転生した大聖女は～zero1【ネタバレあり感想】セラフィーナ過去編

（身体的特性について）
「それが『良いもの』なのか、『悪いもの』なのかは、誰かが決めることなのかしら？」

目が見えなかったセラフィーナ6歳の名言

『転生した大聖女は聖女であることをひた隠すzero 1』ネタバレ感想記事です。
完全書き下ろしの、300年前過去編！

今巻ではセラフィーナ6歳とシリウス19歳の出会いから描かれます。

物語の根幹ともいえるフィーアの前世の謎、最強幼女×最強過保護な保護者がこれでもかという程楽しめる巻でした！

ここからネタバレありで伏線と感想をまとめています。

第二王女・セラフィーナ

セラフィーナは登場時6歳。

目が見えないのに障害物を避けたり、お客様を予知したりする不思議少女です。

• ナーヴ王国の第二王女
• 生まれつき目が見えない為（瞼を開かない）
• 治療方法を模索する間『レントの森』で暮らしていた
• この度王城に戻されることになり、シリウスが迎えに来る

目が見えないのは『精霊王の祝福』でした。

セラフィーナは金の瞳であった為『精霊王の祝福』を与えられたとか…

しかし騎士たちが魔物に襲われた状況で、初めて目が視えないことに不満を感じ、祝福を解いて開眼しました。

「おねがい、シリウス。一度も戦ったことがない聖女はじゃまだろうけど、私も騎士たちを守るために戦いたいの」

その結果、聖女としてあり得ない程の能力を持つことが発覚します。

「麻痺解除！麻痺防御！身体強化！どれ一つ取っても聖女の魔法ではありえません！これはどこにも存在しなかった、未知の魔法です‼」

セラフィーナが最初の戦闘から最強なのは、『精霊の言葉』を理解して話せるためでした。

既に何年にもわたって、精霊たちから直接『聖女の教え』を受けていたようです。

『精霊王の祝福』ってなに？

余談ですが『精霊王の祝福』は、セラフィーナのほかに、現代で王族・セルリアン（本名：ローレンス）も受けています。

彼は『精霊王の呪い』『精霊王の祝福』の両方を同時に受けているという、ややこしい状況。

そして『呪い』の方が、『セラフィーナ時代の精霊王』がかけたものです。

つまり後程登場する精霊王『オーリゴー』のもの。

まだ明らかになっていませんが、

それならばセルリアンにかけられた『精霊王の呪い』は……

気に入っていたセラフィーナを死に追いやった王族に、オーリゴーが代々受け継がれる呪いをかけた…というのが有力シナリオかなと思います。

シリウス・ユリシーズ公爵

「……攫ってでも、お前を王都に連れて行きたくなる」

シリウスは銀髪白眼・19歳の公爵です。

• 19歳
• ナーヴ王国角獣騎士団副団長。
• 国で一番強い。「シリウスに倒せなければ誰にも倒せない」という魔物討伐依頼が持ち込まれる。
• 母親はアルテアガ帝国の公爵令嬢で、父親は不明。
• 表向きは亡きナーヴ王国王弟の子供。

シリウスがアルテアガ帝国の皇帝になった件については『5巻書き下ろし【side】黒皇帝（300年前）』を参照。
ちなみにアルテアガ帝国は、大陸の中で勢力が傑出している大国です。世界の王！という感じですね…

尚セラフィーナと出会ってからは、過保護な保護者となります。

• セラフィーナをすぐ膝にあげる
• セラフィーナをすぐ抱える
• セラフィーナが固いものを食べる時は先に砕く

精霊って何？

本編（現代編）では登場の遅い『精霊』という存在。
セラフィーナはレントの森で『セブン』という精霊と契約していました。

精霊とは下記のような存在です。

• 顔の美醜で強弱が判断できる
• 能力が高い精霊程、赤い髪を好む
• 契約すると約10倍の回復魔法が使用できる
• 契約すると手の甲に契約紋が刻まれる
• 精霊は大人で、成人した女性としか契約しない
• 聖女が呼び出すと精霊が現れる

ナーヴ王国王家の成り立ちについて

ーーーーナーヴ王国王家は精霊王を祖に持つ。
そのため、精霊に関する感応力は並外れて強かった。
略
『我が国の最東端にある森は、精霊王から託された「はじまりの森」なのだ。あの地には我が王国を繁栄に導いてくれる、王国の未来が詰まっている……

つまりナーヴ王国王家…セラフィーナには精霊王の血（人間じゃない血）が混ざっていると判明しました。

人間と恋愛結婚をして、その子孫がセラフィーナ達、ということです。

そして『はじまりの森』というのは、セラフィーナが6歳までいた『レントの森』。

中々にファンタジーな世界観です。

黒フェンリルと遭遇

グリフォンにさらわれたセラフィーナ。
連れていかれた巣でセラフィーナサイズの赤い眼をした黒い狼（フェンリル）に出会います。

グリフォンの雛用の餌として連れてこられたのに、逆にグリフォンの雛を食べてしまった黒フェンリル。

かなり強いです…。

なぜなら黒色は、最大最強の特別な力を持っていることを示す警告色だからだ。
そして、実際に、この大陸の頂点に位置する「二大魔獣」と呼ばれる魔物は、双方ともに黒色をしていた。
恐らく、大陸中を探したとしても、黒色の魔物はその2頭きりしかいないはずだ。

そしてこの時「黒いフェンリル」という存在は、世間一般に知られていませんでした。

そもそもフェンリルなのか？

仲間であるはずのフェンリルたちは、黒フェンリルを襲っています。

とりあえず

• セラフィーナと「人をおそわない」という約束を交わし
• 王城にあるセラフィーナの庭に住み着く

ことになりました。

尚、本編（現世）では『二大魔獣』が『三大魔獣』に変化しています。

黒フェンリルが、この後追加されたのかもしれませんね。

シリウス×セラフィーナ見どころ

「一緒に連れて行って、シリウス！私はあなたを守る聖女になりたいの」
「……殺し文句だな」

最初から好感度マックスで始まる、最強×最強の13歳差カップリング。

始終セラフィーナの意志を尊重するシリウスが、本当に良い騎士です。

セラフィーナの夢をかなえる為、暴虹蜂の蜂蜜採取へ行ったり……

（セラフィーナは蜂蜜たっぷりのパンケーキを食べることができました）

旅行に行く予定も。

関連記事：転生した大聖女は～zero2【ネタバレあり感想】

しかし幸せであれば幸せなほど、この10年後…セラフィーナが先に亡くなってしまうという事実が重くなります。

そして、10年後、オレはその言葉の意味を、心底実感することになる。
『セラフィーナがいてくれる限り、オレは幸福だ』と。
ーーーオレの言葉に、間違いはなかったのだ。

やはり現世のコメディと合わせて読みたいですね。

まとめ

幼女・セラフィーナが非常にかわいい一冊でした。

6歳とは思えない程しっかりしているというか、小さいのに危なげも無く、すぐにお互いが「特別な存在」に……

ですがこの後、魔人と兄たちによって二人は引き離されるんですよね……

読めば読むほど、過保護なシリウスとカノープスが離れる状況というのが思い浮かばず、

「セラフィーナはなぜ死んだのか？」の謎が深まります。

ぜひ読んでみてください！

ちなみに、ZEROにはアーススターノベルお決まりの店舗特典ラッシュがありません！
「初回限定版特典」のみになります。電子書籍での購入で、いつまでもついてきますよ。

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