「原因はお前だ。お前が夢のような話をオレにするから……オレは夢の続きを見たくなり、あの夜をなかったことにしたくなくなったのだ」
転生した大聖女は聖女であることをひた隠す,9巻より
2023年10月18日発売の『転生した大聖女は聖女であることをひた隠す9巻』ネタバレ感想記事です。

今巻はサヴィス総長周辺が描かれる本編→第二回人気投票7位までのキャラSSという内容でした。
4~5万字書き下ろし!!
この記事では
- 9巻の収録内容
- あらすじネタバレ要約
- 読んだ感想(書き下ろし&特典含む)
をまとめています。
9巻の収録内容

書籍9巻に収録されているのは、
そこに第二回人気投票の上位7位までがそれぞれ主役のSSが加わった内容でした。
(6位のセラフィーナは、フィーアと同一人物だからか省かれていました)
- シリウスがセラフィーナをナンパする話(300年前)
- 酔っ払いフィーアをサヴィス総長が送っていく話
- フィーアがシリル団長とデートする話
- フィーアがザビリアを連れて堂々と城内を闊歩する話
- シャーロットが耳が聞こえないギディオン副団長の従魔を助ける話
- 遂にクェンティン団長が温めていたグリフォンの雛が生まれる話
さらに電子書籍で購入すると以下の二つも付属しています。
初回限定特典▼
- ファビアンが、フィーアが聖女であるか確認する話(街中)
電子書籍購入特典▼
- 晩餐会のサヴィス総長視点

2つも短編が多く収録されるため、購入するならDMMブックスなどの電子書籍がおすすめです。
9巻本編ネタバレあらすじ
前巻にてセルリアン&ロイドから「コレットが目覚めるための大聖女の薔薇を選んでほしい」と言われたフィーア。
9巻はその続きからです。
フィーアの今後の予定

セルリアン&ロイドの願いを二つ返事で引き受けたフィーア。
筆頭聖女選定会の実施も決まり、フィーアの今後の予定はこんな感じです。
- 1か月かけて「コレットが目覚めるための大聖女の薔薇」を選ぶ。
(1か月後は「筆頭聖女選定会」が終わり、新しい筆頭聖女が選ばれるであろう時期) - 1か月後、コレットにセルリアンたちが薔薇の花弁を入れた紅茶を飲ませる。フィーア&新筆頭聖女は隣室で待機する。
- デズモンド団長と行く予定だった『ディタール聖国への肉ツアー』は延期。

一か月間通常業務はお休み。どんどん騎士じゃなくなってきました…
サヴィス総長との晩餐会

サヴィス総長から晩餐会に誘われたフィーア。
「セルリアンが食事を御馳走するという約束をまだ実行していない」というキッカケからのお誘いでしたが……
フィーアが「お酒を飲んだため翌日何も覚えていない」という前提もあり、珍しく本音で語る総長。
聖女を「利己的」「独善的」「自己顕示欲が強い」とぼろかすに言いますが……
総長は近いうちに、そんな聖女との結婚を控えているわけです。
晩餐会の部屋は、かつてシリウスと晩餐した部屋。
フィーアはサヴィス総長をシリウスと重ねて悲しくなりました。
「もしも総長が全てに絶望して、それでも、聖女が総長の拠り所になれるとしたら、私に言ってください。その時は、あるべき姿の聖女をお見せしますから。」
つい、自分を頼るように言ってしまったフィーア。
フィーアの発言に希望を見たサヴィス総長は、フィーアに記憶がなくともなかったことにはしてくれませんでした。
「だが、オレは覚えているから、お前も覚えているものとして会話を交わす」
晩餐会後、総長は長い間月を眺めていたとか……
「月を眺める」…それは5巻で黒皇帝(シリウス)が、セラフィーナを思ってしていた行為です。

総長=シリウスなのかな!?
王城勤めの聖女たちと会う

ロイドに誘われて、プリシラと共に王城勤めの聖女たちに会いに行ったフィーア。
20名在籍は多いほうということで、女性の半分が聖女だった300年前から随分数が減っています。
ほかにも
- 薬草として認知されているものが、300~400種類→82種類に半減。
- 魔力回復薬は激痛で飲めたものじゃない
など、問題山積みの聖女の現状が判明しました。
イアサント王太后とのお茶会

筆頭聖女選定会が行われるため、国の西にある『セト離宮』から呼び戻されたイアサント王太后。
国民人気が非常に高い彼女ですが、サヴィス総長&セルリアンはお茶するだけでも嫌なようで……
フィーアを「お守り」言い、護衛として同席させます。
そして始まった親子でのお茶会。

