体内から出たわけではないから魔石であるはずもないし……
「聖石」の例があるからね。石は重要アイテムかも
カストル（シリウス）大帝国時代
セラフィーナが亡くなった後のシリウスの行動が分かる超重要な部分です！
セラフィーナ亡き後、シリウスは名前とその名前に付随していた人生を捨てました。
新しく名乗った名前は「カストル」。
これはセラフィーナが、姉のお腹にいる子供につけようとしていた名前です。
セラフィーナとの思い出だけは捨てられないね
そしてやる事と言えば勿論復讐。
セラフィーナを殺した魔人を探し出すため、大陸の半分（北側）を10年かけて、アルテアガ皇帝として制覇してしまいます。
これは……魔王が「北にいる」という情報があったのかな…？
「10年」のところで大陸制覇が止まっているということは、その時点で魔王討伐が叶ったのかもしれません。
その舞台として有力なのが、今回訪れた『霊峰黒嶽』です。
ガザード領には何かある
黒嶽を含むガザード領は300年前はナーヴ王国の土地ではありませんでした。
セラフィーナが亡くなり、10年で半大陸制覇した黒皇帝カストル。
しかし何故かガザード領をアルテアガ帝国からナーヴ王国に戻しています。
特別な土地であることは確か。
シリウスは黒嶽にて魔王と対峙・勝利し、封じた箱をディタール聖国に収めているのでは？と考察します。
ディタール聖国の話は何故かカーティスが追加してきたんだよね……
まとめ
「グリーン、ちょうだい！お酒ちょうだい！
私にたらふくお酒を飲ませてちょうだい‼」
過去の衝撃事実ばかりでしたが、フィーアは訓練騎士期間が終了しました！
上のイラストはそのお祝い時です。
騎士になるのか、聖女になるのか……フィーアがやらかす、或いは成し遂げることを楽しみに次の巻を待ちたいと思います。
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