このあたりは匂わせぶりな謎が多いです。
- イアサントは赤髪金眼なのに、サヴィス総長はなぜフィーアを「唯一無二の色味」と言ったのか?
- イアサントは生まれてきた総長を見て「これ以上の子は不要」と判断したとはどういう意味か?
- 王家には呪いがかかり、決して王女は生まれない?
ところがイアサントが子飼いの聖女『ローズ・バルテ』を紹介し、
「筆頭聖女選定会で選ばれた暁には妃としてよろしく」とサヴィス総長に言ったことで、セルリアンが激高。
自分が持つ「国王推薦枠」でフィーアを参加させると言い出しました。
人気投票書下ろしSSあらすじ
今巻全体の1/3くらいが、第二回人気投票結果を受けて書かれたSSでした。
その中でも個人的に特によかったと思うSS3つの、ネタバレあらすじ&感想です。
シャーロットが頑張る話

一番のおすすめ話は、人気投票第五位・シャーロットの書き下ろしエピソードです。
副団長・ギディオンの従魔『ローズ』の耳が聞こえなくなり、施設送りになる……
これを聞いたシャーロットは、ローズを落ち着かせる回復薬ではなく、一度デズモンド団長に作った「聴力回復薬」を自力で作りたいと考えます。

フィーアは大聖女の薔薇案件で忙しそうなので頼れないよ…
材料調達に一役買ってくれたのが、恩義のあるデズモンド団長でした。
「失敗してもいいように多めに」「森までの往復はいい腹ごなしになった」とフィーアには決して見せない気遣いを見せ、
さらにギディオン副団長にも、話を通しておいてくれます。
フィーアと比べると魔力が足りないため、少量ずつ作って投薬するシャーロット。
はっきりしない効果に消沈が隠しきれないギディオンもプレッシャーになりますが……
3日目の夕食後、ローズはついに皿が割れた音に気付きました。
そこから目に見えて耳が良くなっていくローズ。
「すごい!すごい!オレのローズが完全に聴力を取り戻した!!これで、どこにも行かずに済むぞ!!また一緒に過ごせるんだ!!」

これは感動…
誰に褒められても、やはりフィーアの言葉が一番響くシャーロットでした。
クェンティン団長と雛

クェンティン団長が温めていたグリフォンの卵から、ついに雛が生まれました。
変異種…の上の特別種でした。
ローズの聴力を喪失させた容疑がかかっていましたが……
「はっ!?クェンティン団長、見ましたか?今、雛がものすごく悪い顔で嗤いましたよ!!えっ、変異種じゃないはずだし、そもそもまだ雛だし、人の言葉がわかるはずもないのですが、まるで人の言葉を理解したかのように愉悦に満ちた表情を浮かべました!」
これも真実。
クェンティン団長に貰ったリボンを踏んだローズを、叩きのめしたりしています。

でもクェンティン団長には、水がうまく飲めないふりをして甘えたり……だいぶ裏表のあるタイプです
フィーア・ザビリア魔物専門家によると…
クェンティンが食べられる可能性もあったので、それは無さそうでよかったじゃないかとか。
名前をつけたら深紫色になったそうで…続編が待ち遠しいですね。
総長がフィーアを寮まで送る話

クラリッサによって総長本人伝えられた「フィーアは総長が本命」という誤情報。
なんと総長はこの話で、酔っているフィーア本人に確認をとります。
よって「誰が強いかという話」だと誤解が解けますが、その際総長の隻眼の話に。
総長は見えない片目を「治るとしても治さない」という考えですが、フィーアの「両目で見る世界は美しい」という言葉に惹かれるものがあったようです。

セラフィーナは最初盲目だったもんね…
総長の意見を尊重しつつ、やはり美しい世界を見てほしい。
フィーアの優しさや明るさに、こんな夜も悪くないと思う総長でした。
ほかにもどうしてもフィーアに聖石の対価を渡したいシリル団長や、ファビアンが「脱ぐな!」と言われる初回特典など……
面白い話盛りだくさんですので、ぜひ全部読んでみてください!
―――
ここまで読んで気になった方へ。
特典ショートストーリー2本は、現在でも電子書籍限定で読める内容です。
正直、
この特典SSを読まないのはかなりもったいないです。

キャラ同士の距離感や感情の機微は、感想より本文を読んだほうが何倍も刺さります!
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